無許可の有名人AIボットが台頭 スーパーファン向け高額販売も

若者(特に女性)がcharacter.aiのようなプラットフォームを利用して、有名人のボットを無許可で作成して毎日交流。一部のスーパーファンは、Discordプライベートグループ内でこれらボットとの交流権を高額販売する限定コミュニティーを構築しているーー。Digital Music News(DMN)が10月2日、独自の調査を基に、こうした実態を明らかにした。
Netflix発の長編アニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」のキャラクターを模したあるボットは、今夏に作成されて以来1,200万件以上のインタラクションを獲得した。
これらボットは単なるテキストベースではなく、裏では開発者が公開されている音声・映像素材を収集し、説得力のあるAI音声モデル構築に十分な生データを蓄積している。こうしたプレミアム版がスーパーファンに販売されており、価格は音声の再現度、シナリオの精緻さ、有名人の知名度に応じて上昇する。
DMNは、無許可のAIボットの台頭は、音楽業界でようやく確立され始めたばかりの分野であるNIL(名前・イメージ・肖像権)の管理に関する緊急の課題を提起していると警鐘を鳴らしている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「『K-POPガールズ!デーモンハンターズ』がNetflixで史上最高のヒットになったが、登場キャラをAIボットにして遊ぶことが主にアメリカの女子層で流行中だ。character.ai(記事に動画を貼っておく。MAUは1.8億人)で作ってDiscordなどで遊ぶのが人気で、記事のとおり、ある野良ボットは1200万以上のアクセスを既に出しており、Discord内で高額で売買されている。昨日もSoraでアニメキャラや著名アーティストのショート動画をつくる遊びが流行していると記事で紹介したが、もちろんこれらは著作権を無視していることで問題があるものの、こうしたAIを使った遊びには確実に需要があることが改めて証明された形になる。ファイル共有で誕生した「聴き放題」を音楽サブスクで合法化していったように、急いで音楽産業側が合法的なビジネス環境をつくっていく必要がある。ただ、これまで取り締まりの話が中心だったのが、いかにAIで稼ぐか、目標のイメージがどんどん明快になってきた。「K-POPの父」イ・スマンは既に所属アーティストのAIボットを商用化するサービスの構築に入っている。(「エスエム・エンタ創業者の新会社、所属アーティストのAIチャットボット発表へ A2O Mayら」)」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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