ヒビノ、23年4月~12月期は大幅な増収増益 今期経常を14%上方修正

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ヒビノは2月5日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。

当第3四半期連結累計期間は、大規模な集客が可能となったコンサート・イベント市場が急速なペースで復活、拡大し、コンサート・イベントサービス事業が好調に推移した。販売施工事業、建築音響施工事業においても、顧客の設備投資意欲の回復や都市再開発計画の進展等を背景に大型案件が増加し、すべてのセグメントで前年同四半期を上回る売上高及び利益となった。

これらの結果、売上高341億4,900万円(前年同四半期比22.2%増)、営業利益17億8,400万円(前年同四半期は営業損失1億3,700万円)、経常利益18億9,400万円(前年同四半期比893.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益9億6,700万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失5,500万円)となった。

販売施工事業は、主軸である業務用音響・映像機器等の輸入販売及び施工において、顧客の設備投資が活発化しており、音楽ホールや大学施設、再開発ビル、放送局、スタジオ、映像ネットワーク会社等の大型案件に恵まれた。利益面については、円安の進行等に伴う商品仕入原価の上昇を受けて前連結会計年度より段階的に実施している販売価格改定の効果により、収益性が向上している。LEDディスプレイ・システム販売については、都心のエンターテインメント施設、企業のミュージアム及び再開発ビル向けの大型案件を手掛け、好調に推移した。韓国市場は、物価上昇等による景気減速傾向が続く中、直販ビジネスの強化によりシステム案件が増加し、事業規模の拡大が進んだ。これらの結果、売上高157億5,500万円(前年同四半期比23.9%増)、セグメント利益1億2,100万円(前年同四半期はセグメント損失5億1,800万円)となった。

建築音響施工事業は、放送局の建替やスタジオの新設、都市再開発に伴う文化・交流施設の新築計画が中長期的に控えていることから、良好な事業環境にある。いくつかの大型案件で着工や工程の遅れが発生し、売上の計上時期が第4四半期または来期にスライドしたが、再開発関連や大学施設等の建築音響案件をはじめ、メディア関連の大規模プロジェクトが進捗し、売上高及び利益は前年同四半期を上回った。また、前年同四半期は非連結子会社であったサンオーを連結化したことによる業績寄与もあった。これらの結果、売上高57億3,200万円(前年同四半期比21.8%増)、セグメント利益1億7,000万円(前年同四半期はセグメント損失8,800万円)となった。

コンサート・イベントサービス事業は、主力のコンサート市場が活況を呈しており、ドーム・アリーナクラスの全国ツアー案件等が集中し、好調に推移した。企業イベント、コンベンション、スポーツイベントの市場においてもイベント規模が拡大し、ステージ演出への投資が増加している。特に、東京モーターショーから名称を変え4年ぶりの開催となった「ジャパンモビリティショー」では、過去の東京モーターショーを超える最大規模の受注額となった。さらに、「G7広島サミット」や「世界水泳選手権2023福岡大会」等の国際行事が開催され、これらの特需案件を取り込んだことも寄与し、グループ全体の売上高及び利益拡大をけん引した。バーチャルプロダクションへの取り組みについては、CMやドラマ等の制作現場への導入が一層進み、安定的に売上を確保している。これらの結果、売上高126億6,200万円(前年同四半期比20.2%増)、セグメント利益24億9,700万円(前年同四半期比92.9%増)となった。

2024年3月期通期の連結業績予想は、当第3四半期連結累計期間の業績及び足元の状況を踏まえ、売上高を従来予想480億円から495億円(前連結会計年度比18.1%増)、営業利益を同20億円から23億円(同87.1%増)、経常利益を同21億円から24億円(同71.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益を同12億円から12億5,000万円(同105.7%増)と上方修正した。

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