第一興商、24年4月~25年3月期は売上高と最終利益が過去最高 今期も増収見通し

第一興商は、2025年3月期の連結業績(2024年4月1日~2025年3月31日)を発表した。
売上高は過去最高の1,530億2,000万円(前期比4.3%増)。利益面においては、ベースアップに伴う人件費の増加や、各事業への設備投資に伴う減価償却費の増加などの影響により、営業利益が179億4,500万円(同3.5%減)、経常利益が183億9,600万円(同6.0%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益などの特別利益が前期と比べ53億9,900万円増加したほか、業績回復に伴い繰延税金資産の積み増しを行った影響などにより、181億7,800万円(同44.6%増)と、過去最高を記録した。
業務用カラオケ事業は、主力市場であるナイト市場及び成長市場であるエルダー市場を中心として緩やかに改善が進み、当期末のDAM稼働台数は、前期末比1%増となった。2023年4月に発売した「LIVE DAM AiR(ライブダムアイアール)」の新商品効果が剥落し、卸売を中心とした商品販売売上が前期に及ばなかったものの、機器賃貸件数及びDAM稼働台数の増加に伴ってストック収入が増加したことにより、売上高は前期比2.0%の増収となった。利益面においては、商品販売粗利が減少したほか、賃貸機器の入替え推進に伴う原価や販管費が増加したことなどにより、営業利益が前期比5.7%の減益となった。
なお、2025年4月には、5年半ぶりとなるDAMの新たなフラッグシップモデル「LIVE DAM WAO!(ライブダムワオ)」を発売。好調な受注状況となっている。
カラオケ・飲食店舗事業は、カラオケ12店舗、飲食14店舗の出店、及びカラオケ15店舗、飲食14店舗の閉店を行ったことにより、当期末の店舗数はカラオケ503店舗、飲食159店舗となった。店舗の集客について、前期からの上昇傾向が下期にかけてやや緩やかにはなったものの、当期の既存店売上高は前期と比較してカラオケ店舗で2%増、飲食店舗で3%増となった。飲食店舗においては、予約受注が好調に推移。以上の結果、売上高は前期比2.8%の増収となった。利益面においては、店舗設備のリニューアル投資や人件費の増加などの影響などにより、営業利益が前期比10.6%の減益となった。
音楽ソフト事業は、CD・DVD等の商品販売や音楽出版事業については堅調に推移したものの、前期に行った株式譲渡に伴ってテレビ番組制作事業が剥落したことにより、売上高は前期比17.5%の減収、営業利益は前期比12.7%の減益となった。
その他事業は、新たな収益の柱とするべく「ザ・パーク」ブランドで展開するパーキング事業の業容拡大が進展し、当期末時点で3,900施設、4万4,000車室の規模に拡大。「スターデジオAir」等で展開するBGM事業や、家庭用カラオケサービス「カラオケ@DAM」についても堅調に推移した。以上の結果、売上高はパーキング事業収入が増加したことなどにより前期比31.2%の増収となり、営業利益は前期比61.4%の増益となった。
2026年3月期については、売上高が前期比6.3%増の1,627億円、営業利益が同0.3%増の180億円、経常利益が同2.2%増の188億円、親会社株主に帰属する当期純利益が28.5%減の130億円を見込んでいる。
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