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“アップル税”撤廃か SpotifyのiOSアプリ、アメリカで決済システムの選択可能に

ビジネス 海外

Spotifyは5月2日、アップルが米国向けiOSアプリのアップデートを承認したと発表した。米連邦裁判所の判決を受け、アップルがApp Storeの開発者向け規約を更新したことを受けた動き。 

これにより、米国のSpotifyアプリでは、アップル以外の決済システムの利用も可能に。またアプリ内で、サブスクリプションの料金詳細やキャンペーン情報などが表示されるとともに、契約プランを変更できるようになった。  

米国では4月30日、アップルの対エピックゲームズ訴訟において、サードパーティによる支払いオプションを認め、デベロッパーの顧客へのオファーの制限をやめるよう命じる判決が下された。アップルは裁判所命令には従うものの、判決に異を唱えて控訴する方針だ。 

Spotifyは今回の判決を「消費者、アーティスト、クリエーター、作家にとっての勝利」と呼び、価格引き下げと新たなアプリ内購入オプションの可能性を示唆。5月9日には、オーディオブックの個別購入や聴取時間の追加購入ができるよう、さらなるアップデートを申請した。 

アップルはApp Storeでの購入に、最大30%の手数料(アップル税)を課している。     

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「アメリカで遂に”アップル税”が廃止になりそうで、これはアーティストやレーベルにとってかなりの朗報なのだがあまりピンと来ないかもしれないので解説しておく。音楽リスナーがSpotifyへ支払った月額料金だが、アプリ内決済をしていると最大30%がアップルの手数料で消えていた。30%というのはSpotifyの取り分である約20%よりも大きい。残りが音楽会社やアーティスト側の取り分となるわけだが、アップルが取っていた30%が音楽側に入ることになればかなりの変化だ。現状、アメリカのApp Storeだけの話題だし、Appleは控訴する予定だが、Appleは負けたらアンドロイドの”グーグル税”も廃止され、各国でも同様のことが起こるだろう」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。