トランプ米政権、「AIに関する包括的な国家立法枠組み」発表 州規制に先手
トランプ米大統領は3月20日、連邦議会に向けたAI政策「国家AI立法枠組み」を公表。州ごとの規制に先んじて法整備を行い、子供たちを保護し、急成長するAI技術に伴う高騰するエネルギーコストから地域社会を守るよう、議員らに求めている。
さらに、世界におけるAIの優位性を確保するため、イノベーションの障壁を取り除き、あらゆるビジネス分野におけるAIの導入を加速させ、最高水準のAIシステムを構築しやすくすることを要求。知的財産権(IP)に関する規定、検閲の防止と表現の自由の保護、米国民への教育を通じてAIに精通した人材を育成することなども盛り込まれている。
AIを利用した詐欺に対抗する連邦政府の能力強化も目指しているが、同文書では国家安全保障に関する懸念については軽く触れられている程度にとどまる。
著作権保護を推進する米ロビー団体「著作権アライアンス(Copyright Alliance)」は、今回の発表を歓迎している。
同政権はかねて、各州が独自の計画を策定することに任せるのではなく、全国で統一的に適用できる単一の法的枠組みの構築を推進してきた。昨年12月には、AIを規制する州法が同技術を巡る競争における米国の優位性を阻害していると政権が判断した場合、その州への連邦ブロードバンド資金の支給を停止すると発表していた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
イラン戦争で渦中のトランプ政権が音楽産業に影響力の高いAI政策の国家枠組みを公表した。著作権アライアンスが歓迎声明を出したのは、IP規定が盛り込まれたからだ。音楽業界にとってここが核心で、AI学習における著作権保護をどこまで明文化するかが問われる。州ごとの規制を連邦法で統一する方針は、業界側にとって一長一短だ。バラバラな州法より統一ルールの方が対応しやすい一方、連邦法の内容次第では保護が薄まるリスクもある。IFPIがストリーミング詐欺を最重要課題に掲げ、ソニーが13万5,000曲のAIディープフェイク削除を要請した同じ時期に、この枠組みが出た。軍事・安全保障への直接的な言及は抑えめで、代わりに「AIの覇権維持」という経済安全保障の文脈で語られている。イノベーション促進を優先しながら権利保護とのバランスをどう取るか——AI学習における既存楽曲の扱いを含め、細部がこれからの交渉の土台になる。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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