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TikTok、中国へのデータ転送で制裁金870億円 アイルランド

ビジネス 海外

アイルランドのデータ保護委員会(DPC)は5月2日、TikTok現地法人による欧州のユーザーデータの中国への転送を巡り、EU(欧州連合)の一般データ保護規則(GDPR)に違反したとして、5億3,000万ユーロ(約867億円)の制裁金を科した。 

TikTokは6カ月以内に是正措置を取ることが求められており、改善されない場合は中国へのデータ転送を一時停止することが命じられている。今後、TikTokが上訴する可能性もある。 

DPCは中国へのデータ転送で4億8,500万ユーロ、プライバシーポリシーでデータ転送を適切に説明していなかったことで4,500万ユーロの制裁金を科した。 

調査中、TikTokはユーザーデータは中国からリモートアクセスされただけで、中国のサーバーには保存されていないと主張していた。だが、同社は今年4月、「限定的な」欧州のデータが実際に中国のサーバーに保存されていたことを発見し、その後削除したと報告した。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「音楽プロモーションにTikTokは欠かせないものとなっているが、アイルランドの政府機関がTikTokが欧州ユーザーのデータを中国へ送っていたのを見つけ、5億3,000万ユーロ(約867億円)の制裁金を課した。TikTokは中国のサーバーに個人データを保存していないとTikTok禁止法を施行したアメリカ等にも主張してきたがやはり虚偽だったことになる。欧州(EU)の個人情報データ保護法(GDPR)は、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)が主力となって稼働しているのでアイルランドに限った話ではない。欧州からするとこれは中国に限った話ではなく、これまでもアメリカのLinkedInに制裁金3億1000万ユーロ(ターゲティング広告で不正があった)、Facebookのメタ社に9100万ユーロの制裁金(パスワードを暗号化していなかった)を課している。私は「TikTokを使うな」という極端な助言はしないが、連絡先への同期、Facebook友だちの同期は避けて利用したほうがいいと思っている」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。