ワーナー・ミュージック、インディーズ音楽プラットフォーム「Revelator」買収
ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は4月1日、B2B(企業間取引)のインディーズ向けディストリビューター兼権利管理プラットフォーム「Revelator」を買収することで合意したと発表した。WMGの流通およびレーベルサービスの拡大に向けた最新の動きとなる。
Revelatorは2012年の設立。通常の配信業務に加え、カタログおよび権利管理サービス、収益追跡、デジタル・サービス・プロバイダー(DSP)利用状況の分析などを提供している。WMGはRevelatorの機能を自社サービス群に統合する方針。なお、Revelatorは今後も、既存顧客へのサービス提供を継続する。
買収額などは明らかにされていない。取引完了は、来四半期を見込む。
WMGは2024年、ディストリビューター最大手でありTuneCoreの親会社であるBelieveの買収を断念。その後、ロバート・キンセルCEOはインディーズのディストリビューターの買収はせず、独自のディストリビューション能力を構築・拡大する意向を示していたが、方針が変わったようだ。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
WMGがBelieve買収を断念してから約2年、方針を転換してRevelatorを買収した。「独自のディストリビューション能力を構築する」という宣言がこれほど早く覆ったことは、インディーズ流通市場の競争がそれほど急速に動いていることを示している。UMGがDowntownを買収し、CMGが4億5,000万ドルを調達してインディーズ連合を拡大、そしてディストリビューターにいち早く目を付けたソニーは既に大きな成功を収めつつある中、WMGも手をこまねいていられなかったのだろう。Revelatorが提供するカタログ・権利管理・DSP分析という機能は、単なる配信代行を超えた「データインフラ」だ。どの楽曲がどのプラットフォームで誰にどう聴かれているかを可視化する能力は、アーティストとの交渉力にも直結する。TuneCoreが51万5,000組のアーティストを抱えてアクセラレーターで差別化を図る一方、WMGはイスラエル発のB2B特化のRevelatorで中小レーベルとの接点を強化する。既に世界売上の4割を持つだけでなく成長率の高いインディーズ・DIY流通の覇権争いは、メジャーを巻き込んで激化している。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
- WMG公式
- DMN:Warner Music Buys Indie Distributor and Rights Management Platform Revelator, Says the Deal ‘Will Turbocharge Our Joint Mission to Support More Labels and Artists’
- MBW:Warner Music Group to acquire Revelator; says indie music platform will add ‘firepower’ to WMG’s global operations
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