ライブネーションの反トラスト法訴訟が開始 米司法省「コンサート業界は崩壊している」
米連邦政府によるライブネーション・エンターテインメントに対する反トラスト法訴訟が始まった。米司法省(DoJ)は3月3日の冒頭陳述で「コンサート業界そのものが崩壊。ライブネーションという独占企業によって支配されている」と主張したが、同社はこれを強く否定している。Music Business Worldwide(MBW)などが伝えた。
6週間続く見込みのこの裁判では、世界最大のライブエンターテインメント企業がコンサート業界の主要部分を違法に独占したかどうか、そして2010年にライブネーションとチケットマスターを統合した合併を解消すべきかどうかが争点となる。
米司法省は2024年5月、ライブネーションおよび傘下のチケットマスターを提訴。今年2月には連邦地方裁判所が訴訟範囲を大幅に縮小した。
陪審員は今回、3つの核心的な主張ーー「チケットマスターが、強制的とされる長期独占契約を通じて主要コンサート会場における一次チケット販売を独占していること」「ライブネーションが自社会場で公演を希望するアーティストに事実上、同社をプロモーターとして採用させることを強制していること」「ライブネーションとオークビューグループ(OVG)間の特定のチケット契約が競争阻害的であること」ーーに関する証拠を聴取する。
同訴訟はバイデン政権下で提訴されたが、トランプ大統領下での和解交渉の可能性が浮上していた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「コンサート業界は崩壊している」——米司法省弁護士がそう断言した翌週、和解が成立した。6週間の見込みだった裁判がわずか1週間で幕を閉じた。チケット最大手チケットマスターとの分離なし、司法省との金銭的和解なし。アンフィシアター(野外劇場)でのチケット手数料15%上限設定と一部開放という条件で、ライブネーションは実質的に今ある形で存続を認められた。ただしこの条件はアンフィシアター限定で、アリーナやフェスには及ばない。バイデン政権が「解体すべき時だ」と提訴し、トランプ政権が「和解」した——政権が変われば独禁法の運用がここまで変わる。だが27州は和解を拒否し、独自訴訟を続ける。米司法省が勝ち取れなかった構造変革を、州が代わりに追いかける——本当の決着はまだ先かもしれない。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
ポッドキャスト概要:
Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り
「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。
Spotifyでポッドキャストを聴くプレイリスト概要:
記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち
月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!
Spotifyでプレイリストを聴く@musicman_nusicman
広告・取材掲載