「ストリーミングは『中堅ミュージシャン』を裏切った」 インディーズレーベル創設者が解決策提案
ストリーミングは、ミュージシャンの「中堅層」を裏切ってしまったーー。米インディーズレーベル「ホープレス・レコード」の創設者であるルイス・ポーゼン氏はこう主張し、現在の比例配分型の報酬モデルに抜本的な変更を求めている。
同氏は解決策として、ストリーミングプラットフォームが二段階制を導入することを提案。標準ライブラリは引き続き「使い放題」のまま、個々のアーティストページに「ダイレクトアクセス」ティア(アーティストごとの月額サブスクリプション)を設定することで、量ベースのビジネスモデルから価値ベースの市場への移行を推進する狙いだ。
ポーゼン氏は「ダイレクトアクセス」について、既存の定額制プランを補完する、熱心なユーザー向けの独自の追加サービスになると指摘。比例配分率の長期にわたる下落の影響を受けず、新たな収益源を効果的に開拓することになる。価格設定は個々のアーティストやレーベルが行い、月ごとのインタラクティブ・ライブストリームや新曲の先行アクセスなどの特典が提供される可能性があるという。
Digital Music News(DMN)は、スーパーファンの収益化という広範な潮流を踏まえると、ダイレクト・アクセスはかなり時宜を得た取り組みだと評価している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
先のSpotifyの「Loud & Clear」レポートが示した「底上げ」の数字は、視点を変えれば異なる課題を浮き彫りにする。インディペンデント・レーベル「Hopeless Records」のルイス・ポーゼン氏が指摘するように、現行のプロラタ(比例配分)モデルでは、再生数の絶対量を持つメガアーティストに収益が集中する構造は揺るがない。むしろ、楽曲供給の爆発的な増加により、中堅層が受け取る「再生単価」は実質的に下落し続けているとポーゼン氏は指摘。同氏が提唱する「ダイレクトアクセス」ティアは、熱心なファンとアーティストを価値ベースで直接つなぐモデルであり、近年の「スーパーファン経済」への移行とも強く呼応している。単なる「再生回数の積み上げ(量)」から「リスナーとの関係性の深さ(価値)」へ。この転換こそが、ストリーミングの次なるフェーズを決定づける鍵となるというのはメジャーの頂点、ユニバーサル・ミュージックのグレンジCEOと意見が同じなのが興味深い。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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