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ワーナー・ミュージック、第2四半期は1%減収 中国でシェア低下

ビジネス 海外

ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は5月8日、第2四半期(2025年1〜3月)の総売上高が14億8,400万ドル(約2,199億1,100万円)となり、前年同期比0.7%減少したと発表した。 

純利益は62.5%減の3,600万ドルだった。   

恒常為替レートベースでは、1.2%の増収。部門別に見ると、主力の音楽ソフトは11億7,500万ドルで実質0.7%減少した。うち、デジタルはサブスクリプション(有料ストリーミング)が3.2%増の6億2,200万ドル、広告付き(無料ストリーミング)が2.9%減の2億300万ドルとなっている。フィジカルは1億1,200万ドルと1.8%拡大。アーティスト・サービス&エクスパンデッド・ライツ(拡張権利。グッズなどマーチャンダイジングやスポンサーシップ、ライブ演奏など)は5.6%減の1億1,700万ドルだった。   

音楽出版は3億1,000万ドルと、1年前から実質3%伸びている。  

同社は、ストリーミング全体では実質1.6%の増収となったものの、リリースが少なかったことや中国での市場シェア低下などが打撃となったと説明。WMGのロバート・キンセルCEOは、年内は中国での苦戦が続くとみている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界の三大メジャーレーベルの業績を追うと音楽産業の動向が分かるのだが、その一角ワーナー・ミュージックの第二四半期の売上が前年比0.7%減で、インフレを勘案するとそこそこ下がっており、中身を見るとサブスクや広告ストリーミングの売上が落ちている。キンセルCEOによるとリリースが少なかったことと、中国での苦戦が続いていることが響いているという。先進国でのサブスクの伸び悩みに変わって新興国の売上がますます重要になっている一方で、歴史的な法則として音楽市場の成熟が進むとグローバルメジャーが強い米英の音楽のシェアが落ち、現地の音楽が伸びていくというのがずっと起きてきた(日本やドイツなどでも起きた)。それが新興国の先頭を走る中国で起き始めているということが読み取れる。ワーナーもアフリカに強いディストリビューターAfricoriを買収したり、インドの音楽会社と提携したりと進めているが、そうした投資が花開くまでタイムラグがある印象だ」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。