クリープハイプ×魚喃キリコ追悼企画が始動 直木賞作家・千早茜による特別寄稿「Water」がWEB文芸誌「yom yom」で公開
4人組ロックバンド・クリープハイプの新作EP「仮のまま定着したような愛情で」に収録されている楽曲「痛々しいラヴ」。同曲はボーカルの尾崎世界観が、親交のあった漫画家・魚喃キリコへの追悼の思いを込めて書き下ろした作品である。1997年に発売された魚喃キリコの代表作の一つである短編漫画集「痛々しいラヴ」と同名となる本楽曲は、切なさを帯びたサウンドと繊細な歌詞のなかに、魚喃キリコへの敬愛を静かに映し出した仕上がりとなっている。
この楽曲を原点として発足した、漫画家・魚喃キリコ追悼企画「痛々しいラヴ:クリープハイプ×魚喃キリコ」の一環として、直木賞作家・千早茜による特別寄稿「Water」が、6月30日19:00に新潮社のWEB文芸誌「yom yom」にて公開された。
今回の企画は、尾崎が千早に「痛々しいラヴ」への寄稿を依頼したことで実現。魚喃キリコのイラスト作品を文庫カバーに使用した両著者の共作小説『犬も食わない』以来の共同プロジェクトとなる。魚喃の作品「Water.」とのタイトルの繋がりを感じさせる短編小説であり、同サイト限定の公開となっている。
あわせて、本企画に際して二人が寄せたメッセージも解禁された。
尾崎世界観 コメント
こんなことをしていいのだろうかと迷った末、痛々しいラヴという曲を作りました。
結局は自分のためだったのかもしれない。それでも書かずにはいられませんでした。
「書く」と「描く」は、いつもかけ離れているけれど、それを歌うことで、少しでも近づきたいと思いました。今回、千早さんが新たに作品を書き下ろしてくださって、自分のあの頃が溢れたそれに、とても救われました。
だから、結局は自分のためだったのかもしれない。
それでも、あなたにだけは届きますように。そしていつか描けますように。
それまでおやすみ愛してる。
千早茜 コメント
魚喃キリコさんの作品は、自分の二十代を思いかえす上でなくてはならないもののひとつです。
彼女が亡くなってしまってもその事事実わりません。
けれど、もう魚喃さんの新作は読めないという事実に打ちのめされてもいて、彼女の死をどう悼めばいいのかわからなくなっていました。
今回、尾崎さんが「痛々しいラヴ」という曲を作り、文章を書いて欲しいと声をかけてくださり、私はようやく自分の気持ちに向き合うことができた気がします。
魚喃さんの作品に描かれる、人間のどうしようもなさが、恋愛のままならなさが、それを見守る優しさが大好きでした。
And、もっと、ずっと、作品を読みたかった。
彼女の作品を読むと、濁っても、腐っても流れ続ける都会の川が浮かびます。
そんな情景を短い物語にしてみました。
なお、本プロジェクトの発足を記念し、共作小説『犬も食わない』の一部試し読みも特集内にて同時公開されている。7月より文庫「犬も食わない」は新帯付きでの展開も決定した。
さらに、本企画の次なる展開として、7月末に短編漫画集「痛々しいラヴ」の絵柄を使用したMMV(漫画ミュージックビデオ)の公開も予告されている。
現在、魚喃キリコの作品の中からコミック化されている全11作品と、魚喃自身が解説を執筆した「魚喃キリコ作品解説集」の電子版が配信中となっており、全国の書店・ネット書店では書籍版も発売されている。
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