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ソニーの1〜3月売上から見える「ストリーミング停滞、フィジカル復活気味、音楽出版絶好調」の世界トレンド

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ソニーのレコード音楽事業と音楽出版事業を合わせた売上高は、2025年1〜3月に25億4,000万ドル(約3,673億円)となり、前年同期比1.5%増加した。ソニーグループが公表した決算報告書を基に、MBWが米ドルに換算しながら独自に算出した。  

この計算では、ソニーの全世界における音楽制作事業および音楽出版事業は含まれるが、ゲームやアニメなどの「ビジュアルメディア・プラットフォーム」部門の売上高は除外されている。 

なお、音楽マーチャンダイジングやライセンシングを含む、ソニーの「付随的」音楽著作権ビジネスは「レコード音楽」の売上として計上されている。  

売上高を部門別に見ると、レコード音楽事業は1.8%減の19億1,000億ドル。このうち12億7,000万ドルはストリーミング(サブスクリプション収入+広告収入)によるもので前年から1.8%伸びた。フィジカルは8.8%増の1億7,600万ドル、「付随的」音楽著作権ビジネスは12.2%減の4億1,840万ドルだった。 

音楽出版部門は12.9%増の6億3,090億ドル。このうち3億6,340万ドルはストリーミング由来で22%拡大した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「絶好調の決算が発表されたソニーミュージックだが(前年度比14%増の1兆8,426億円)、円安、アニメ、スマホゲームの要素を取り除くと今年はどうか?MBNが今年1〜3月期をドルベースで計算すると前年比1.5%、録音音楽の売上は1.8%減、ストリーミングは1.8%増、フィジカルが8.8%増、マーチャンダイジング等は8.8%、音楽出版は12.9%%増と「ストリーミング停滞、フィジカル復活気味、音楽出版絶好調」というここ1年のトレンドが反映した分析結果となった。ストリーミングは停滞と書いたが音楽サブスク売上や広告売上のことで音楽出版(録音ではなく著作権の方)はストリーミング由来で22%増と大幅にプラスに働いている。なおソニーによると昨年度(MBNの分析は今年1〜3月期)のストリーミング売上成長率(ドルベース)はレーベルが5%増、音楽出版が同13%増だった。」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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