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Napster買収の没入型テック企業iR、30億ドルの出資者が明らかに

ビジネス 海外

先にNapsterを買収した没入型テクノロジー企業のInfinite Reality(iR)が、1月に発表していた30億ドル(約4,327億円)の調達先が明らかとなった。同社は当初「グローバルなテクノロジーと不動産投資をポートフォリオとする個人投資家から」資金を確保したと述べるにとどめていたが、Napster買収(3月)、エージェント型AIを手がけるTouchcast買収(4月)の発表後も、憶測が止まなかった。 

30億ドルを提供したのはスターリング・セレクト・グループ。ニューヨーク・メッツなどをポートフォリオに持つ、不動産やスポーツ、エンターテインメント分野に特化した家族経営の米投資会社スターリング・エクイティーズ傘下のベンチャー開発企業とされる。なお、スターリング・エクイティーズはiRへの資金提供には参加していない。 

2022年1月時点では10億ドルだったiRの企業価値は、相次ぐ大型買収を経て、2024年4月のTouchcast買収後には155億ドルに達したとされている。 

なお、iRは2023〜2024年に資金繰りに問題があったと認めているが、「行った買収の数が多ければ、(事務作業の多さから)不払い訴訟や同様の問題が出てきても不思議ではない」とした上で、今ではほとんどの訴訟が取り下げられていると説明している。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「音楽サブスクのNapsterを300億円で買収し、AIエージェントのTouchcastを700億円で買収したInfinite Reality(iR)は未上場だが時価総額2兆4500億円(155億ドル)に達した。その旺盛な買収資金がどこから来ているのか取り沙汰されていたが、今年1月にニューヨーク・メッツなどを所有する米投資会社スターリング・エクイティーズ系統が資金を出していたことがわかった。Infinite Reality(iR)はライブ配信、ソーシャル・リスニングパーティー、仮想空間、グッズ(物理・デジタル)、イベントチケットの販売、AI、コミュニティー管理エージェント、ゲーミフィケーション、eスポーツなどを手掛けており、そこに音楽サブスクを加えたことでどのような絵を描いているのか興味を持っていたが、スポーツ系の巨額出資を行うスターリング・エクイティーズの名前が出たことが新しい手がかりとなりそうだ 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。