エンターテインメントと人の距離を近づける「LINE チケット」 ー LINE 舛田淳氏×アミューズ 相馬信之氏インタビュー【前半】

インタビュー フォーカス

左から:舛田氏、相馬氏

9月1日、LINE、アミューズ、テイパーズ3社の共同出資による新会社「LINE TICKET 株式会社」が設立された。LINE TICKETが提供する電子チケットサービス「LINE チケット」は、「LINE」プラットフォームを活用した電子チケットサービスを展開することにより、LINE IDを活用した転売対策のほか、主催者からユーザーへ、ユーザーからユーザーへとLINE上でチケットのやり取りが可能になるなど、LINEならではの機能を活かしたサービスの提供を予定している。2018年にサービス開始予定の「LINE チケット」についてLINE株式会社 取締役 舛田淳氏と株式会社アミューズ 取締役 専務執行役員 相馬信之氏の両氏に話を伺った。

  1. LINEのチケッティングへの思いとアミューズの志が合致
  2. 「100%電子チケット」に振り切る覚悟
  3. 「LINE ID」の優位性〜イベントのポテンシャルを引き上げる
  4. 「LINEチケット」を通じて生まれる新しいエンターテインメント・ビジネス
  5. ユーザーのストレスを解消するチケッティングサービス
  6. エンターテインメントに身近に接することができる世界を作る

LINEのチケッティングへの思いとアミューズの志が合致

――「LINEチケット」に関して、最初はLINE、アミューズどちらから話を持ちかけられたんですか? 

相馬:持ちかけたのは僕達からです。サザンオールスターズや福山雅治をはじめ、アミューズに所属するアーティストのファンの皆様方からチケットの不正転売に対するご意見やリセールに対するお問い合わせを数多くいただいていたので、根本的なチケッティングから対処していかないといけないと3年ほど前から社内で話し合っていたんですね。そして、去年の春くらいから転売対策を具体的に進めようとしていたときに、自社だけやるのは将来性がないですし、やはりどこかと組んで、他社のアーティストの方々や音楽以外のエンターテインメントでも機能できるプラットフォームを作ったほうがいいのではないか?という話になりました。

――そのパートナーとして名前があがったのがLINEですか?

相馬:「LINE」は生活のインフラとして欠かせないものになっていますし、あらゆるコンテンツホルダーと展開するオープンなサービスにするためには、LINEさんのプラットフォームが必要でした。門前払いに遭う可能性もあるけれど(笑)、ダメ元で話を持ちかけたところ非常にいい返事をいただき、プロジェクトがスタートしました。

舛田:少し時計の針を戻しますが、我々も2014年に実施した事業戦略発表会のときに「アーティストバリューチェーンをつくりたい」というような発表をして、その中でチケットについても触れていたんですね。我々は「スマートポータル」を標榜してやっているんですが、やはりコンテンツやエンターテインメントは大切であり、おそらくエンターテインメント事業という産業自体は、どんどんライブに向かうという認識の中で、チケッティングは重要なカテゴリーだと検討を重ねていました。

ただ、勉強をすればするほど「チケットは難しい」と(笑)。やはり構造的に歴史を積み重ねてできているものですし、例えば、私たちが紙のチケットで新たにプレイガイドに参入しますと言っても、誰にも「面白いね」「よくやってくれた」と言ってもらえないと思うんですよね。やはり100%電子チケットじゃないと我々がやる意味がない。でも、我々がシステム、プラットフォームだけを持っていても、実際に一緒にやろうと言ってくださるパートナー、アーティストの皆様がいないとできないわけです。

そのような経緯もあり、チケットに関しては一時プロジェクトを凍結させていました。しかし、不正転売などのさまざまな問題が出ているときに、心の中では「だから電子チケットじゃないとダメなんだ!」と思う中で、アミューズさんからお声掛けいただいたわけです。こういった場合、通常ですと、初回のミーティングは他のメンバーに任せることが多いのですが、これは初回から「出ます!出ます!」と(笑)。そして「前向きに検討させていただきます」とほぼ即決でした。我々としては、電子チケットに関して一度踏み出す良いトリガーをアミューズさんに引いていただいたなと大変感謝しています。

LINE 舛田淳氏×アミューズ 相馬信之氏

――では、基本合意に至るまでに大きな障害はなかった?

相馬:そうですね。すでにLINEさんサイドで動いていた部分と、我々の志がカチッと合ったんですよね。いちいち「役割分担をどうしましょうか?」なんて話し合う必要もなく、お互いの得意なものを持ち寄ると言いますか。そのあたりの話し合いは非常にスムーズでした。

舛田:我々も最初の段階で「100%電子チケット、本気でやりますか?」とお話させていただいて。

相馬:すごいですよね。「どこまで本気ですか?」「本当に電子チケット100%でできますか?」って(笑)。LINEさんの覚悟を感じた瞬間でしたね。

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