Vol.3 ビクターエンタテインメント株式会社 スピードスターレコード A&Rディレクター 横田 直樹さん

インタビュー ピックアップ

ビクターエンタテインメント株式会社 スピードスターレコード A&Rディレクター 横田 直樹さん
ビクターエンタテインメント株式会社 スピードスターレコード A&Rディレクター 横田 直樹さん

音楽業界の今を動かす、現場の音楽業界人 = Musicman に、仕事内容や最近の「気になる!」こと現在の仕事に至るいきさつなどを中心に伺っていくインタビューコーナー「Musicman Pick Up」。

第3回は、ビクターエンタテインメント スピードスターレコードA&Rディレクターの横田直樹さんに新人発掘の決め手!や求める才能などを伺いました。

 

——どんな部署でどんなお仕事をされているんですか?

横田:ビクターのロックレーベルSpeedstar RecordsでA&Rディレクターを担当しています。担当アーティストに関する企画・制作と新人アーティストの発掘・育成が主な仕事です。アーティストのリリース戦略について大きな方向付けをすることから、制作現場での細かい雑用まで、業務の内容は多岐に渡りますが、大ざっぱにいえば、アーティストの個性をいかにビジネスとして成り立たせるか、あるいは将来、ビジネスになるアーティストをいかにして発掘デビューへの道筋をつくるか、といったポイントで進める仕事です。

——これまで関わったor担当アーティストは?

横田:これまでA&Rディレクターとして、The Mad Capsule Markets、Tokyo No.1 Soul Set、WINO、Crash in Antwarpなどを担当してきました。現在は、髭(HiGE)、Leyona、ハレンチ☆パンチを担当しています。

——音楽業界で働くことになったきっかけはありますか?

横田:10代の多感な時期をビクターのロック系アーティストの音楽に刺激されながら過ごしてきたので、就職活動の時期になって、迷わずビクターの門を叩きました。ビクターに入る!という確信めいた気持ちがあったので、業界他社には目もくれなかったですね。

——職業は、どんな雰囲気?流行っていること等ありますか?夜は遅くまで仕事?

横田:各ディレクターが自由に自己管理をして、それぞれのやり方で忙しく動きまわっています。みんなが我が道を行くスタイルなので、流行りとかは特にないですね。よく、この仕事は「遊びも仕事のうち」と言われますが、僕は遊ぶ時間を作るのが下手なタイプでして、寝てる時間以外はほとんど仕事に関わっている感覚ですね。

——最近嬉しかった琴は?(何でも!)

横田:担当アーティストの作品が完成するたびに大きな達成感を感じますね。音の完成はもちろんですが、そのあとにジャケットの試し刷りがあがる瞬間も好きです。作品がカタチになって見えてきたな〜と。最近だと、髭(HiGE)とハレンチ☆パンチのアルバム完成が嬉しかったですね。

——新人発掘に対しての方法論や活動とは?

横田:Speedstar RecordsではA&Rディレクター全員が新人発掘の動きをしていて、それぞれが集めた情報を持ち寄って共有しています。ライブチェック、各種オーディション、インディーズ、口コミや紹介、プロダクションからの売り込みなど、発掘方法にキマリはありません。新人発掘セクションからの情報もあります。ただ、インディーズセールスやライブ活動で実績のあるアーティスト、業界内で話題になっているアーティストのほうが、デビューまでの道のりが短い傾向はあるでしょうね。

——デモテープの聴き方で自分流のポイント(重視していること)は?

横田ボーカルの第一声が印象の80%を決めますね。演奏やサウンドは録音の技術がどんどん進化しているのでデモテープのレベルもどんどん上がっていますが、人間本来がもつ「声」や「歌」がどれだけパワーをもって人に伝わるかは、技術では補いきれない大きなアピールポイントです。それと、最大のポイントはやはり「個性」ですね。「上手い」ものより、他にはない「個性」を求めます

——ミュージックもんについてはどう思いますか?

横田先駆的なシステムだと思います。ネット環境がさらに発達していけば、応募するアーティストの幅もひろがっていくでしょうから、アーティストのタイプに応じた出会いも増えて、さらに音楽文化の進展に貢献していくのではないでしょうか。

——ミュージックもんに今後望むことなどは?

横田:小学生でも他人の手を借りずに応募できる時代が始まろうとしています。ネット時代の新しいスターを一緒に育てたいですね。

——今求めている才能、タイプなどはありますか?

横田「時代の感覚」を代弁できる若いアーティストを求めています。音に対するセンスはモチロンですが、新しい価値観を言葉にするチカラと、自分の魅力を上手に見せる自己プロデュース力を兼ね備えたアーティストに出会いたいですね。デモテープは全部聴きます!どしどし送ってくださいね。

-2006.8.23掲載 

音楽業界の現場で働くみなさま、このコーナーで仕事の面白さを広くご紹介してみませんか? こちらよりお気軽にご連絡ください。

関連タグ

関連タグはありません

オススメ