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節分に聴きたい、クリープハイプやナナヲアカリ、友成空らの楽曲5選ーー「鬼」と巡る音楽の世界

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2026年もあっという間に1月が終わり、気づけば2月に。バレンタインソングや冬真っ盛りのウィンターソングをはじめ、聴きたくなる楽曲も目白押しだけど、ここでは2月3日の節分にちなみ、鬼たちが登場する全5曲をご紹介。時に恐ろしく、またある節には可愛らしく街へと降りてくる鬼たちの楽曲で、エネルギッシュに幸福を迎え入れてみて。

クリープハイプ「鬼」

クリープハイプ

クリープハイプ

「嬉しいを通り越して、世の中に復讐するような気持ちで作りました」。こんな激情と共に、バンド初となるドラマ主題歌として2016年8月に世へ放たれたナンバー。「喉仏」や「生レバ」をはじめ、クリープハイプが物語の根底に眠る思想と愛と登場人物たちの感情の全てを掬い取るバンドであることは疑いようのない事実なのだが、当時の4人にとってドラマへ楽曲を添えることは1つのマイルストーンだっただろう。

号砲を鳴らすギターから3分半、スリリングな演奏が畳み掛ける中、クエスチョンマークの連打と〈もういいかい〉〈もういいよ ここだよ〉と倒錯にも思える自問自答を繰り返した果てで見つけるのは、そっと私を捕まえ、抱きしめる君の温もり。同年処女作となる小説『祐介』を刊行したボーカル尾崎世界観が、ストーリーへの没入と殊更に生々しい言語感覚を手に入れた成長の片鱗も読み取れる作品である。

ナナヲアカリ「おばけのウケねらい (にゅ~ ver.)」

ナナヲアカリ

ナナヲアカリ

2017年8月にリリースされたインディーズ時代の1枚『ネクラロイドのあいしかた』に収められた後、2025年8月に発表されたベストアルバム『フライングベスト2』に再収録された、ピノキオピーによる提供曲。

<誰でもわかる ウケねらい><渋い呪いも ウケねらい>と素人にも玄人にも目配せしていくラップにも似た歌唱は、バズやファストが取り沙汰される2026年を一足早く見抜いていたよう。<わたしの好きなウケねらいを>という結論には「私が誇れる私であれ」というメッセージが溢れており、自らを「ネガティブポップ」と呼称する、背中をチラチラと振り返りながらも足を前に運んでいく態度が表出している。流行に取り憑かれ、魂をお札に売り変える様子を死やお化けに重ね、最後に至るキュートな<ばぁ~~>は、媚びずに大衆性を獲得してきたナナヲアカリの名乗りにも聞こえた。

ザ・おめでたズ「鬼より」

ザ・おめでたズ

ザ・おめでたズ

少し赤くなった親指と人差し指の付け根を想像させる詞世界で”ビーチサンダルの日”を飾り付けした「Flip Flops」や、<紅白><口角><正月>と軽妙なリズムを生成するou-a-uの押韻で成人の日を祝す「TODAY IS THA DAY」をはじめ、あらゆる記念日を彩ってきたザ・おめでたズ。そんな彼らが節分をテーマに描くのは、泣き叫ぶ子どもでも、面を被った親の愛情でもなく、豆を投げつけられる鬼の嘆きだ。

5つ打ちを基盤にリフレインされる<鬼 鬼>の1ラインが推進力をもたらしたり、ファルセットで編まれる<そとは freezing うちに入れてほしい>の1行がファニーな哀愁を醸し出したりと、怒りに満ちた表情に隠れた鬼の涙を浮上させるリリックは、どこを取っても少しばかりの理不尽が滲んでいる。この切り口で、この質感を誇る節分ソング。唯一無二では?

友成空「鬼ノ宴」

友成空

友成空

新曲「Teacher」が『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』の主題歌に選ばれるなど、スターダムを駆け上がる友成空。そんな彼がブレイクスルーを果たす契機となった2024年1月リリースの1曲。スタッカートの効いた深く沈み込むピアノの低音や日本古来の呪術的な旋律が百鬼夜行を想起させる一方、化け物たちが誘う世界は、友成が「これは「生きること」への強烈な応援歌です」とコメントを寄せている通り、脇目も振らない潔さと力強さを包んでいる。

「自分が目指す方向性ではないと思っていた」と口にしているように、この曲が当時のディスコグラフィーにおいて異端であったことも重要。彼は自らが殻を破り、突破を図ることによって、〈踏み外すのも惡くない〉〈好きなもの丈食べなはれ〉なんて言葉を正解にしてみせたのだ。

吉澤嘉代子「鬼」

吉澤嘉代子

吉澤嘉代子

腰に手を当てて、「ねぇ!」なんて膨れた顔で君が言う。ぶすくれた顔で、パーカーの袖を引く。こんな風景を出現させる5thアルバム『赤星青星』に収められた同曲は、吉澤が「嫉妬を書きたかった曲です」と口にしている通り、ついつい欲張ってしまうジェラシーが昔懐かしい歌謡曲的なメロディーで可愛らしくメイクアップされていく。

台詞のように<あーんもう!!!>と雷を落とす1節を筆頭とする感嘆符まみれの語尾だって、<きっときっと><ぐっとぐっと>とひらがなの丸みを前景化させる言葉だって、全部が愛情の裏返し。腹の底では禍々しい感情がゴゴゴと蠢いているのかもしれないけれど、ぴょこんと角が覗くその顔つきには、冗談交じりの怒りとそれ以上のラブが溢れている。

ここで紹介した5組は積極的にライブ活動も行っている。2月にはナナヲアカリが『Next To 湯(You) #6』、友成空が『POP SEEDS』に出演。3月にもクリープハイプは『MEGA VEGAS 2026』に、ナナヲはネット音楽を楽しめる『FAVOY TOKYO』に出演し、ザ・おめでたズはワンマンライブ『ザ・おめでたズの紅白ほおばるコンサーツ』を開催する。さらに吉澤嘉代子は5月に『ホールツアー 2026』を控えていたりと、生演奏を楽しめるイベントが目白押しだ。ライブでそれぞれの音楽を浴びて、自信の心の鬼を追い払い、福を呼び込んでみよう。

文=横堀つばさ

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「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。

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