OpenAI、TikTok風の短編動画ソーシャルアプリ「Sora」提供開始 AI生成コンテンツに特化

米AI新興企業OpenAIは9月30日、動画生成AIの最新モデル「Sora 2」と、同モデルを搭載したソーシャルアプリ「Sora」を発表した。このアプリは、TikTokと同様に縦型フィードのインターフェースとスワイプ操作を採用しているが、全てのコンテンツがAI生成である点が異なる。
現時点では、iOSアプリのみ提供。Androidユーザーはウェブから利用できるが、いずれも招待コードが必要となる。
アプリ内では、動画を作成したり、他のユーザーの作品をリミックスしたり、カスタマイズ可能なSoraフィードで新しい動画を発見したり、カメオ機能で自分や友人を登場させたりできる。
カメオ機能は、アプリ内で動画と音声を登録することで、自身をAI生成動画に登場させられるものだが、悪用なども懸念されている。
アプリ内は既に、著作権で保護されたキャラクターなどを用いた動画が氾濫しており、サム・アルトマンCEOは現行のオプトアウト方式(著作権者が拒否しない限りデータを使用する)から、オプトイン方式(著作権者の同意を得てデータを使用する)に近い仕組みに変更する方針を提示。これに対し、米映画業界団体MPAは「権利侵害を防止する責任は同社にあると認識すべき」と訴えている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「ChatGPTを運営するOpenAIがTikTok風のソーシャルアプリ「Sora」をリリースして早速、著名人や人気キャラクターを使ったショート動画にあふれているのはご存知のとおりだ。著作権の問題はさておき、こうしたAIを使った遊びに間違いなく需要はあるのが改めて証明された。歴史的に「けしからん」ものが業界の努力によって合法化されていった方が定着しやすい。聴き放題(ファイル共有→サブスク)がその典型だ。記事にあるとおり現在はオプトアウト方式で、ハリウッドの大手タレントエージェンシーWMEは削除(オプトアウト)を申請済み。ディズニーは「その手には乗らない」とオプトアウト方式自体を認めていない。任天堂はAIに限らすIP侵害には毅然と対処していくという方針だ。アプリを作ったOpenAIはオプトアウトから著作権者の同意を得て利用可能になるオプトイン方式への移行を予定している。」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
広告・取材掲載