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グーグル元CEO「最も賢いアーティストと同等のAI、あと3年で登場」

ビジネス 海外

グーグル元CEOのエリック・シュミット氏は、人間の学者やクリエーターらと同等の「AGI(汎用人工知能。人間のような汎用的な知能を持つ人工知能)」の出現まで、あと3〜5年とみている。 

AIアルゴリズムが自ら学習して能力を向上させる「再帰的自己改善」と呼ばれるプロセスによって、これが可能になると説明。OpenAIやAnthropicを含む多くのAI企業では既に、研究プログラムのコードの10〜20%をAIが書いており、さらに進化が加速するという。 

また、AIがなおも「過小評価」されていると主張。「このレベルの知性を、しかもほとんどが無料で持つようになるとどうなるのか、人々は理解していない」と述べた。 

ASI(人工超知能。AGIがさらに進化したもので、人間の知能を超越した人工知能)の登場まで、あと6年との予測もある。 

シュミット氏はまた、政策立案者がAIの支配を巡る米中の地政学的競争に注目していることを示唆。ハイテク企業は業界首位が市場の多くを占める傾向があるとした上で、AGIが現実のものとなる時、競争で遅れをとっている国は、取り残されるリスクを冒すよりも、戦争を始めることを選ぶかもしれないとの考えも示した。 

人間の雇用を奪う可能性については、特に懸念しておらず、経済の広大な領域を自動化することで、今や世界的な現象となっている出生率の低下の問題に対処することができるとみている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「「賢人」の呼び名を持つグーグルのエリック・シュミット元CEOが「最も賢いアーティストと同等のAI、あと3年で登場」と予測。つまり人間に等しい知性を持つAGIがそれくらいで誕生するという予測だ。現在の生成AIの能力的限界がだいたい見えてきて、それはアーティストにとって変わられるほどの創造性は持ってなかったわけだが、物事の意味を理解するAGIが誕生すれば話は変わってくる。シュミット氏は、AI開発に地政学的競争(つまり米中)が関わっており、それが戦争のリスクを高めるとも指摘。実際、音楽という視点でも、軍事力に直結するAIの開発力を優先する某国が、コンテンツの権利者を保護せず学習素材に使う現状が既にあり、欧米のAI企業が危機を感じて著作権があるコンテンツでもAIの学習に使える法律を通そうとしており、国家レベルの衝突がエスカレートすればコンテンツより技術が優先される危うさを既に醸し出している。シュミット元CEOは在任中、初代Androidを出して、iPhoneを出したばかりの親友だったジョブズとぶつかるドラマを繰り広げたことでも有名で、そこらへんは私も小説に書いた。」 

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。