OpenAI、音楽生成AIを開発中? The Information報道
米OpenAIが、テキストや音声プロンプトから音楽を生成できるツールの開発に取り組んでいるようだ。情報筋の話を元に、米国のテックメディア「The Information」が10月24日報じた。
それによると、OpenAIのツールは動画にサウンドトラックを追加したり、ボーカルトラックに楽器伴奏を加えたりする用途に利用できるという。また、同社はジュリアード音楽院の学生と協力し、楽譜に注釈を付けてトレーニングデータを作成しているとされる。
SunoやUdioのように、テキストプロンプトだけで完全な楽曲を一から生成できるツールをOpen AIがリリースする計画があるかなど含め、製品の詳細は不明だ。
同社は過去にも音楽生成モデルを開発しており、2019年にMuseNet(10種類の楽器を用いた4分間の楽曲を生成)と2020年にはJukebox(基礎的な歌唱を含む音楽を生成するニューラルネットワーク)を公開していた。
なお、OpenAIが手がける「ChatGPT」がAIモデルの訓練に必要な音楽データをどのように収集しているかは明らかにされていない。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「ChatGPTやSoraを運営するOpenAIがSunoのような音楽生成AIを開発中との噂。ソースはThe Information誌で、音楽業界誌のMBWも取り上げている。記事にあるとおり、学習材料となる楽曲をどんな手段で入手しているのかが関心の焦点に。SunoやUdioはYouTubeから音楽ビデオを無断DLしていると音楽産業から裁判を起こされている。データの質と量でほぼ能力が決まるAIの世界で著作権フリーの楽曲だけで育てれば、今度はAIとしての品質で遅れを取る。Soraで動画生成のSNSを始めたOpenAIが自前の音楽生成AIを持とうとするのは当然の発想である一方、上場を控えているなら、ここでリスクテイクもしにくい。生成のアルゴリズムにのみ学習材料の楽曲を使い、生成のアウトプットに既存の楽曲を素材にしないという方法もあり、その場合はフェアユースの範囲内ということで、その線で進めつつ他社の裁判の動向を見ている可能性もある。確定するまで今後も注目したい」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
- The Information:OpenAI Moves to Generate AI Music in Potential Rivalry With Startup Suno
- DMN:Is OpenAI Developing a Generative Music Tool? Report, Job Listing, and Other Evidence Point to Possible Audio Expansion
- MBW:OpenAI, valued at $500bn, reportedly working on generative AI music tool
- Spotify、ChatGPTと連携可能に 新たな音楽発見の道を提供
@musicman_nusicman
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