水樹奈々「NANA MIZUKI LIVE VISION 2025-2026」オフィシャルライブレポ到着
水樹奈々のアーティスト活動25周年を飾るライブツアー「NANA MIZUKI LIVE VISION 2025-2026」が、1月25日の東京・TOYOTA ARENA TOKYO公演で千秋楽を迎えた。
歌手デビュー記念日にあたる12月6日の北海道公演を皮切りに、愛媛・兵庫・広島・愛知・福岡・東京の7都市で14公演を開催した今回のツアーのテーマは“VISION”。
水樹のライブ史上初となる全楽曲で映像演出を取り入れ、可動式LEDスクリーンによる視覚効果を駆使したステージングと、最新アルバム「CONTEMPORARY EMOTION」収録曲から代表曲まで25年の軌跡を詰め込んだセットリストで、アリーナに集った9,000人のファンを熱狂させた。
ステージ全体を覆うほどの巨大なLEDスクリーンでカウントダウンが表示され会場のボルテージが高まる中、オープニングムービーが上映される。自然とテクノロジー、ミクロとマクロ、世界の広さを感じさせる荘厳な映像に、時折カットインされる水樹の凛々しい佇まい。
様々なビジュアルイメージが奔流のように押し寄せ、本ツアーのライブロゴが映し出され、黒と紫をベースにした重厚なパンツドレス衣装を着た水樹がリフターに乗って朗々と歌いながら登場。「東京ファイナルいくぞ!」と檄を飛ばし、圧巻のアップチューン「UNLIMITED BEAT」からライブはスタート。
ステージに炎の柱が上がるなか、火が激しく爆ぜるような映像演出が「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズのタイアップ曲である本楽曲のイメージにばっちりハマっている。
黄金色の砂が舞うような映像を背にした「Orchestral Fantasia」。「Moment of Truth」では降り注ぐ数多の流星が曲の世界を美しく彩り、冒頭から視覚にも訴えかけるステージングを展開。各楽曲の映像演出は、水樹が思い描いている楽曲のイメージや世界観に合わせて制作。いわば彼女の頭の中にある楽曲の“ビジョン”を、ライブを介してファンと共有する試みだ。LEDボックスとLEDパネルを動かすことでステージの形が次々と変化していくギミックも面白い。
MCでスクリーンの後ろ側まで埋まった客席と全国77か所(※内1か所は、島根県東部を震源とする地震の影響により中止)の映画館でライブビューイングを楽しんでいるファンに向けて「今日は最高の夜にするぞー!」「燃え尽きるぞ!」と呼びかけた水樹。
この季節にぴったりの冬ソング「Tearsʼ Night」を、しんしんと降る雪の映像に包まれながら歌唱。一転して激しく可変するサウンドに合わせて変幻自在の歌声を聴かせた「Trailblazer」、白い羽の舞う映像と共に幻想的な歌世界を作り上げた「PHANTOM MINDS」と続く。
水樹のバックバンド・Cherry Boysによる恒例のメンバー紹介のコーナーを挿み、ライブは次のブロックへ。オレンジ色のキュートなミニスカワンピース衣装に着替えた水樹は、ボカロPのGigaと堀江晶太(Kemu)が提供した2025年の新たな挑戦曲「拍動」をパフォーマンス。昔のテレビゲームやインターネットをモチーフにしたビビッドな映像演出も新鮮だ。
そこから爽快なギターロック「アオイイロ」に切り返し、ダンサーチームのteam YO-DAも登場してチアフルなステージで客席から盛大なコールを引き出すと、間髪入れずライブの定番曲「POWER GATE」に突入。バンドメンバーとダンサーがメインステージに出てきて横いっぱいに広がるなか、水樹は端から端までダッシュで駆け巡りながらファンにエネルギーを送り、会場は大合唱で一体に。
さらにタオルを手にすると最新アルバムよりアッパーなロックチューン「フロンティアジャッジメント」を畳みかけ、新旧の楽曲を織り交ぜながら会場のテンションを引き上げていく。
水樹のライブでは恒例の日替わりお楽しみ企画コーナーでは、水樹がこれまでに発表してきた14枚のオリジナルアルバムごとにファンから募った“今回のツアーで聴きたい曲”の最人気曲を歌唱。本公演では2009年リリースの7thアルバム「ULTIMATE DIAMOND」より「少年」が選出され、水樹ファンにはお馴染みチェリボメンバーのファイヤーこと藤陵雅裕(サックス)がスペシャルゲストで演奏に参加。熱く滑らかなブロウで水樹のいつまでも色褪せることのない情熱的な歌声に色を添える。脳梗塞からのリハビリを経て再び水樹のステージに戻ってきた藤陵に、会場から惜しみない拍手と歓声が贈られた。
続いては水樹いわく「ホッとしていただける時間」。ステンドグラスの美しい輝きが切々と歌を紡ぐ水樹の姿を彩った「Brilliant Star」、無限の星々が浮かぶ銀河の中であの頃の純粋な気持ちに思いを馳せる最新アルバム収録のメロウなミディアム「Blueprint」と、心に染み入るバラード2曲を続けて披露。特に後者では、水樹がステージを去った後もバンドがロマンチックな演奏を聴かせて、楽曲の余韻を増幅させていた。
team YO-DAのメンバーそれぞれのソロダンスにフォーカスした水樹出演のブリッジムービーが会場を華やかに盛り上げると、ライブ後半戦はダンスパフォーマンスを交えたブロックへ。気品溢れるドレスワンピース衣装にヘッドセットマイクを装着した水樹は、サーチライトの眩い光が会場中を照射した「Take a shot」からサイバーな映像とレーザーがド派手な「Virtual Cruiser」へと流れるように続け、ダンサーとのシンクロした動きと共に魅せる。
ライブでの歌唱は久々となるR&B調のミディアムナンバー「それでも君を想い出すから-again-」では、スクリーンに映る水樹の姿がセピア色になり、シリアスな表情を含めてシックなムードを演出していた。
ここで本公演の模様がアニマックスで3月に放送されることを発表すると、いよいよラストスパートに突入。曲中で深紅のフリルドレス衣装に早着替えした歌謡ロックテイストの「Justice to Believe」では、スクリーンに赤いバラの花びらが舞い散るなか情熱的な歌を咲かせる。「夢幻」では妖しくも絢爛な洋館の景色が広がり、艶やかな仕草とボーカルで聴衆を情念渦巻く夢幻の世界に誘う。そして青と赤の波が交差するなか火の鳥が飛ぶ映像が水樹の強くしなやかな歌声と重なった「BRAVE PHOENIX」。圧倒的な光景に会場のボルテージも否応なく上昇していく。
ライブ終盤ながらも、みんなからの無敵なパワーをもらって「このまま 7 時間くらい歌いたい!」と語るほど、まだまだ元気が有り余っている様子の水樹。20周年の際はコロナ禍と重なりツアーが中止となったため、この25周年ツアーでは「みんなと過ごせることの愛おしさ、特別な一期一会なものであることを噛み締めています」と感謝の気持ちを伝える。
目標の77歳ライブまでには「もう一回 25 周年やっても足りないのよ(笑)」と笑うと、「未来とこれからもよろしくね、という思いを込めて歌います」と、ライブ本編のラストナンバー「ツバサ」を歌い始める。春を感じさせる光り輝く花々のビジュアルと優しく温かな歌声。水樹自身が作詞(吉木絵里子との共作)した愛しい人たちとの思い出を胸に明日へと羽ばたいていく気持ちを綴ったメッセージが会場を包み込み、晴れやかにライブ本編を締め括った。
すかさず巻き起こった盛大な「奈々」コールに応えてのアンコール、様々な布地を繋ぎ合わせて過去・現在・未来を表現したというスカート衣装でステージに舞い戻った水樹は代表曲「ETERNAL BLAZE」を歌唱。それまで水樹のイメージカラーであるブルーに染まってた会場のペンライトが一面オレンジに変わり、永遠の炎が燃え上がる。決めの“ETERNAL BLAZE”というフレーズで会場がひとつになって合唱&ジャンプ。やはり彼女のライブでこの曲を欠かすことはできない。
そして「ETERNAL BLAZE」と並ぶ代表曲「深愛」へ。白と青がまばらに光る客席に向けて、今にも感情が溢れ出しそうな表情で歌を届け、落ちサビで胸元に手を当てるとラスサビにかけて一気に想いを爆発させる。胸がいっぱいになるような名唱だった。
アンコール恒例の挨拶「シャッス!」でファンとの絆を改めて確かめ合うと、ここで嬉しいお知らせが。2026年7月より放送される“なのはシリーズ”の完全新作TVアニメーション「魔法少女リリカルなのはEXCEEDS Gun Blaze Vengeance」のオープニングテーマ「CRIMSON BULLET」が、ニューシングルとして7月8日(なのはの日)にリリースされることを発表。さらに約7年ぶりとなるオーケストラライブ「NANA MIZUKI LIVE GRACE 2026 -OPUS IV-」の開催が決定。2026年も様々な形で水樹奈々の音楽活動に触れることができそうだ。
アンコールはまだまだ終わらない。「パワーは残ってますか?」「思い切りかかってきてよ!」と誘うと、最新アルバムより水樹が作詞・作曲した「Awesome!」へ。チェリボの竿隊もステージ前面に出てきて、シャッフルビートの心が弾む演奏と晴れやかなボーカルで“最高!”のひと時を作り出す。
続く「POP MASTER」では、team YO-DAも加わってさらに賑やかになった虹色のステージを、水樹が縦横無尽に行き交いながら会場の隅々にまでエネルギーを届ける。そして観客を年代別に分けたコール&レスポンスで助走をつけると、「世代を超えてひとつになるぞー!」と呼びかけて「Vitalization」をアンコールのラストに投入。
スクリーンの映像とレーザー演出が合わさってギラギラとカラフルな光を放つステージから、すべてを解き放つかの如きパワフルな絶唱が真っ直ぐ飛んでくる。オーディエンスの熱気が最高潮にまで高まるなか、最後は全員でジャンプと共に銀テープが発射されて盛大なフィナーレを迎えた。
しかしながらファンの熱狂は収まらない。止むことのない「もう一回!」というコールが、本ツアー初日以来となるダブルアンコールを実現させる。「こんなに素敵なステージを皆さんと共にできたこと、最高の宝物です」と改めて感謝の気持ちを伝えつつ、まだまだみんなと新しい景色を一緒に見ていきたい、「まっさらな気持ちで、たくさんの始まりを重ねていきたいです」と語った水樹。
25周年ツアーの締め括りに歌ったのは「innocent starter」。TVアニメ「魔法少女リリカルなのは」のオープニングテーマであり、先日リリースされた最新ベストアルバム「THE MUSEUM IV」に新アレンジバージョンが収録された、水樹のキャリアにとって大切な歌だ。リリースから20数年を経た今も、そこに込められたピュアな想いと、水樹の音楽とファンに向き合う純真な歌心は変わらない。最後は笑顔で前に手を差し伸べ“あの日のように笑いかけて”、25周年を祝うツアーを完走した。
LEDスクリーンを駆使した没入感のあるステージ演出をはじめ、新たな取り組みをふんだんに盛り込み、25年の歩みを彩ってきた楽曲たちを新鮮な形で表現することで、自身の過去・現在・未来を繋ぐライブを実現した水樹。本ツアーで彼女が提示した未来のビジョンが、この先どんな形で結実するのか。2026年の活動も楽しみになるツアーだった。
ファイナル公演セトリプレイリスト https://lnk.to/NM_LIVE_VISION
PHOTO:上飯坂一・増田慶
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