ライブネーション、第1四半期は8%減収 「需要減少の兆候見えず」

ライブネーション・エンターテインメントは5月1日、2025年第1四半期(1〜3月)の売上高が33億8,200万ドルとなり、恒常為替レートベースで前年同期比8%縮小したと発表した。調整後の営業利益(AOI)は、実質0.5%増の3億4,100万ドルだった。
一方で、繰延収益(前払いで受領した対価を収益認識せず繰延べしているもの)がコンサートは54億ドル、チケットは2億7,000万ドルと、それぞれ24%、13%増加していると指摘。コンサートシーズンが本格化する今後数カ月は、より好調な数字が期待できるとしている。
売り上げを部門別に見ると、コンサートは実質11%減の24億8,400万ドル。チケットは1%減の6億9,500万ドル、スポンサーシップ&広告は9%増の2億1,600万ドルだった。
ライブネーション主催公演のチケット販売枚数は9,500万枚と2桁の伸びを示した。
マイケル・ラピーノ社長兼CEOは、経済全体があまり芳しくないにもかかわらず、ファンからの需要が減少する兆候は見られないとコメント。通期でAOIを2桁伸ばす目標を達成できる見通しだと述べた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「世界最大のコンサート会社ライブネーションの経営動向を見ていると世界の音楽ライブ市場の現状が見えてくるのだが(今日似たようなことをさっき言った気もするが…)、同社Q1の売上は前年同期比8%マイナスで、コンサートは実質11%減に。ラピーノCEOは「需要が減少する兆候は見られない」とコメントしているが、気になるのが世界最大の音楽レーベルUMGの同期決算もコンサート系のマーチャンダイジングその他売上が5.1%マイナスとなったことだ。コンサートはチケット単価の高騰に頼ってきたところ、トランプ関税騒ぎで消費控えが主戦場の欧米で起きているのも響いているかもしれない」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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