アップル、「HomePod」ではなく「HomePad」を年内発売か AI開発難航で一部機能を削って

アップルが開発中のスマートホーム向けデバイス「HomePad」が、年内に発売されるかもしれない。ただし、当初の予定よりも機能が少なくなる可能性が指摘されている。ブルームバーグが5月25日伝えた。
HomePadは、既存のスマートスピーカー「HomePod」にスクリーンが付いたようなもので、7インチディスプレイ、A18チップを搭載し、同社独自の生成AIシステム「Apple Intelligence」対応などの特徴を持つとされる。スピーカー付きの卓上ベースや壁に取り付けできるという。
当初は今春の発売を予定していたが、AI開発が難航していることなどを背景に、延期を余儀なくされていた。
アップルは米AI新興企業OpenAIと提携関係にあるが、同社が先にiPhoneのメインデザイナーの1人としても知られる元アップルのジョニー・アイブ氏が設立したハードウエア開発の新興企業を買収したことで、より魅力的なAI搭載デバイスを素早く世に送り出す必要性に迫られている。
HomePadは、6月9日に開幕するアップルの世界開発者会議(WWDC)後の、ある時点で量産体制に入るとの見方もある。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「AppleがスマートスピーカーにiPadを付けたHomePadを早ければ6/9のWWDCで発表かとDMNやMacRumorsが報道。ディスプレイ付きのスマートースピーカーはAmazon Echo Showが2017年に登場しているが、生成AI(Apple Intelligence)との統合(あとおそらくデザイン)で差別化を狙うもそこに苦戦しているらしい。Appleは生成AIでOpenAIと提携しているが、そのOpenAIがかつてiMac、iPod、iPhone、iPadの誕生に関わったAppleの元リードデザイナーにしてジョブズの親友であり片腕だったジョナサン・アイブと新たなハードを作るかもしれず、AI搭載デバイスの新しいカタチをいち早く世に提案する必要が出ている。ただアイブが作るならディスプレイ付きのスマートスピーカーという程度では終わらないのではないか。私は音楽産業百年の歴史を小説化したが新しいソフト技術は新しいハードを生み、新しいハードは音楽に新しいビジネスモデルを生み出してきた。iPhoneとSpotifyの組み合わせが生まれた2008年から17年が経ち、生成AIに合わせたハードが誕生すればいよいよサブスクより新しいビジネスモデルが誕生するかもしれない」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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