ティンバランド手がけるAIアーティストが世界進出へ 「TaTa Taktumi」、Ne-Yo設立のエンタメ企業PMGと契約
香港を拠点とする汎アジアのエンターテインメント企業パシフィック・ミュージック・グループ(PMG)は3月25日、AIアーティストのTaTa Taktumiと契約を結んだと発表した。
TaTaは、グラミー賞受賞アーティスト兼プロデューサーのティンバランドが率いるAI特化のエンタメ企業「ステージ・ゼロ」傘下のアーティスト。ティンバランドが戦略アドバイザーを務める音楽生成AI「Suno」を活用した、デジタル・ペルソナの背後にフィリピン系の実在の人物が存在する「ハイブリッド・アーティスト」として位置付けられている。
一方のPMGは昨年6月、アーティストのNe-Yo、ソヌ・ニガム、MC Jin、ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)元幹部のジョナサン・サービンにより設立。今回の契約により、PMGはアジアにおけるTaTaのマネージャーおよび世界的なレコードレーベルとしての役割を担うことになる。今後数カ月のうちに、アジア全域でTaTaのリリース、プロモーション活動、戦略的コラボレーションを展開していく予定だ。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
実在の人物がデジタル・ペルソナの背後に立つ「ハイブリッド・アーティスト」——TaTa Taktumiはその最初期の商業事例のひとつだ。アニメ調のアバターをまとった人間がリアルタイムで配信するVTuberとは異なり、AIが生成したペルソナと楽曲を人間が監修・方向付けするこのモデルは、従来の音楽ビジネスの枠組み——レーベル契約、プロモーション、アジア展開——に乗せて動く点が新しい。K-POPガールズ!のHUNTR/Xが「架空グループ」として世界を席巻した流れとも重なる。ティンバランドというグラミー受賞プロデューサーが率いるステージ・ゼロが生み出し、Sunoを制作基盤に使い、アジア市場をPMGが担う——この三者の役割分担は、AI音楽が「技術実験」から「ビジネス設計」の段階に入ったことを示している。フィリピン系というアイデンティティーを持つTaTaがアジア全域で展開されることは、WMGがイ・ヨンジのリアルなラッパーとしてのアイデンティティーを武器にグローバル展開する戦略とは対照的だ。リアルとバーチャルが競合する時代の、新しいアーティスト像がここにある。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
- PMG公式
- DMN:Timbaland’s AI Artist Is Going Global — TaTa Taktumi Inks With Ne-Yo’s Pacific Music Group
- MBW:Timbaland’s AI artist TaTa Taktumi signs with Ne-Yo’s Pacific Music Group
- Music Ally:Timbaland’s AI artist TaTa Taktumi bags record deal with PMG
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