『Chillin’ Vibes 2025』
『Chillin’ Vibes 2025』10.18(SAT)大阪・万博記念公園
「大阪・関西万博」の開催など、国内外から注目を集める大阪で、文化芸術の魅力をさらに発信しようと、大阪府・大阪市・大阪文化芸術事業実行委員会が手掛ける、音楽をはじめとした、文化芸術を楽しむ野外プログラム「OSAKA MUSIC & CULTURE WEEKEND」が10月18日(土)・25日(土)の2日間に渡って、万博記念公園で開催された。
『Chillin’ Vibes 2025』
今回、同イベントの一環として、ピクニックスタイルの音楽イベント『Chillin’ Vibes 2025』(以下、『Chillin’ Vibes』)、が、10月18日(土)に万博記念公園もみじ川芝生広場で開催。約4000人の観客が緑あふれる公園のなか、音楽をはじめ、グルメやライブペインティング、ワークショップなど、多彩なコンテンツを満喫『Chillin’ Vibes』は「MUSIC & RELAX」をコンセプトに、2019年にスタート。忙しなく、時にストレスフルな日常から離れ、のんびりとリラックスしながら、広々とした緑あふれる公園の芝生の上にシートを広げ、大好きな音楽と豊かな思いに浸りながら楽しめる音楽フェスとして人気を集めている。
『Chillin’ Vibes 2025』
出演者は弾き語りや小編成でのアコースティックライブで登場。『Chillin’ Vibes』のために楽曲をアレンジしたり、セットリストもイベントの雰囲気に合わせて構成するなど、ここでしか楽しめないステージが展開された。
今年の出演者は、家入レオ、川崎鷹也、スガ シカオ、高橋優、ビッケブランカ、ウェルカムアクトにFluffyが出演。なお、イベント出演の常連でもあったGLIM SPANKYは残念ながら体調不良により出演キャンセルに。イベント当日は開演直後こそ時折雨が降る曇天続きの天候だったものの、時間が進むごとに秋晴れの心地よい空へと変化。会場の前方エリアではイベントオリジナルのピクニックシートを広げたり、後方エリアではグランピングも楽しめるVIPエリアがあったり、アウトドア感覚でテントやタープを広げたり。誰もがゆったりと“チル”の雰囲気に浸り、音楽やフェス飯、お酒を楽しみながらイベントを満喫していた。
FM802 DJ飯室大吾、内田絢子
イベント開始前には、MCとしてFM802のDJ飯室大吾と内田絢子が登場。「太陽と緑とレジャーシートが広がる景色。それだけでワクワクが伝わってくる。自然や空気、音楽と一緒にリラックスしながら楽しんで」と集まった観客へ、イベントの楽しみ方を伝授。さらに、ヨガインストラクターの資格を持つ内田絢子によるモーニングヨガタイムでは、ピクニックシートをヨガマット代わりに、全身をゆったりとほぐしながら心身ともにリラックス♪
Fluffy
本編開始前には、ウェルカムアクトとして大阪出身のシンガーソングライター、Fluffyが登場。「昔から色んなイベントで遊びにきていた場所。そこでライブができるなんて。最高のスタートが切れるように頑張りたい」と「かさぶた」から気持ちが解れる柔らかな歌声で、緩やかな空気を作り上げていく。新曲「Step!!」では、透明感がありながらも力強い歌声で観客の気持ちを高めていった。
川崎鷹也
川崎鷹也
ギター1本と歌声だけ、原点ともいえるスタイルで会場を盛り上げたのが川崎鷹也だ。1曲目「カレンダー」ハスキーで深みのある歌声で観客の視線を奪うと、「ミュージック&リラックス。座りながらゆったり観られる珍しいフェス。このイベントならではの空気を楽しみつつ、自分らしく楽しんで」と、次曲「君の為のキミノウタ」へ。体温に近いような、柔らかく温かな歌声が心地よく体に浸透していく。誰かに語りかけるように、心情を込めて歌う姿にも目が離せない。
川崎のステージでは雨脚が強くなり、観客の気持ちに少しの不安が見える瞬間も。それでも「この雨のなか、遊びにきてくれた音楽好きが最後まで楽しめるように。リラックスできたな、と思ってもらえるライブがしたい」と意気込みを語る。イベント当日、実は子どもの保育園の運動会と日程が重なってしまったという彼。子どもはかけっこで転んでしまったものの、泣かずに最後までゴールできたと報告を受け、「父ちゃんも雨の中、汗をかきながら、一人一人のために心を込めて歌いたい!」と、「魔法の絨毯」へ。緩やかな空気の中で聴く等身大のラブソング。心情が何度も反芻され、心の奥にしっかり刻み込まれていくのを感じる。
川崎鷹也
「こんなにも自由で、みんなのリラックスした表情を見ながらのライブは他ではない。気持ちよく歌わせてもらっています!」と、初めての『Chillin’ Vibes』を満喫した彼。ラスト「ほろ酔いラブソング」まで、観客との意思疎通もばっちりなステージでトップバッターを駆け抜けた。
家入レオ
家入レオ
家入レオはこの日、キーボードとパーカッションとのアコースティック編成で登場。先ほどまでの荒天が嘘のように、時折晴れ間も見えるなか、1曲目「雨風空虹」から心弾むリズムで観客を笑顔にしていく。イベントの雰囲気はもちろん、天候にもぴったりな選曲に観客の表情も晴れやかに。「Shine」では、観客一人ひとりの表情を見つめながら、直接声を届けるように、愛おしそうに歌い上げる彼女の姿から目が離せない。
家入レオ
「めちゃくちゃ素敵な景色‼ 野外の会場は一人ひとりの顔がばっちり見えるし、公園だと空気もおいしい! ピクニックでみんながリラックスして聴いてる姿を見ると、生活と音楽が隣り合わせになっているのがよく分かる。音楽って良いなって改めて思える」と喜びを語る。「絶対にこのイベントで歌いたいと思っていた曲を。曇っていても、雨でも、自分の心の中は自分で晴らすことができるから。あなたの心の雨雲を歌で吹き飛ばしていけたらいいな」と、「空と青」へ。優しくて美しいメロディに乗せ、はしゃぎながら歌う彼女の姿は愛おしくて、観客の手拍子も一層大きく弾む。
最終曲は10月8日にリリースされた新曲「Mirror feat.斎藤宏介」。「人生に悩んでいる時に“頑張って”という言葉は眩しすぎることもある。それでも上を向いていたい、そんなときのお守りにしてくれたら」と、凜とした歌声で綴られる言葉はするりと心の奥に届き、思いを噛みしめるように聴き入る観客の姿がとても印象的だった。
家入レオ
『Chillin’ Vibes』では、各ステージの転換時間にもお楽しみがいっぱい。イベントの楽しみのひとつでもあるフェス飯は、地元・大阪産の食材を使ったフードや、体に優しい素材を使ったスイーツ、種類豊富なクラフトビールが楽しめるフードトラックが多数登場。また、転換中にはDJタイムが設けられていたり、子供も楽しめるようにと、切り絵やレゴブロックのワークショップも開催。一日を通して音楽と自然を満喫できる、大満足な内容が揃っていた。
ビッケブランカ
ビッケブランカ
『Chillin’ Vibes』への出演は今回で3度目となるビッケブランカ。午前中の雨が嘘のように晴れ上がり、まるで夏に戻ったかのような熱い日差しが会場を照りつけるなか、予定していたセットリストではイメージが違うと感じたのだろう。「どんな感じで行く? 柔らかく“チル”もできるし、“ドーン!”もあるけど?」と、これから始まるライブの方向性を観客に委ねる嬉しいサプライズ。満場一致で“ドーン!”なテンションとなり、1曲目に選んだのはライブ定番曲の「Slave of Love」。軽快なリズム、エネルギッシュで伸びやかな歌声に観客も大喜び。
ビッケブランカ
それでもまだまだ“ドーン!!”を求める観客に、「蒼天のヴァンパイア」「Snake」など、ご機嫌なナンバーを次々と披露。ハイテンションのまま客席エリアを駆け抜けるなど、大忙しのステージを展開していく。また、“チル”な楽曲セレクトでは「WALK」や「伝言」など、感情の機微をしっかりと感じ取れる余韻たっぷりのナンバーをセレクトするなど、観客の感情を縦横無尽に揺さぶっていく。
ビッケブランカ
今年でデビュー9周年を迎える彼。節目となる10周年に向けて、「賑やかな2年間にしていきたい」と、今後の活動への意気込みを語ると、ステージ後半ではその賑やかさを予感させるように、再び“ドーン”な楽曲陣が続いていく。「『Chillin’ Vibes』のチルはゆったりだけど、“チリン”のチリはホットチリ、激熱バイヴスの意味だから!最後は盛り上がる曲を!」と語っていたように、「夏の夢」でアーバン&ポップに踊らせると、ラストはキラーチューン「Ca Va?」で、オーディエンスの気持ちをそのまんまミラーリングしたご機嫌な歌声とサウンドでステージを大いに盛り上げてくれた。
高橋優
高橋優
『Chillin’ Vibes』2度目の出演となる高橋優。サウンドチェックでは「メガネの会」での共演などで親交のある川崎鷹也の「魔法の絨毯」をカバーしたり、「福笑い」では歌詞にさらりと大阪の地名を織り込んだり、GLIM SPANKYの「愚か者たち」をカバーしエールを送ったりと、『Chillin’ Vibes』への愛がたっぷり詰まったパフォーマンスで気持ちを高めていく。
高橋優
1曲目にセレクトしたのは「HIGH FIVE」。丁寧に言葉を紡ぎながら思いを伝える彼の歌声に、前へ進もうとする気持ちを鼓舞するリリックが重なり、手を高く掲げて音に応えるオーディエンスの姿が印象的だった。アコースティックでのライブは、感情の機微や音の輪郭がはっきりと伝わってくる。スピーカーから流れる音量も心地よく、真正面から音と向き合う楽しさを味わえるのも『Chillin’ Vibes』ならでは。
高橋優
「知っていたら、口ずさんでくれますか?」と語りかけた「明日はきっといい日になる」では、歌い出しだけで客席から大きな歓声が沸き起こる。遮るものが何もない広い公園に、ご機嫌な歌声と手拍子が響き渡る。肩の荷が下りるような、気持ちが軽やかになる言葉の数々。「明日はきっといい日になる♪」と歌う彼の姿に、子どもに笑顔を向けるパパとママの姿も重なり、気づけば誰もが笑顔になっていた。ラストは「今日このステージを観てくれたあなたの心が、ひとつでも“良い日だった”と思えるように」と、集まった観客へ感謝を込めて。そして、高橋優から観客へ、観客から高橋優へと拍手を送り合うように、「現下の喝采」で互いにエールを贈りながらステージを締めくくった。
スガ シカオ
スガ シカオ
イベントのトリを務めたスガ シカオのステージは、アコースティックギターでの弾き語りにストリングスを加えた贅沢な編成で。「『Chillin’ Vibes』の“チル”に合う曲を集めてみた。チルって楽しんで♪」と、「これからむかえにいくよ」から柔らかく優美な音色を響かせる。贅沢なのは編成だけでなく、楽曲陣も♪ 「黄金の月」「19才」と、ファンク+ポップなサウンドにストリングスが重なり、唯一無二の濃密な音空間が描かれていく。
スガ シカオ
「気まぐれ」では、軽やかなメロと繊細な歌詞に細やかな色をつけるように丁寧に音を紡ぎ、次曲「ストーリー」ではドラマチックなサウンドで観客を心酔させる。「チルって楽しんで」と声をかけていたけれど、この日だけの音、景色を存分に堪能しようと、誰もがじっと前を見据えて音に向き合っていた。イベントも終盤に差し掛かり、夕陽が沈む頃合い。気温はまだまだ暑さを残していたが、スガは「すごく気持ちがいい!」と初出演のイベントに好感触な様子を見せる。
「毎日ほんの一歩ずつでも前に進んでいけば、ゴールにたどり着くはず。そういう思いで乗り越えていけたら」と「Progress」へ。季節や時代を超えて、何度でも心に染み込んでくる名曲。観客は歌詞にある“前に進もう”に心をリンクさせるように、空高く手を掲げ、思いを受け止めていた。ラストはスガ シカオ一人での弾き語り「ヤグルトさんの唄」。自身の母を想って綴られた楽曲だけれど、音に込めた大切な人への思いは誰にでも通じるものがある。シンプルなメロ、愛おしさに満ちた言葉たち。大切に、そっと心の奥に留めるように、誰もが悠然とした表情でステージを見入っていた。
スガ シカオ
アンコールは、再びストリングスが参加しての「夜空ノムコウ」。歌い出しだけでわっと歓声が沸き起こるほどの名曲。優美なメロディに心癒やされ、寄り添い合ったり、手を繋いだり。最後の瞬間まで音を満喫し、全8曲のステージが幕を閉じた。
FM802 DJ飯室大吾、内田絢子
全てのステージが終わり、MCの飯室、内田は「ドラマチックな一日、素晴らしい自然の中で過ごせて幸せでした。みんなの思いが空に届いて、雨が降ったり晴れたり、空の演出がそれぞれのステージであった一日」と振り返り『Chillin’ Vibes 2025』は終演を迎えた。
なお、この日の模様はFM802『BRIGHT MORNING』(毎金6:00~12:00/DJ内田絢子)、『FRYDAY Cruisin’Map!!』(毎金12:00~18:00/DJ飯室大吾)の各番組内にてライブ音源を放送予定。ぜひチェックしよう。

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