Apple Music、他のDSPからの乗り換え促進 ライブラリ転送ツール発表

Apple Musicは5月12日、Spotifyなど他のデジタル・サービス・プロバイダー(DSP)からの移行をより簡単にする内蔵ツールを発表した。このツールは、ユーザーが他の音楽サービスから直接Apple Musicにライブラリやプレイリストをインポートするのに役立つ。
現在はテスト段階で、対象はオーストラリアとニュージーランドの有料会員のみ。アプリとウェブで利用でき、アプリは最新バージョンが必要となる。
転送元の音楽サービスを指定し、サインインした後、ユーザーは転送する曲・アルバム・プレイリストを選択。Apple Musicは選択されたものを独自のカタログと照合し、ユーザーのライブラリに追加する。
ユーザーが保存したコンテンツや個人的に作成したプレイリストは転送できるが、他のDSPが作成したプレイリストは対象外。特定の曲やアルバムで完全に一致するものが見つからない場合、類似の代替案が提案される。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Apple MusicがSpotifyなど他の音楽サブスクのプレイリストをインポートできるツールを搭載。まだテスト段階で日本では利用できないが、なぜ今になってようやくこうした機能が付いたかというと、ストリーミングやスマートフォンがイノヴェーションだった時代は終わり、レッドオーシャンに入った。これまで記事にしてきたように先進国で音楽サブスクの成長が止まり、特にアメリカで音楽サブスク同士で乗り換えが顕著になってきた傾向が背景にある。昨年初頭ぐらいから、世界の音楽産業はグローバルメジャーを中心に既に次のブルーオーシャンを探して活動を強めている。音楽サブスクが誕生してから来年で四半世紀が過ぎようとしており、期間的にはCDの誕生1982年から黄金期1999年よりも既に長い。」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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