クリエイターズキャンプ真鶴2018開催記念座談会「作曲家の今とこれから」

インタビュー スペシャルインタビュー

クリエイターが主役の創造のフェスティバル「クリエイターズキャンプ真鶴」が5月に開催される。プロ作家によるコーライティングセッションとオープン型のコーライティングワークショップが注目を集めている。企画の中心人物3人による座談会を行った。レコード会社のA&R、ソングライター、マネージメントの立場から総合的に、音楽制作の現状とこれからについて、普段聞く事のできない業界裏事情まで赤裸々に語られた貴重な座談会となっている。
(構成・写真:方喰正彰)

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伊藤:クリエイターズキャンプ真鶴も4年目になり、恒例行事になってきましたね。

山口:そうですね。今年はTouchDesigner User Groupと一緒にインスタレーションを創って、真鶴町をジャックするという機会もあって楽しみです。毎年コーライティングワークショップやプロ作家のコーライティングセッションをやっていますが、伊藤さんはどんな印象ですか?

伊藤:年々盛り上がってきています。もう日本のキャンプ型コーライティングセッションは、真鶴がメッカといってもいいくらいです。CWFでも年間3〜4回程度は真鶴で開催していますが、このクリエイターズキャンプが年一のお祭といった感じですよね。

山口:今年はソニックアカデミーにも企画に加わってもらって、コーライティングカルチャーの本格的な到来を見せたいなと思っています。ソニックアカデミーをずっとやられてきた灰野さん、ソニックアカデミーはどんな感じになっていますか?

灰野:2014年9月にソニックアカデミーフェスという形で初めて、4年目になります。広い意味での音楽制作に関わる様々なセミナーを行う中で、ようやく我々の役割と受講生のニーズがわかってきたという段階ではあります。

昨年からソニックアカデミーサロンを立ち上げ、主にオンライン上でクリエーターの交流の場を設けながら、月に2〜3回のリアルセミナーを行う形にシフトしています。その中でも、コーライティング会を開催するなど積極的にチャレンジしています。

山口:昨年から山口ゼミとソニックアカデミーサロンは提携させてもらって、相互乗り入れみたいな動きをしていますが、ソニックアカデミーも面白い動きだなと思います。作曲家、音楽クリエイターを支援して、日本の音楽シーンを活性化していくという目標は同じなので、連携していければなと思っています。

伊藤:最近のCWFのキャンプには灰野さんもいらしてもらっていますが、どんな印象ですか?

灰野:流石にコーライトを日本で先駆けて行われてきた実績があるだけに、レベルが高くてすごく勉強になります。コーライトは単に人を集めれば良いというだけでは無くて、さまざまなノウハウがあって初めて良い作品が生まれると思います。

山口:ありがとうございます。嬉しいです。CWFは濃いコミュニティなので、メンバー全体に自然とノウハウが蓄積されるみたいですね。100人以上いて、3ヶ月毎に新メンバーが入ってくるのですが、初めてのキャンプ参加メンバーにも知見が引き継がれているのがコミュニティの力なんだろうなと思います。

それにしても、作秋から灰野さんがいろんな作家事務所に声を掛けて、ソニーの六番町ビルでコーライティングを始めたのは、音楽業界にとってエポックな出来事ですよ。作家事務所は所属のクリエイターを抱え込みたいという意識があるから、コーライティングにはネガティブなことが多くて、やるにしても事務所内でという場合が多かった。でもソニーミュージックが旗を上げたら付き合わざるを得ない(笑)。これでコーライティングの普及に弾みがついたと思います。

灰野:我々A&R(Artists and Repertoire)はコンペという形で、たくさんの作家さんの作品に接することはできるのですが、ここのワンポイントさえクリアできれば、すぐにでも採用できるのに!というある意味「惜しい!」ところまで到達している若手作家さんに、ほとんど協力出来ない事が歯がゆかったんですね。なので、何かそういった部分を補える方法が無いかを模索していたところ、コーライトこそが最適なのではないかと思い、月に1度ぐらいのペースでスタートしました。

それぞれ得意分野の違う若手作家の方にチームを組んでいただいて、お互い技を披露しあうみたいな事が出来れば、お互いの弱点を補完しあえ、そこに学びもありつつ、いい曲も出来ちゃう。一石三鳥ですね。休日の会議室に、簡単なモニターシステムだけをご用意して、1日何チームかで曲を作ってもらい、最後に試聴会をして食事会をするという、CWFのスタイルを簡易的に借用させていただいて、細々とやっています。

伊藤:ソニーコーラティングにはCWFメンバーも参加させていただいているので、様子は聞いていますよ。実績のある作家たちが集まって、具体的なターゲットに向かってコーライトできるのはもちろん、そこにA&Rも立ち会ってけれて、実質的なアドバイスをもらえるのは作家にとって最高の場です。しかも打ち上げまでして、参加者みんなと交流できる。こういう場って、いままでありそうでなかったし、いろんな壁を取り払ってくれた灰野さんに感謝です!

山口:A&Rで現場をバリバリにやって、実際の作家を育てている灰野さんが、ソニックアカデミーもやっているということに意義があるなと思っています。スキルを学ぶには実績のある作曲家の私塾は意味があると思うのですが、それ以外の世の中にたくさんある有象無象の作曲家スクールはどうなの?効果あるの?って思いは正直あるので、山口ゼミとソニックアカデミーがあれば、どっちから入ってもらってもよいけれど、作曲家志望の人が変に迷わなくて良いかなと思っています。

 

職業作家の現状はどうなっているのか?
 

 

伊藤:僕がメーカーのディレクターをやっていたのはもう結構前なので、ディレクターサイドから職業作家を見ることがなくなりました。今はどちらかと言えばクリエイターサイドに立っているので、最近の職業作家について、灰野さんがどう思われているか興味あります。

灰野:圧倒的に新世代が活躍していることは間違いないので、ベテラン勢が少し厳しくなってきているのは間違いないですね。

山口:灰野さんから見てベテラン勢と若手の線引きはどのあたりですか?

灰野:40代半ば以降の方々ですね。

伊藤:40代半ば以降っていうと、いわゆる音楽バブルの時代に活躍した世代ってことですよね。彼らが厳しくなっているのはマインドの問題ですか?それともクオリティの問題ですか?

灰野:もちろんものすごいクオリティの音楽を作れる方々ではあります。ただ今は、直しも含めてものすごい機動力を求められるじゃないですか?アレンジャーと作家の垣根が極めてあいまいになってきているので、アレンジも曲も含めて非常に柔軟な対応が求められる上に、全体的に重箱の隅もきちんとつついたあとのある完成度の高い音楽というよりは、全体的に意図にあったものを素早く作ることができることが求められるのでそうなってしまう。

伊藤:若手の良いところは、機動力以外にどんなところがありますか?

灰野:今の若手は柔軟にやっていて、こだわりが薄すぎるのではないか?というところもあるけれど、ごちゃごちゃしたものを上手くまとめる能力がある。良い意味でも悪い意味でも、強力な色を持つ人が少ない代わりに、わりとジャンル感を超えて面白いものを作る傾向があるんじゃないかな、と思います。

伊藤:まだ灰野さんの知らないこと。新しいトレンドだとか、これから来るみたいなものを、若手が運んできてくれているという感覚はありますか?

灰野:ありますね。たとえば「ちょっと今っぽいものを入れておいてね」と言うだけど、なんとなくオーソドックスのなかにも、ちょっとした今っぽいものを探し出して、音色的なものやリズム的なものを入れてくれたりしますね。これがいいですよ」といって、ある種ネタ探し的なものについても幅が広いように感じます。それは、Youtubeなどをたくさんみて検索能力が優れているのかもしれないけれど、そんな気がします。
 

 

 

コンペについて 〜昔と今と今後〜

 

 

クリエイターズキャンプ真鶴2018開催記念座談会 山口哲一

山口:40代半ば以降というと、コンペ全盛時代の以前を知っているか世代ですよね?コンペに抵抗感のある世代はきついんですかね?

灰野:きついというか…逆に、すごいちゃんとした方々しか生き残っていないから… (笑)。ギャラも高いという問題もあるかもしれないけど。

伊藤:さっきフットワークの話をされていましたが、僕の感覚でいうと、その世代はマネージャーがいて当たり前。みなさん天才肌で、ただ音楽にだけ集中していれば良い感じだったんじゃないですか?今の活躍している若手たちは作家事務所に所属しないで、インディペンデントで自由にやりながら、ディレクターの人たちとも気軽にコミュニケーションをとっている気がします。

灰野:ベテラン感がでてしまうと若いA&Rはちょっと話がしづらい…そんな感じがありますね。昔だと、憧れの人と仕事をして、それがセールスにもある程度つながったという時代がありましたが、今はそういった風潮がなくて。

J-POPは明確な流行があるようでないような読みづらい世界ではありますが、早くなりつつあるその流れのようなものを敏感に感じ取っている人が沢山の仕事をしているような雰囲気が出てきたと思います。

伊藤:若い人たちが活躍できる場所ができたということは良いことですよね。ベテランの方にとって、これからどうやって生き残っていくのかを真剣に考えていく時期なんじゃないですかね?どーんと構えていても仕事はこないよ、みたいな。

A&Rも30代が多いし、わざわざベテランといわれるような人たちに頼みにはいかない、そういう時代なんだと。

灰野:自分が新人A&Rだった時は、強面ではないけれど、圧倒的に自分よりも音楽のことを分かっている作家さんやアレンジャーの方たちに現場で育てられた感じがありました。

ちょっと的外れなことを言ったら怖いな…、こんなお願いをしたら怒られるんじゃないか…などと思いながら自分なりに真剣に音楽と向き合って意見をする、といった側面がないことは心配ではありますね。

伊藤:A&Rが育たないという事ですか?

灰野:そうですね、ベテランクリエーターも多少トンチンカンでも、熱い若者の意見をぶつけられる事もないので、どっちも進化しない。

 

 

制作環境の激変 〜現場でなにが起きているのか〜

 

 

山口:制作環境も変わってきていますよね?

灰野:圧倒的に変わっていますね。

山口:昔はプロの音楽家がメジャーアイテムを作るのはプロフェショナル・スタジオというのが大前提としてあって、それが今となっては多くの工程は自宅でできるようになってしまった。工程が変わるという事は、おのずと役割ややり方が変わっていきますね。

そんな時代に昔からのやり方に固執している人たちは、仕事は少なくなっていくということなんでしょうね。

灰野:このあいだ、30代なかばくらいの中堅作家さんと久しぶりに仕事をして、せっかくなので、普段はなかなかコスト的に使いづらい弊社の乃木坂スタジオでMIX作業をしようという提案をしたんですね。まだまだセールス的には大きくないアーティストの楽曲だったので、夜に数時間使わせてもらうというようにコスト的も工夫もしながら。

そしたら、彼はやたら感動してくれて、話を聞くと「最近の多くの仕事ではMIXに立ち会わせてもらえない」と言うんですよね。

そこでやりたかった作業は、打ち込みのエレクトリックピアノを生に差し替えるわけじゃないけど、キャビネットで音を鳴らしてマイクで録って音色的にリッチにする作業…とか、本物をプレートリバーブを使ってみるといった作業でした。

もともと70年代オマージュの曲だったので、どうせなら当時使っていた本物の機材を使っちゃえ・・・という意図でした。最近はほとんど打ち込みだけで完結し、「そういう作業をしたことがない」というんですよね。それはそれで寂しいな・・・と思いました。

ある種、これしょぼいな〜と思った時にどう回避するのかというノウハウは、それぞれアレンジャー側なり、作曲家側なり、僕らなりにもやり方やノウハウがあって、何とかプロの作品にギリギリ仕上げるというやり方はいろんなところで教えてもらったり学べたりしたはずなんです。いくらプラグインが発達したとはいえ、断絶しているんですよね、ノウハウの継承が。中堅の彼らですらそういうことなのか…と。

山口:よくないですね。音楽制作のノウハウが受け継がれないことには危機感があります。それが元々、山口ゼミを始めた理由でもあるのですが、やっぱりレコードエンジニアと過ごす時間が足らないんでしょうね。

灰野:そうですね。足らないですね。

山口:今の40代以上のサウンドプロデューサーって、育てくれたのは間違いなくエンジニアじゃないですか。僕らマネージャーは、たいしたことはしてなくてエンジニアが育ててくれたなと思います。

でも、みんな育っちゃって、彼らは家にそういう環境があって、いい音もさんざん聞いてきた経験があるから自宅でもいいモニタースピーカーを買えばできてしまう。

もう自分はエンジニアいなくても大丈夫です、ということになっていることは、時代の趨勢で良いも悪いも無いとは思いますが、エンジニアから学んで育つ時間がないアレンジャーというのはどうなのかな…何かした方が良いんじゃないかなと思います。

僕はコーライティングにエンジニアを巻き込んでいくというのが一つの処方箋だなと思って、動きはじめています。

 

 

 

作家とエンジニア

 

 

 

クリエイターズキャンプ真鶴2018開催記念座談会 灰野一平

灰野:いわゆる音響系の専門学校をでて、エンジニアになる若い人たちには、ソニーミュージックスタジオなどに入れば、本当にたたき上げられるのでストリングもとれるドラムもとれる…といったある意味でまっとうな育ち方はするんですが、次のステップへの壁としてMIXを任せてもらえるかどうかというのがあるんですね。

レコーディングを円滑に進める器用さや気遣い、ベーシックな技術とは関係ない壁が10年後に必ずやってくるんです。その壁を越えられない人たちが結構いて、そうなった時に「どうしたらいいんですかね?」と相談しに来る人がいますが、出来ればそうなる前に早く自分でも曲を作ったり打つ込みをやっておいた方がいい。

今からでも遅くないから自分で曲をちゃんと創って、なんならYoutubeで発表しようと。昔のようにアシスタントを極めたところに未来はない…ということをなるべく早く伝えるようにしています。

山口:今の時代は、作家とエンジニアという線を引く必要が無いので、どんどんコーライトしていけばデモのクオリティも上がるし、デモのMIXがよければエンジニアにとってMIXの営業にもなるわけなので、そういったクリエイターの在り方というのが、これからは時代に適応する方法としてそういった適応のやり方が正しいんじゃないかと思います。

灰野:はい、とても良いと思います。

 

 

大型コンペについて

 

 

山口:コンペについては、山口ゼミを始めたのは2013年1月なので5年以上経ちました。5年前は大型コンペ全盛でしたが、ちょっと風向きが変わってきた気がします。

一例として、コンペの締切がちょっと伸びていますね。昔は3日、4日後の締め切りというのも少なくなかったのが、今は1週間以下というのは減ってきましたね。

伊藤:短くても1週間くらい。じっくりと集めたいという理由でしっかりと締め切りまで2〜3週間くれるというものが増えています。

灰野:自分としてはめったに1週間以下というのは出さないようにしていますが、それは正直に言ってストックじゃない曲が欲しい…ということもあります。コンペをする側の勝手な言い分ですが…。

伊藤:良いものが集まらなければ意味がないから、という意識が高まっているんでしょうね。数を集めればなんとかなる、ということから変わってきた気がします。ただ、前まではコンペをしていたのに、今はしなくなったアーティストが多くなったようにも思います。

灰野:ある程度コンペをずっとやっていて、いつもだいたい決まった作家さんの曲が通るようになってきたら、今度も良い曲をかいてくれるのは彼らなんだろうというようにはなってくる。

山口:指名コンペっぽくなるという事ですか?

灰野:そうですね。全くの指名というようには、めったにはならないと思いますが、普段はやり慣れた人たちと仕事をして、たまには変わった人たちとやりたい…と言う時にはコンペをする。そうした2wayになっているかもしれないですね。

山口:ちゃんと芯を食う人たちと仕事をするけれども、新しい窓をも開けておく…。そんな感じになるんでしょうね。

灰野:一から、そのアーティストの歴史と今度やりたいことを、事細かに説明をするのはとても大変なことなんです。ある程度スピード感をもって曲を作らないといけない場合には、何回かやったことがある人に…ということになるんだと思います。歌撮りも含めて外部のクリエーターに任せてしまうA&Rも多いと思うので…。

山口:仕事を一緒にすると、お互いツーカーになるということと、ある意味育ってくれるという事ですよね。

灰野:たぶん、10年前くらいまではアルバムとか、1人のプロデューサーと1人のアレンジャーというのは結構ありましたよね。今は、ある程度バラエティのあるものを作るようになってしまったので1人のアーティストに対して4、5人の作家とはやっているように思います。

伊藤:コンペ、なくなりはしませんね…?まだ。

灰野:そうですね。なくなりはしないと思います。

山口:クリエイティブという意味では、コンペのやり方が改善されているんですね。一方で、新しい作家にもチャンスのドアは開いていると。 

灰野:作家の名前を見ながら聞いている人もいるかもしれないけど、ある意味フラットなので、これからという人にとってもチャンスはすごいあると思う。

伊藤:新しい人との出会いの場でもある?

灰野:はい。そういうつもりでやっているところもあります。

山口:コンペというのはチャンスというシステムですよね。その仕組みがあること自体は悪いことではないですよね。欧米の作家は、日本は曲さえ良ければ採用されるフェアな仕組みが良いと言っているそうですよ。最近のアメリカはアーティストとの関係性が重要になってきているみたいですね。

 

 

コーライトのムーブメント 〜10年論〜

 

 

 

クリエイターズキャンプ真鶴2018開催記念座談会 伊藤涼

伊藤:僕の5年前の予言というのは「コーライティングムーブメントは必ず来る」。もうすこし詳細に言うと、最初の3年は、僕らみたいなコーライト推進派が旗を振るも、多くのひとは様子を見る。7年目にはピークを迎え、作家クレジットを見ると多くの楽曲が連名。今が5年目なので、賛否両論あるものの、ここ数年はコーライティングがより加速するでしょう。しかし10年後にはそれが当たり前になって、「コーライト」って言葉すら発さなくなくなる。

灰野:どうですか?

伊藤:順調ですね。

山口:日本におけるコーライティングブームの到来については、伊藤さんは自信満々で断言していましたね(笑)。

伊藤:これは、ジャニーズ時代に海外のクリエイターたちに出会って、そこから始まった日本における海外コーライティングムーブメントの10年を見てきたからなんです。

僕が初めてスウェーデンにいってコーライトに出会って、それを日本に運んできて、それが日本でバーッと広まって、7年目くらいに幾つかのジャニーズグループのアルバム作家クレジットが外国人のコーライト、外国人と日本人とのコーライトだらけになった。もちろん、ジャニーズだけでなく、多くのアーティスト、特にダンスミュージック系の楽曲クレジットに外国人が多くクレジットされるようになった。

あのムーブメントから10年たったんですが、もう外国人のクレジットになんとも思わないじゃないですか?単純に、日本人コーライトというムーブメントが10年で同じ軌跡をたどるんだろうと考えたんです。

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山口:制作プロセスが変わっていくことに対して、コーライトがマッチしているという側面もあるのかな…と。音楽制作でクリエイター受け待つ役割が広がってきているわけじゃないですか?だから、このままコーライティグによるクリエイター提案のやり方が広まると、日本独自のワンハーフサイズでデモを作るという習慣が、欧米型のフル尺に変わるタイミングが来るかもしれないですね。

伊藤:先日、灰野さんをテレ朝の音楽番組でお見かけしましたが、そこでやっている制作方法もコーライトですよね。むしろそれがテーマになっています。テレビでもコーライトという言葉が出てくるようになってきて、みんなコーライトという言葉を聞いたことがあって、なんとなくやったことがある。そんな時代になったことの象徴です。

灰野さんからみたコーライトの良いとこ、悪いとこ、ってどんなところですか?

灰野:悪いところは…そんなにはないんじゃないかと。いつだって一人で曲を作ってもよいわけなんで、縛られるわけじゃないから。こんなにある種音楽制作が、家内制手工業みたいになってきている現状のなかで、このノウハウを学んだり共有したりするのはコーライトしかないんじゃないかという勢いになってきていると思うので、とにかく盗みあえるのが良いんじゃないかと思いますね。やっぱり。

DAWの使い方ひとつ、曲を作るプロセス、音色をどうやって選んでいるんだ…とか、「あれコンプってどうやって使うの?」という初歩的なところから、インターネット上に情報がいっぱいあるとはいえ、余分に情報がいっぱいあり過ぎてどれが本当かよくわからない…といった悩みもあるわけで。情報量に翻弄されて学べているようで学べていない人も多いので、とにかく手っとり早いですよね。

伊藤:今、第一線で活躍しているようなクリエイターたちで、何年か前にコーライト始めたって人は多いです。僕が海外のセッションをセッティングしたりしたこともあるんだけど、彼らを見ていると海外でコーライトするとめちゃくちゃ成長するんですよ。

海外という未知の現場で、ほかのクリエイターたちがトラックを作っている姿を見たりとか、歌を歌っている姿を見たりして学ぶことが多いんですよね。常に現場に立ち会っているので、セッション1回すると自分のものになって、次のセッションではワンランク上にいる、それの連続なんです。やっぱり自分より長けた人たち、自分が持っていないものを持っている人たちと一緒に仕事をするという大きな利点だなと思う。

日本だとベテラン勢のクリエイターたちがなかなかコーライトしてくれないんですよね。だから若手が彼らを見て育つことはないし、逆に彼らも若い人たちから学ぶこともない。以前は師弟関係という風潮があったので、ベテランが若い人たちと横並びで作業することに抵抗を感じている気がするので、そこはもったいないなと感じますね。

「日本のマックス・マーティンになる」と僕は言っているんですが。知識だけをどんどん与えて、若い人たちと一緒にやることで、新しいものを吸収し、作品も多くつくり、かつ結果を出し続ける。そして音楽チャートに君臨しつづけるみたいなイメージです。

山口:僕は、最近はスウェーデンではマックス・マーティン、日本では伊藤涼って紹介しますよ(笑)。

伊藤:(笑)。でも本当にそういうことができる天才が現れないといけなくて。頭を固くしちゃいけないなと感じます。

灰野:もったいないですよね。

伊藤:あと灰野さんにお聞きしたいのは、コーライトすることによって、音楽的個性が薄れるという印象はありますか?

灰野:うーん。まあもちろん、いい曲ができない時もありますよね。遠慮しちゃったりとか。でもそんなに百発百中を狙わないんだったら、それが一番。

山口:化学反応(ケミストリー)を起こすことがコーライトの基本だと思うので、そこを目指す姿勢は持たないとね。遠慮してはいけない。

 

 

山口ゼミの格言 「空気を読むな」の真意とは

 

 

伊藤:山口ゼミの格言じゃないですか。「空気を読むなって」

一同:(笑)

灰野:すばらしい(笑)。

伊藤:日本人は空気を読み過ぎちゃうところがあるので、自分が言いたいことをちゃんと言う、自分のことを過少評価しない、相手の良いところは認める。これが出来るようになると、ちゃんとケミストリーが起きるんです。

山口:必ず山口ゼミで伝えているのは「良くも悪くも日本は同調圧力の社会になっています。職場や学校や地域社会では空気を読んで生きているでしょう。ただ、作品を創る時、クリエイティブをするときは”空気を読む”のは、圧倒的にマイナスが大きいのでやめましょう」ということです。

作品を良くするためだけに思ったことをぶつけるというのが、日本人は意外に苦手じゃないですか?日本人のコーライティングはマインド的にその壁を超えることですね。

灰野:なんとなく、世界的に見るとバンドと言う形態が音楽をやるユニットとして古いんじゃないかって、こないだ某有名音楽プロデューサーさんが言っておられましたけど。

伊藤:逆ですね。たしかに4人で集合して、そこで曲作るという事はバンドとやっていることは変わらないかもしれないけど、バンドって毎回毎回メンバーをチェンジすることができないじゃないですか。コーライトの良いところはメンバーチェンジをし続けることなんですよ。

僕がよく言っているのは「コーライトメンバーを固定するな!」です。一度コーライトを一緒にやって、良いものができたりメンバー同士で気あったりすると、ずっと同じとこでやりたがるんですよ。

山口:伊藤さんは、作家が仲良くなって、チーム名とか作家ユニット名を付けようとすると、ものすごい勢いでディスるんですよ。罵倒するよね?

伊藤:罵倒はしないですよ(笑)。

山口:めちゃめちゃ罵倒しているよ(笑)。

伊藤:でも「そのうち絶対に仲悪くなるよ」とか、「友達じゃないんだから」とかは言っていますね。だって良い曲を作るという目的とは関係のない、愛情とか妬み嫉みとか生まれてくるんですよ。

山口:クリエイターは、常にインディペンデントでいながら、同時にリスペクトできる音楽仲間と繋がっているのが健全な状態だという意味のアドバイスと解釈しています(笑)。

伊藤:クリエイターという個体が空間に多数漂っていて、それぞれが線を放って繋がっているという感覚です。なんとなくSNSに似ている感じが新しいんですけどね。バントを古いという感覚とは違うと感じています。

山口:コーライトのムーブメントの話でいうと、アーティストが作家と一緒にコーライトするというのもこれから来ると思っていて、というか実はいろんなところで始まっている。僕自身も自分がプロデュースするアーティストとかって、クリエイターとアーティストのコーライティングを原則としてやっています。

昔のサウンドプロデューサーがいてシンガーソングライターが2人で創るというやり方も悪くはないのだけれど、先生とお弟子さんという関係になったり、その良さもあるけれど限界もある。

僕は、コーライトの黄金の数字は3だと思っているので、作家2人とアーティストの3人で創るパターンを基本としています。これが良いのはまず煮詰まらない。だって作家変えれば良いから。

アーティストがレパートリーを増やしていくときの一番の壁って煮詰まることじゃないですか。なので、「煮詰まるのは禁止」というルールができるので、それだけでもすごく良いと思うし、アーティストの“コーライトによる作品作り”は広まると思います。どうですか?

灰野:良いと思います。ただ、僕らが逆に気を付けなければいけないのは、あんまり音楽をちゃんと勉強する気の無いアーティストが適当な鼻歌を歌っただけでコーライトに参加する、したという形式にはしたくない。いままでも多々、いい加減な鼻歌をバックグラウンドの人たちが形にして、そいつが作曲だ…みたいなことはもちろんありましたけど。

せっかくコーライトという概念が、今、良い形にできているのだとすると、アーティストのほうが仕事を引っ張ってくる力と言うか、お金に近い、ある種の権力になってしまうから、そういう風にならないように、ちゃんとアーティストが参加するものだ…というイメージをきちんと作ってはおきたいな…と。

山口:アーティストもクリエイティビティを大切に考えて、自分の創造性を伸ばす機会にしないといけないですよね。

伊藤:海外ではアーティストを中心にコーライトが始まることのほうが多いくらいで、アルバム創るからコーライトキャンプするみたいな感じ。ただ、アーティストがなにもしないで、スタジオに来てフフンと鼻歌を歌って終り。あいつ何もしていないよね…みたいなことは問題視されています。

アーティストは自分の作品を創るんだから、アルバム・楽曲のテーマは何か?どんな作品にしたいのか?そういうことをちゃんと発信する事が大切だと思います。もちろん音楽的素養がなくても世界観を伝える、歌詞を書くという参加の仕方もあると思うし、自分の曲なんだという責任をもつことが必要ですね。

それよりも、もっと海外で問題になっているのは、アーティストの友達とか家族がスタジオにいたりして、座っているだけなのにクレジットされていること。ブラザーシップといってしまえばカッコ良いけど、これは完全に権力乱用でアウトなやつです。

 

 

真鶴2018で目指すものとは?
 

 

クリエイターズキャンプ真鶴2018開催記念座談会 山口哲一、伊藤涼、灰野一平

山口:今年のクリエイターズキャンプ真鶴は、ソニックアカデミーとのコラボも活かして新人アーティストと作曲家でのコーライティングで作品を創るというのをやろうとしているじゃないですか。朝10時に「初めまして」と会った作家と曲を作り始めて、翌日の17時には発表会で歌ってくださいという企画をやろうとしているけど、僕らが気を付けたほうがいいということはあったりするんですかね?

伊藤:アーティストケアじゃないですかね?(笑)

山口:今回参加予定って、デビューしたばかり、もしくはこれからデビューする若いアーティストが多くて、楽しみなのですが。

伊藤:クリエイターもアーティストがいると遠慮しがちです。ケアというか、心遣いは必要ですが、ちゃんとアーティストからやりたいことを引き出して、良い曲作ろうってモチベーションじゃないですか。

山口:マネージメント出自の僕はよくわかるんですが、事務所が一番心配なのは、まだ人間的にも音楽的にも成長途中のアーティストが悪影響を受けることなんですよ。平たく言うと「余計な知恵付けるんじゃねえぞ!」って思ってる(笑)。

作品を創ることでは空気を読まずに、少年少女のように無垢に話すべきだけど、アーティストの置かれている状況とかプロジェクトの方向性とか、ビジネス的には大人のわきまえを持っていなといけない。

僕ら3人が中心でやっているから信頼して事務所やレーベルはアーティストを参加させてくれていると思うので、その信頼は裏切らないようにしないとね。

伊藤:それでいうと、日本人アーティストが海外のライティングでよくありがちなのが、マネージャーなりディレクターがライティングの場に一緒にいて、ああしたほうがいいんじゃん、こうしたほうがいいんじゃんってずっと指示している。

アーティストがまだ若いとか意思表示ができないとかなんだろうけど、でも向こうのクリエイターからすると「なんなのあいつ?」っていう。スーツ姿の人が何人も入ってくるみたいなことは海外では不評ですね。

アーティストに作品イメージがなかったり、その意思表示ができないないことがあるのですが、スタッフ側が出しゃばりすぎると、アーティストもクリエイターも委縮してしまって良い作品つくりができないケースもあります。

山口:そっちもありますよね。スタッフには気持ち良く送り出してもらわないといけないですね。

伊藤:まぁ事務所・メーカーとしても、作ったはいいけど結局は使えない曲では困るので、いろいろ口出したい気持ちも分かります。

灰野:「余計な知恵付けるんじゃねえぞ!」っていうのもよくわかるので…。アーティストが作詞作曲をするタイプだったりすると、僕らとしてはこういう方が売れるという視点に徹して、なんとかプロジェクトを成功させるために、いろいろ考えながらアーティストと対峙しているのに、「アーティストは自分の好きにすればいいんだよ〜」だなんて言う事を結構言いますからね。

山口:中途半端にミュージシャン的な正義を、若いアーティストに押し付けるのはダメな音楽家ですよね。

灰野:無責任ですよね。好き勝手して売れなかったら終わるのはお前だぞ、ってことまで思わないですから。若いアーティストも。だから、それはまあ…。そういう人は少なくなりましたけどね。

山口:そうですね。そういう人は音楽業界生き残れないのでだんだん居なくなっている気はします。

灰野:ま、「お前、レコード会社の言う事なんか聞かなくていいんだよ」って言われて、ほんとに好き勝手するアーティストは生き残らないですけどね。本当に生き残るアーティストは我々以上にどうしたら売れるかを考えていて、僕らの意見も真摯に聞いてくれますから。

伊藤:アーティストがライティングに入ることは、まだ日本では始まったばかりなので、これからどう成長していくのか楽しみです。単純に欧米と同じではない気はしています。

山口:クリエイターとアーティストの壁もすごく低くなっていると思うしね。

ブルーノ・マーズみたいに、作家で実績をつくってからアーティストになっていくとか、アーティスト活動と並行して作家をやっていくとかの実例はもっとこれまでより増えていくし、そういった時にコーライトの場みたいなことがあることで、クリエイター同士、音楽家同士がインディペンデントに、ちゃんと責任感をもって音楽制作する。

俺らが言っている話って、アーティストもクリエイターもビジネスに関しての責任感を持ってね、ということですよね?これからの時代はそういう意識が重要になってくると思います。

灰野:そうですよね。インディペンデントであるというのは、責任感があって、自己責任で生きていくものだから。

伊藤:これからデビューを予定しているアーティストとそのチームが、コーライトに興味を持ち出していることは感じます。

実際に声をかけてもらっていますし、これからはもっと増えるでしょう。その時に、クリエイターもアーティストとコーライトするノウハウをしっかり身に着ける必要があります。アーティストもクリエイターも、お互いにプロフェッショナルマインドを持たないとコーライトを上手く生かせないですね。

 

音楽業界とAI

 

 

山口:話は変わりますが、灰野さんは人工知能の作曲についてはどうみていますか?

灰野:人工知能作曲はちょっと想像できないですが、AIマスタリングソフトとかAIミックスソフトとかはかなり実用域に達していて、有名なMIXエンジニアさんが既に使っていると言っています。ここまでくると中途半端なマスタリングエンジニア、ミックスエンジニアから仕事を奪いかねないな…と。

山口:結局、出来ること出来ないことがあるので、たぶん人工知能、それこそ動画のBGMみないなものはある程度できると思っています。でも、ポップスはつくられていく過程も含めての「物語」みたいなことがユーザーにとっても大事なので、いわゆる自動作曲というものはJ-POPは難しいと思うんですよ。

ただ、クリエイターにとっての創作支援ツールとしては、コーライトのなかにAIがいるというのは起きてくるんだろうな…と思うんですよね。

灰野:決まったコード進行のなかのメロディラインというものは、過去のヒット曲を解析してAI的なアルゴリズムのお勧めとして、こんなパターンとこんなパターンとAからDパターンまでありますけどどれを選びますか?みたいな。

山口:例えばそんなこと。みんながアナログ的にやっていることがAIによってバーンと出してくれて、それを選んで、言葉ももしかしたらAIが支援ツールでバーッと候補を出してくれて選んで、ちょっと直して、しかも何か今まで聞いたことが無い風にしたいわけじゃないですか。常に。その要素はやっぱり人間の要素だと思うんですよね。

灰野:韻をどうやって踏むかとか、これの言葉を探して…といったらダーッと候補ワードを上げてくるとか。

山口:作詞はどうですか?

伊藤:うーん。作詞が一番難しいんじゃないですか。メロディとコードをAIが作ったとして、歌の上手いアーティストで良い歌詞が乗っていれば、どんなにメロディとコードが意外性あったとしても良曲になりえると思うんですよ。

ただ、歌詞のほうは言葉という無限大に近い組み合わせを、アルゴリズムで“感動”に落とし込むのは、少なくとももうちょっと時間がかかるように思います。

山口:着うた全盛時代にね、着うたユーザーはゆとり世代でボキャブラリーが「好き」と「愛している」と「涙」だけを言っていればいいみたいな、乱暴な事が言われていましたけどね(笑)。

灰野:うちのレーベルも率先していっていましたけれどね。とにかく繰り返せと。

一同:(笑)

伊藤:たとえば大ヒットした曲が、実はこれAI作詞なんだと暴露されて世間が驚愕するとか、そんな事件でもあるともっと音楽制作のAI化も進むと思いますね。

山口:そういうスキャンダラスなことやって欲しいな(笑)。

 

 

CC真鶴2018への抱負と期待

 

 

山口:最後にクリエイターズキャンプ真鶴に対する抱負をお願いします。

灰野:せっかくなので、ちゃんとリリースできる作品を作りたいですね。

伊藤:大事ですね。世に出るものを作りましょう。

山口:ワークショップの方はクレオフーガ、ソニックアカデミー、山口ゼミのコラボとなっていますが、ソニックアカデミーの立場でコーライトワークショップについては?

灰野:ソニックアカデミーのイベントでは主にオフィスでやっていますが、いろんな雰囲気を変えたところでやるということも重要だし、なかなか音楽において曲を作るためにプチ旅行をする機会と言うのもなかなかないので環境を変えることの重要性というものを体感できると、今後の作曲活動に影響があるんじゃないかな…と思っています。

伊藤:はじめてソニックアカデミーとコラボという事で、間違いなくグレードアップすると思います。どんなワークショップに育っていくか、それこそケミストリーに期待しています。

山口:ヒットを連発している旬の作家たちが来てくれて、ミニセミナーもやってもらい、その後は同じ町内でアーティストとコーライティングする。ワークショップ参加者もデモを作り、発表も同じ場所でやるというのは、ドキドキ感あると思います。いろんな壁を越えている感じ。発表会後の懇親会もどんな雰囲気になるか楽しみですね。

発表会と懇親会だけ参加できる「オーディエンス券」もあるので、ワークショップに参加できない人は、5日の午後だけでも楽しめると思います。

伊藤:このクリエイターズキャンプを始めた当初から言っている、クリエイターによる、クリエイターのためのフェスにしたい。また1歩それに近づいているように感じます。楽しいフェスにしましょう!

灰野:美味しいお酒が飲めそうですね。

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山口ゼミ:2013年1月開講の音楽プロデューサー山口哲一が主宰するプロ作曲家育成のための実践的なセミナー。「業界標準、完全プロ仕様」を掲げている。副塾長伊藤涼による「疑似コンペ公開添削」の他、第一線の作曲家がゲスト講師を務める。過去300人以上の受講生がコミュニティ化しているのが特徴で、日本におけるコーライティングムーブメントの発信源。
https://tcpl.jp/openschool/yamaguchi.html

ソニックアカデミー(Sonic Academy):ソニーミュージックによる会員制音楽制作コミュニティサロンです。音楽業界の最先端を担うレーベルプロデューサーやクリエイター陣とコンタクトを取りながら、作曲、編曲、作詞、ボーカルなど、制作におけるテクニックや、情報で溢れたコミュニティを提案します。また、会員限定のイベントや勉強会 などのリアルな学びの場も提供し、メンバー同士、交流を深め、それぞれがやりたい音楽をカタチにしていきます。
https://salon.sonicacademy.jp/

CWF(CoWrtingFarm):山口ゼミの上級コース山口ゼミexntendedの修了時に、主宰する山口哲一・伊藤涼からプロレベルをクリアしたと認められた作家だけが参加できるOBOG会兼クリエイター集団。多種多様なバックボーンを持つメンバーの様々な組合せによるコーライティングを得意としている。

ワンハーフ:2番までいかない、ABサビ、ABサビサビなどの構成で、コンペ用のデモテープはこのサイズで作られることが多い。

フル尺:リリースと同じ構成のこと。
 


出演者プロフィール

山口哲一(やまぐち・のりかず)
音楽プロデューサー、エンターテックエバンジェリスト。(株)バグコーポレーション代表、EnterTech Lab inc.Co-Founder、デジタルコンテンツ白書(経産省監修)編集委員。業界団体の理事、委員を歴任。2011年頃から著作活動、人材育成を始め、「山口ゼミ」および「ニューミドルマンラボ」主宰。「プロ直伝!職業作曲家への道」「ミュージックビジネス最終講義」など著書多数。最新刊は、「ミュージシャンが知っておくべきマネージメントの実務」(監修)。

灰野一平(はいの・いっぺい)
ソニー・ミュージックレコーズgr8!records プロデューサー。大阪府出身。96年ソニーミュージックエンタテインメント入社。主に制作ディレクター・A&Rとして、椎名純平・中島美嘉・RYTHEM・RSP・遊助・久保田利伸・Little Glee Monster・J☆Dee’Z・欅坂46、土屋太鳳など数多くのアーティストに関わる。

伊藤涼(いとう・りょう)
音楽プロデューサー、ソングライター。元ジャニーズ・エンタテイメントのA&R。ミリオンセラー「青春アミーゴ」をプロデュース、後にフリーランスのソングライターとして、乃木坂46「走れ!Bicycle」、AKB48「ここにいたこと」、安室奈美恵「HOPE」などの作品がある。プロ作曲家育成「山口ゼミ」の副塾長、コーライティングファームのヘッドディレクターも務める。著書に『作詞力 ウケル・イケテル・カシカケル』(リットーミュージック)、山口哲一との共著に『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック)がある。

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