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Netflix・Amazon・Apple、ワーナー・ブラザース取得に意欲 報道

ビジネス 海外

ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の取得に、Netflix、Amazon、Appleが関心を示しているようだ。3社はいずれもWBD全体、または一部資産の買収を検討している。情報筋の話として、ブルームバーグが10月22日伝えた。

WBDは10月21日「複数の当事者から弊社全体およびワーナー・ブラザースに対する買収提案を受け、株主価値を最大化するための戦略的選択肢の検討を開始する」と発表。同社はパラマウントやコムキャストを含む複数企業から買収提案を受けた後、財務データを共有する前に、潜在的な買い手との間で秘密保持契約の準備を進めているという。

WBDはパラマウントからの3件の買収提案を既に断っており、その中には1株当たり最大24ドルの提案も含まれていた。パラマウントは今年8月、スカイダンス・メディアとの合併を完了したばかり。

WBDはHBO、CNN、DCスタジオ、同名の映画スタジオなどを所有しており、これら全てを売却する可能性がある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「有料動画配信で競い合うNetflix、Amazon、Appleがワーナーの映像コンテンツ資産の買収競争を繰り広げているようだ。ワーナーの映像コンテンツ資産を持つワーナー・ブラザース・ディスカバリー社(WBD。ワーナーミュージックとは現在無関係)は近年、株価の低迷を受け、分社化を検討中と報道が出ていた。この内、映像コンテンツ資産を持つストリーミング&スタジオ事業の分社化がおそらく買収競争に火を付けたのではないか。ご存知のように有料動画配信は自社製のオリジナルコンテンツが競争の鍵になっており、これはNetflix創業者リード・ヘイスティングが過去のケーブルテレビで起きたコンテンツ競争から学んだことだった。ヘイスティングの戦略は大当たりした一方で、世界最大の映画専門チャンネルHBOが、ネット時代もHBO+(日本ではU-NEXTと独占提携)となって依然として強さを発揮しており、それはHBO+にワーナーの強力な映像資産があったからだった。これが分社化で獲得のチャンスがあるとなると話が変わってくる。オリジナルコンテンツの自社製作で苦戦する競合のApple TV+がコンテンツ資産の買収に動けばNetflixやAmazonも対応しなければならなくなる。既にAppleのクックCEOがワーナーブラザーズの買収を検討していたことは報道されていた。音楽配信ではレーベルの獲得競争は起きなかったが、Spotifyが高価格プランを仕掛けるにあたりオリジナルコンテンツも志向しており、近隣産業で起きたことがどのように影響していくか今後、注視しておいた方がよさそうだ。常識というのはいきなり変わるからだ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman