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欧州のデジタル広告業界、AI普及率は85% IAB Europe調査

ビジネス 海外

欧州のデジタル広告業界団体IAB Europeは9月18日、同地域のデジタル広告におけるAIの影響に関する初の包括的な報告書を公表。ガバナンス上の課題が依然として存在するにもかかわらず、企業間でAIの採用が広く進んでいる実態が明らかとなった。

調査は、欧州複数市場の出版社、アドテック企業、広告代理店、広告主を含む95社を対象に7〜8月にかけて実施。回答企業の85%はマーケティングでAIツールを利用しており、74%はAIを活用したキャンペーン機能を少なくとも1つ導入していると答えた。

最も一般的な用途はターゲティング(64%)とコンテンツ生成(61%)。プログラマティックおよびダイナミッククリエイティブの最適化、オーディエンス分類、レポート作成と分析、パーソナライズド体験、メディアプランニング、測定、クロスチャネル最適化、不正防止などにもAIを活用している。回答者の約4分の3はAIへの投資を維持または増加させる計画だ。

企業の68%は一般的な内部AIガイドラインを整備している一方、マーケティング・広告分野向けのガイドラインを策定している企業は半数未満(43%)にとどまる。

(文:坂本 泉)

 

榎本編集長

「ヨーロッパの広告業界をAIが席巻。欧州の広告会社でマーケにAIを使う会社は85%、キャンペーンにAIを使った会社は74%、ターゲティングは64%、コンテンツ生成は61%に。OpenAIのAI版TikTok「Sora」やSunoの音楽づくりなど、いろいろ問題がありつつもAIもいよいよみんなの遊びとして楽しめる段階に入ってきているが、人を惹きつけるのが商売という点でエンタメ産業と共通点の多い広告の世界でもかなり浸透してきている。ガイドラインや法整備が間に合ってない印象だがもはや止まることを知らない勢いが出てきている点で、ウェブの誕生からネットバブルに向かうあたりを思い出す経験者も多いだろう。私もその一人だ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。