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音楽業界の資金調達額、2025年第4四半期は既に10億ドル突破 大型案件続く

ビジネス 海外

Digital Music News(DMN)は、2025年第4四半期(10〜12月)の音楽業界の累計資金調達額が11月24日時点で12億ドルを突破したと発表した。前年同期比で55%縮小したものの、1年前は資金担保証券(ABS、楽曲カタログなどを担保に証券化)の発行を通じた大規模な資金調達が複数あったため、この反動が大きい。

ABS案件と「業界隣接」分を除くと、2025年10月1日〜11月24日には10億4,000万ドルの確定資本が流入し、前年同期から約327%増加した。このうち約70%は、ザ・サーキット・グループおよびクリエイト・ミュージック・グループ(5億ドル)、GoDigital(2億3,000万ドル)によるものだった。これにSunoのシリーズC資金調達(2億5,000万ドル)を加えると、総額は10億ドル近くに達する。

2025年に公表された資金調達ラウンド数は現時点で58件にとどまり、1年前(65件)や2022年、2023年(共に100件以上)の水準を下回っている。

DMNは、業界内および業界周辺の資金調達に関するデータベース「音楽産業資金調達トラッカー」を展開。「コア(中核)」と「業界隣接」(※AIのアンソロピックや短編動画アプリTrillerなど)で区分している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

世界の音楽産業の資金調達。Q3は40億ドル、年初からの累計70億ドル超だったが、Q4は急減速して12億ドルに。だが2025年は累計82億ドル(本日のレートで1兆2,752億円)と昨年の通算46億ドルを80%近く上回る結果になった。ABS案件と「業界隣接」分を除くというのは、ABSは音楽カタログを不動産証券のように証券化する手法。近年、機関投資家が音楽カタログを不動産ビルのように買う時代になっている。業界隣接は記事の通りSunoのような著作権・原盤権と直接関係ない音楽関係ビジネスのこと。サーキットとクリエイトの件は以前触れたが、EDMの大手マネジメント集団に音楽ユニコーン企業CMGが5億ドルを出資して音楽ファンドを設立した件。GoDigitalはスペイン語圏のインディーズ市場に強く、近年のアメリカでのヒスパニック系音楽のチャート常連化で持っていた音楽カタログの資産価値が急騰した。クリエイトミュージックやGoDigitalは面白い業態で日本の参考にもなるのでいずれ分けて取り上げたい」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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