NexTone、21年4月〜22年3月期は売上高・営業利益で過去最高を更新 23年3月期も最高益更新見込む

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NexToneは5月13日、2022年3月期の連結業績(2021年4月1日〜2022年3月31日)を発表した。

当連結会計年度の経営成績は売上高74億8,923万円(前年同期比122.3%)、営業利益は7億855万円(前年同期比131.3%)、経常利益7億1,340万円(前年同期比132.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益4億8,255万円(前年同期比128.0%)となった。

著作権管理事業の著作権管理業務においては、録音権徴収額は感染症の拡大等を背景にCD/映像ソフトの新譜リリース鈍化や録音物利用の減少等の影響を受けた他、前期に大型タイトルの取扱いがあったことによる反動減がみられ、前年同期比75%となった。一方、インタラクティブ配信徴収額はサブスクリプション型配信サービス市場の拡大や動画投稿サービスにおける作品特定精度の向上等が寄与し前年同期比124%、放送・有線放送徴収額は管理楽曲数増加や同社管理楽曲の利用割合の向上等により前年同期比153%の増収となった。以上の結果、著作権徴収額全体で前年同期比111%と過去最高徴収額を記録した。2022年3月期の管理作品数は281,114曲、期中新規作品数は61,245曲となっている。

また、他管理事業者からの過去作品6,078作品(うち、新規移管による純増1,235作品、委託範囲拡大4,843作品)の移管を実施した。これらの作品は、2022年4月より新たに同社で管理する、または、管理範囲を拡大するものであり、2023年3月期業績のプラス要因となることが見込まれる。

同事業のデジタルコンテンツディストリビューション業務においては、ストリーミング市場伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、音楽・動画配信サービス事業者との連携強化、様々なプロモーション施策の実施、動画投稿サービスにおける収益化業務の促進、海外での売上増加等が奏功し、売上高は前年同期比130%と大幅増収となった。2022年3月期の取扱原盤数は900,051、期中新規原盤数は121,370となっている。

以上の結果、著作権管理事業の売上高は68億8,220万円(前年同期比127.9%)、セグメント利益は12億5,787万円(前年同期比120.7%)となった。

キャスティング事業では、感染対策を徹底したうえでのライブビューイング、ライブ配信コーディネートの取扱ジャンル拡大や新規機会創出、楽曲ブッキング等のコンテンツ利用促進コーディネート、イベント共催の取組等、Withコロナにおけるサービス提供を促進したが、感染症拡大防止のため、イベント・ライブ・コンサート等の開催が延期・中止となった他、映画館の利用制限等により、当事業で取扱いを予定していたライブビューイング案件も実施の見送りや規模縮小を余儀なくされた。

以上の結果、キャスティング事業の売上高は5億2,820万円(前年同期比80.7%)、セグメント利益は4,144万円(前年同期比73.3%)となった。

2023年3月期の通期連結業績予想は売上高95億6,000万円(前年同期比127.6%)、営業利益8億9,000万円(前年同期比125.6%)、経常利益8億9,000万円(前年同期比124.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益5億4,000万円(前年同期比111.9%)を見込む。

新型コロナウイルス感染症の同社グループ事業への影響については、ワクチン接種の拡大により収束が期待される一方、新たな変異株の出現等による感染拡大が繰り返される可能性があるなど、引き続き注視すべき状況が続いており、その影響は2023年3月期中も続くものの、ゆるやかな回復基調となるものと仮定し、連結業績予想にその影響を織り込んでいる。

著作権等管理事業においてはCD/映像ソフトのリリースが徐々に回復するものと見込んでおり、音楽・動画配信市場は引き続きの伸長を想定している。なお、音楽著作物の利用時期と同社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1〜2四半期のタイムラグが生じるとのこと。

キャスティング事業においては感染状況に応じたイベント開催制限等の影響を受ける可能性があるものの、With/Afterコロナにおいてライブビューイング等のイベントが活性化することを想定している。

以上を踏まえ、2023年3月期の通期連結業績予想については売上高95億6,000万円(前年同期比127.6%)、営業利益8億9,000万円(前年同期比125.6%)、経常利益8億9,000万円(前年同期比124.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益5億4,000万円(前年同期比111.9%)を見込む。

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