「コンテンツファン消費行動調査2025」1人当たり支出額8.5万円で過去最高、Mrs. GREEN APPLEが両ランキングで躍進

博報堂DYホールディングスと博報堂の共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、「コンテンツファン消費行動調査2025」を実施し、全11カテゴリ・計1,700以上のコンテンツに関する「リーチ力・支出喚起力ランキング」を発表した。
調査概要
・調査名称:コンテンツファン消費行動調査2025
・調査方法:インターネット調査
・調査地区/対象者:全国15~69歳の男女 (全国7エリアを性年代別人口構成比で割付)
・有効回収サンプル数:10,000サンプル
・調査時期:2025年2月25日~3月13日
・調査機関:QO株式会社
※全11カテゴリ:「ドラマ・バラエティ」「アニメ・特撮」「マンガ・ライトノベル」「小説」「映画」「音楽」「ゲーム」「美術展・博覧会」「スポーツ」「レジャー施設・イベント」「特定のタレント・人物
生活者のコンテンツへの支出金額は85,137円(前年比+6,034円)と、2011年の調査開始以来過去最高を記録。コロナ禍で落ち込んだところから2023年調査以降3年連続の上昇となり、エンターテインメント市場の本格的な盛り上がりを示している。
市場カテゴリごとでは、リアルイベント市場の伸びが著しく、推定市場規模は1兆2,596億円(前年比+22%)に到達。前年調査で大幅に拡大した関連グッズ市場(7,106億円)やデジタルコンテンツ市場(4,827億円)も引き続き高い水準を維持している。
コンテンツジャンル別では、音楽ジャンルが最大の市場規模(8,005億円)で全体の支出増を牽引。特にコンサートや音楽フェスティバルなどのリアルイベント市場(3,122億円)は調査開始以来2番目の高水準となったほか、デジタルコンテンツ市場(920億円)は過去最高を記録した。
コンテンツへの1人当たり支出金額が伸びる一方で、支出する人数は減少している。音楽ジャンルでも2025年と2019年の支出層を比べると、リアルイベント市場で648万人減少(2019年比-37.1%)、関連グッズ市場で188万人減少(同-26.6%)と大きく減少。支出層の人数が減少する一方で1人当たりの支出金額が増えていることから、特定のコンテンツを深く愛し、ライブやグッズなどに支出する熱心なファンが存在するものの、コンテンツにお金を払う顧客の数自体は必ずしも増えていないことが判明した。
「リーチ力」と「支出喚起力」の両ランキングでトップ20位までにランクインしたのは、前年調査に続き「鬼滅の刃」「名探偵コナン」「ONE PIECE」「ポケットモンスター」の4つ。そうした中、躍進したのが「Mrs. GREEN APPLE」で、「リーチ力」ランキングでは5位(前年18位)、「支出喚起力」ランキングでは11位(前年トップ20位圏外)と、初めて両方でランクイン。音楽アーティストで両方にランクインしたのは2022年調査の「嵐」以来となった。
Mrs. GREEN APPLEのファンは、楽曲そのものだけでなく、ライブの配信やファンクラブといった項目への支出が目立ち、幅広くコンテンツに関連した支出をしている。2024年は高い頻度で新曲を発表し、サブスクリプションサービス上で実際の視聴やファンを増やしながら、コンサートや音楽フェス、その配信などで広く収益を得たことが、ファン拡大と収益化の両立を実現した好例として挙げられている。
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