ヤマハ、クリエイターとともに歌声合成と音楽の未来を探求する実証実験をスタート 試作プラグイン「VX-β」を公開

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AIを活用した歌声合成のプラグイン「VX-β」編集画面

ヤマハは本日8月22日より、AIを活用した歌声合成の実証実験をスタートする。この実証実験では、音楽制作ソフト(DAW)上で歌声合成を可能にする試作プラグイン「VX-β(ブイエックス ベータ)」をクリエイターに提供、従来の歌声合成の常識を覆すような楽曲を生み出してもらうことで、AI歌唱の新価値を検証する。

同社は2003年より、歌声合成技術およびその応用ソフトウェア「VOCALOIDTM」を開発・販売してきた。実際の人間の声をもとに生成された歌声のデータ「ボイスバンク」を切り替えることで、さまざまな声で自由自在に歌わせることが可能になり、現在、VOCALOIDを用いて制作された楽曲は“ボカロ曲”と呼ばれ、新世代の音楽として全世界のリスナーから支持され、高い人気を誇っている。

音楽制作の現場において、ドラムやストリングスなどの楽器の合成音は当たり前のようにクリエイターは使用しており、リスナーの多くもそれを当たり前のこととして受け入れている。VOCALOIDもボカロ曲の制作にとどまらず、クリエイターにとってボーカル(歌声)を合成するための「当たり前の道具(楽器)」になる可能性を秘めている。

同社は歌声合成技術の進化を求めて研究を続けており、さまざまな技術試作を生み出している。しかし、その試作も社内にとどまっている限り、その真価が見出されることはないとの考えから、合成音声の常識を打ち破ることを目的とする研究スタジオ「VOCALOID β-STUDIO」を立ち上げ、初めての試みとして、技術試作であるAI歌声合成のプラグイン「VX-β」の一般公開に踏み切った。

クリエイターの解釈による自由な創作により、従来の歌声合成の常識を覆すような作品を生み出してもらうと共に、クリエイターからのフィードバックを元に試作プラグインを改良し、音楽制作において「今までなかった未来の当たり前」となる製品の開発につなげていくとのこと。

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