JASRAC、2021年4月〜12月期報告を発表

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第3四半期の徴収額及び分配額

日本音楽著作権協会(JASRAC)は1月24日、2021年度第3四半期(2021年4月から12月まで)報告を発表した。

第3四半期の徴収額は、2020年度同期比5億8,000万円の減となった。新型コロナウイルス感染症については、2021年9月中旬以降感染者数の減少傾向が続き、同月末には緊急事態宣言が全ての都道府県において解除された。これを受け、イベントの開催件数が大幅に回復し、上演・演奏会等で前年度同期を大きく上回ったほか、インタラクティブ配信が好調を維持した。他方、配信利用への移行が続く放送等やビデオグラム、緊急事態宣言解除後も各種営業制限や自粛要請が続くなど、同感染症の影響の残る社交場、カラオケ及び通信カラオケで前年度同期を大きく下回った。

インタラクティブ配信の好調や演奏会等における復調を受け、第3四半期までの累計では前年度同期比22億8,000万円の増となっているものの、2022年1月以降、新たな変異株による感染が急拡大していることから、同感染症が音楽利用市場に与える影響を引き続き注視し、適切に対応していくとのこと。

第3四半期の分配額は、2020年度同期比9億3,000万円の増となった。これは、主に2021年4月から9月までの徴収額を反映したものである。7月から9月初めにかけ感染者数が急増し緊急事態宣言も発令されるなど、同感染症の影響を受けた演奏等で減となったものの、大ヒット作品のあったビデオグラム、好調を維持したインタラクティブ配信で大幅な増となった。

なお、前年度第1四半期の分配額には、分配早期化の取組によって2期分をまとめて分配したインタラクティブ配信のサービスが含まれることから、第3四半期までの累計では前年度同期比41億1,000万円の減となった。

第3四半期の経常収益及び経常費用

第3四半期の経常収益は、2020年度同期比600万円の増となった。管理手数料収入について、新型コロナウイルス感染症の影響により演奏等が2020年度実績額を下回った一方、インタラクティブ配信が2020年度同期比117.9%(1億2,000万円の増)となったことなどから、全体として増加した。第3四半期までの累計では、2020年度同期比8億8,000万円の減となった。

第3四半期の経常費用は、2020年度同期比4,000万円の減となった。これは、システムのランニングコスト減のほか、外部委託の見直しにより使用料の請求・分配にかかる作品コード特定のための費用(資料費)が減となったことによるものである。第3四半期までの累計では、2020年度同期比7億1,000万円の減となった。

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