[特集] 全世界規模のアナログ・レコード祭が4/20開催、国内関係者に聞く

ビジネス

レコードストアデイ

聴いてみないと分からないものですが、アナログ・レコードでしか味わえない音楽の質感があります。

ターンテーブルもレコードも持っていない方でも、毎年Record Store Dayになると色々なイヴェントが開催されますから、そういうところで新たに過去の音楽との出会いを通じて、膨大な音楽文化の一端を知ることができると思います。

個人的にはLPが3,000枚ほどあります。特に若い頃から持っているものは、金銭的な価値とは関係なく、ぼくにとって宝です。

ピーター・バラカン
 


4月20日に、全世界(日本含む)同時開催のイベント「レコード・ストア・デイ」が行われる。

レコード・ストア・デイは、2008年にアメリカでスタートした、アナログレコードの素晴らしさやレコードショップに行く面白さ、音楽の楽しさを共有しようという世界規模のイベント。

レコード・ストア・デイ参加地域・店舗http://www.recordstoreday.com/Venues

当日は、イベント限定のアナログレコードやCDが制作・販売される。

レコード・ストア・デイ限定リリースhttp://www.recordstoreday.com/SpecialReleases

レコードショップにおいては様々なイベントが開催され、海外ではビッグネームアーティスト(メタリカ、フー・ファイターズ、ビースティ・ボーイズ等)がファンやカスタマー向けにインストアライブを行っている。

また、今年は、元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトがレコード・ストア・デイのアンバサダーを務める。

JACK WHITE: RECORD STORE DAY 2013 AMBASSADOR from Record Store Day on Vimeo.

日本でもNPO法人ミュージックソムリエ協会が、RECORD STORE DAY日本事務局として、イベントを開催する。

そこで、Musicman-NETでは、国内のレコード・ストア・デイの関係者のみなさん、識者の方々に、アナログの魅力や何故今アナログが盛り上がっているのか、レコードストアの楽しさ、そして「私のお宝の一枚」等のコメントを冒頭のピーター・バラカンさんの言葉とともに紹介する。

 


 

新川宰久

(サウンドファインダー)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

音楽を聴くために最適なものはレコード。そのことを知らない世代や忘れてしまった人たちにレコードを意識してもらうことで、改めて音楽の魅力に気づいてもらうことが出来ると思います。

——世界でアナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうしてだと思われますか?

音楽を聴くという行為は耳からだけの情報ではなく、その他の感覚すべてを使って楽しんでいて、レコードはその象徴的なものです。ジャケットを眺め、レコードをジャケットから取り出す時の匂いを感じ、プレイヤーにのせた時に感じるあのドキドキ感。くるくると回るレコードを眺めながら、ゆっくりと流れる時間。これこそが音楽鑑賞だということを多くの人が気付き始めたのだと思います。

音楽のポータビリティ化が進んで、この流れはおそらく変わることがないと思いますが、音楽を聴くシチュエーションで聴く手段が変わると言うのは自然な感覚だと思います。

毎年RECORD STORE DAYが近づいてくると必ず見る動画ありますので、みなさんにご紹介したいと思います。音楽鑑賞とはこういうことを言うのではないでしょうか?
 

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

音楽鑑賞の王道としてこれからもレコードは君臨していくことでしょう。レコードは20世紀最大の発明です。音楽を聴くにはこれ以外にはありません。これからもレコードを楽しみましょう!

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

大好きなアーティストを見つけましょう。そのアーティストはいろいろなことをみなさんに教えてくれるはずです。アーティストの想いを手繰っていくと、自然と音楽の源流に近づいていくはずです。そのアーティストが影響された音楽が例えば、60年代、70年代の音楽だったら、その当時の音で聴きたいと思いませんか?

昔の音源だったらCD化されてるじゃないかという声が聞こえてきそうですが、当時のレコードと聴き比べてみてください。レコードはとてつもない音でみなさんを圧倒するはずです。本当に音楽が腑に落ちた時、きっと新しい世界が開くはずです。音楽はそれほどパワフルなものです。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

Incognitoが初来日した際、メンバー全員にサインを入れてもらったLPレコード。当時ドラマーはRichard Baileyでこの方はJeff Beck groupの名盤Blow by blowでドラムを叩いていた人。驚くことにメンバーもその事実を知らなかったという…(笑)Incognitoのレコード同様、Jeff Beckのレコードにも彼のサインをもらいました。
 


サウンドファインダーはインターネット上のショッピングモールですが、このシステム開発の目的はレコードショップの営業支援でした。これからの時代に即したレコード販売インフラ、宣伝媒体を作ることが急務だとは感じていましたが、一般的なネット企業のようにネットが実店舗の売上を凌駕するとは考えていません。レコードを買うのは店頭が一番。今でもそう思っています。

サイトオープンから9年目の今、より多くの方々にサウンドファインダーに参加するレコードショップを知ってもらうために、ネットから離れた活動に注力しています。それが、みなさんもご存じのレコー道。今までライムスターのDJ JIN、quasimodeの松岡‘matazz’高廣がナビゲートした近畿日本ツーリストとのコラボレーション旅行企画のテーマはズバリ「音楽を通じた地域活性化」です。それぞれの大人の事情を超えて、音楽を純粋に愛してほしいと願うアーティストとファンの交流が生み出す奇跡は筆舌に尽くしがたいものがあり、主催者である私はすべての方へ感謝の念が堪えません。この奇跡の企画から産み落とされた7インチのレコードをRECORD STORE DAYの4月20日に発売することにしました。是非お近くのレコードショップで手にとって見てください。

私が唯一レコード以上に音が良いと思うもの。それはライブですが、それについては別に機会にお話したいと思います。音楽は多様性です。私たちサウンドファインダーはこの多様性を皆様にご紹介すべく、音楽ビジネスにおいてプロフェッショナルであることを約束いたします。これからも音楽を皆様と一緒に楽しみたいと思います。

■サウンドファインダー:http://www.soundfinder.jp
 


 

鈴木健士

(RECORD STORE DAY日本事務局/NPO法人ミュージックソムリエ協会 理事長)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

アメリカやUKではメジャー各社がRSDを支援しているので様々な有名アーティストの限定盤が店頭をにぎわしていますが、日本のメジャーメーカーにはRSDは世界的なムーブメントなのだと説明しても中々理解が得られず苦労しています。だから、現在はインディーズを中心に展開しています。

——世界における、アナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうしてだと思いますか?

ジャケットの大きさに起因していると思います。リスナーにとってはモノとして持っていたい、部屋に飾りたい、創り手側としてはCDサイズよりもデザインに凝る事が出来る。こだわりが主張できる。からだと思います。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

アナログプレイヤーと言われるように針の振動から流れ出てくる音はまさに「プレイヤー」の一員なのです。倍音が響き渡る音を是非、堪能してください。当協会に訪れる20代の人達にレコードプレイヤーを触らせるといきなり針をど真ん中に置いたり、スクラッチがここか派生したことにびっくりしたり、音の違いに感動したり、何時間も次々にアナログを掛けて楽しんでいます。「おじいちゃんちからもらってくる!!」なんて言う人もいます。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

当協会に訪れる20代の人達にレコードプレイヤーを触らせるといきなり針をど真ん中に置いたり、スクラッチがここか派生したことにびっくりしたり、音の違いに感動したり、何時間も次々にアナログを掛けて楽しんでいます。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

80年代初期にパイドパイパーハウスで買い求めたイギリスのインディーズ盤ですかね。アイランド、ラフトレード、ヴァージンなどのレーベルの作品、特に「Hsysi Fantayzee」Regard recordは今でも聴いています。

——RECORD STORE DAY JAPANについて

既に終わってしまっていると思いますが、18日青山のCAYで、「イイ音聴こう」アナログディスク大特集と題して1部は、Nivanaのドラマーにして、Foo Fightersのボーカル、Dave Grohlが撮りおろした伝説のアナログコンソール(Neve8028)を中心にこのコンソールにほれ込んだ数々のアーティスト達のインタビュー、セッションを中心としたドキュメント映画「Sound City」の上映試写会、2部ではピーターバラカンさん、ヴァイナル蒐集家の集英社インターナショナルの佐藤信夫さんによる超貴重アナログレコードを聴きながらのトークイベントを開催します。この日の為にイギリスEARのオーディオセット、総額1000万円超のオーディオセットを用意し、存分にアナログの魅力を堪能して頂きます。

19日には下記が開催されます。
FLAKE RECORDS presents“THE FUTURE TIMES Live & Talk”
日時:4月19日(金) 18:00 OPEN 19:00 START
出演:
1部 Talk Live/後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、CHABE(CUBISMO GRAFICO FIVE)、DAWA(FLAKE RECORDS)、鈴木 健士(ミュージックソムリエ協会 理事長)
2部 弾き語りLive/後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、下岡晃(アナログフィッシュ)
http://www.thefuturetimes.jp

20日には下記が開催されます。
「5年前にスタートして、毎年大メジャーレコード会社も巻き込み(今年はデイヴィッドボウイ、ポールマッカートニー、ブライアンイーノも参加とか!)大いに盛り上がる欧米に対して、一昨年立ち上がった公式日本事務局を窓口として、ようやく端緒に付いた感にある日本版レコードストアデイ。3年前イベントを開催してきた当店としては胸アツな情況までやってまいりました。4月20日当日は限定リリースものなどの販売も当然ありますが、インストアイベントも通常では考えられない顔ぶれが揃いました!(http://www.jetsetrecords.net/news/2013/04/post-78.php)」

■JET SET 下北沢店 タイムテーブル
16:00【DJ】Makkotron(WEEKEND RECORDS)
17:00【DJ+トーク】スカート/澤部渡
18:00【DJ+トーク】ピーター・バラカン
19:00【DJ】ECD
20:00【DJ】瀧見憲司
21:00【DJ】MURO

■JET SET 京都店 タイムテーブル
14:30【DJ】中村悠介
15:30【DJ】キングジョー
16:30【LIVE】Hi,how are you?
16:50【LIVE】Homecomings
17:10【LIVE】井上陽介
17:30【LIVE】向井秀徳
18:00【DJ】Hal Udell
19:00【DJ】DJ Joymen
20:00【DJ】DJ GAJIROH (BONG BROS)

また、永井博氏書下ろしイラストのサイン、通し番号入りのキャンバスレプリカを限定69枚作成いたします。こちらは4月20から先着にて一枚30,000円で販売いたします。申し込みの詳細は4月20日(土)にRECORD STORE JAPANのサイト http://www.recordstoreday.jp で発表いたします。

rsdj2013poster

■RECORD STORE DAY JAPAN:http://www.recordstoreday.jp
 


 

高橋裕二

(洋楽天国)

——RECORD STORE DAY及びアナログ再興に関して

こういう意見もあると、ジョン・ボン・ジョヴィがイギリスの新聞のインタビューに答えたものを紹介します。

「私の子供たちはあらゆる種類の音楽が好きだ。長女のステファニーも音楽が大好き。だがクリックしてダウンロードして聴くのは『曲』だけで、アルバム全部を聴くわけではない。今の子供たちはヘッドフォンを置いて、フル・ボリュームで音楽を聴く経験がない。アルバム・ジャケットを手にかざしながら、その絵をイメージして聴くことはしないし出来ない。なけなしのお金でレコードを買うのはレコードのジャケットのせいだということもある。中にどんな音楽が入っているかもわからないのにだ。だがそれが魔法だ。魔法の瞬間なんだ。今何がどうなったかって。全ての責任はデジタル・ダウンロードでレコード音楽を破壊したスティーブ・ジョブズにある」

データとしては実売調査会社サウンドスキャンとビルボード誌がまとめたものがあります。

2011年のCDアルバム・セールス 2億2千4百万枚
2012年のCDアルバム・セールス 1億9千3百万枚
※対前年比13.5%のダウン

2011年のLPアルバム・セールス 3百90万枚
2012年のLPアルバム・セールス 4百60万枚
※対前年比17.7%のアップ

枚数は少ないですが確実にLP(ビニール)は伸びています。

■洋楽天国:http://yogakutengoku.blog135.fc2.com/
■高橋裕二インタビュー:http://www.musicman-net.com/focus/23.html


 

ジェイ・コウガミ

(All Digial Music)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

世界的にアーティストの参加率の高さが年々高まってきていることに嬉しく思います。限定リリースやクリエイティブなパッケージ制作、インストア・ライブへ取り組む姿勢が、ミュージシャンの音楽好きを証明していると感じます。この情報過多時代に「音楽好きなアーティスト」という存在感は本当に音楽が好きなリスナーに共感されやすく、音楽シーンを盛り上げてくれるヒーローになっている気がします。

——世界でアナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうしてだと思われますか?

CDでもデジタルダウンロードにもない音楽との楽しみ方がアナログにあるからだと思います。大きな形状、ジャケットアート、ライナーノート、裏返すアクションなど、音楽を楽しみ方を可変化させる価値観がデジタル時代には新しく映ります。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

デジタルにはできない音楽の楽しみ方をこれからもアナログレコードで追求していって、日本の音楽リスナーコミュニティとアーティストと一緒に音楽を継続的に楽しんでいって欲しいと思います。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

アナログレコードを通じで音楽を探す楽しみを感じてください。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

ジャケ買いしたサヒブ・シハブの「Summer Dawn」オリジナル。

■ALl Digital Music:http://jaykogami.com/
 


 

岸本英太郎

(JET SET代表)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

5年前にアメリカから立ち上がったイベントですが、当初こそ「無くなり行くインディペンデントなリアルショップへの郷愁と救済」というような、レーベルやアーティストからのヘルプを期待するチャリティのニュアンスがあったのですが、この5年の間にフィジカルリリース全般の売上の縮小と音楽ソフトのビジネスモデルにおける環境が急激に変化すると同時に、店舗におけるレコードストアデイの集客と売上が成長してニュースバリューもアップ、英米ではTVなどのマスメディアでもその様子が報道されたりする機会もあり、だんだんレーベルやアーティスト側に取ってもプロモーションや過去アーカイヴのマネタイズの貴重な機会として、win winのような情況になってきています。

ただ、日本においては昨年から公式な事務局が立ち上がったことや、アナログでのリリースがそもそも極端に少ないこともあり、やっと今年くらいからユーザーやショップにイベントが認知されつつあるように思います。また、レーベルやアーティストにとっては、アメリカでの4年前くらいの認知のされ方で、やはりそこはまず小売店の集客と売上が先に立たないと、なかなかレーベルやアーティストにとってはインセンティヴが認められないようです。英米の情況を鑑みれば少し残念な気もしていますが、やがては貴重な機会として盛り上がっていくのではないかと感じています。

——世界における、アナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうしてだと思いますか?

音楽をデジタルデータで流通させている時点でCDというパッケージでそれを販売する理由はかなり失われているとは思います。03年くらいからのサーバーコストの大幅なダウンによる音楽ファイル流通のインフラ向上、05年以降のYouTubeを始めとする動画共有サービスの普及、appleのiTunesを中心とするデバイスを含めた生態系の構築など、どんどんCDの存在価値は失われてきました。一方ではライヴは盛んに行われるようになり、前項でも述べたようにマネタイズのモデルが変わってくる中で、大きなアートワークやバイナルディスクといったデジタルではないフィジカルなプロダクツとしてのアナログレコードの特殊性が再評価されつつあるのを感じます。

もうひとつ見逃せないユーザーに取って大きなメリットは、結果的にアナログでのリリースがデータと比較して非常に厳選された状態で流通する、ということにあると思います。つまり、SoundCloudなどの音楽共有サイトでは常に音源の更新が簡単に行われ、データでの音楽の流通量は爆発的に増えていますが、ユーザーにとっては情報にメリハリが無く、それをプルするだけのトリガーに当たるものがほとんど存在しない。平たく言えば「確かに只だけど、何を聴いたら良いのか判らない」というような状態です。しかし、アナログレコードをリリースするというのはまず、「これで完成した」とアーティスがいったん楔を打った音源をマスタリングし、そのマスター音源を工場に納品して流通枚数を決め、コストをかけ、リスクを取ったものだけが市場に出てきます。ここまでのコストがアナログは実はCDの数倍かかり比較にならないほど高い。またそれを仕入れる小売店もキャッシュを支払った状態で商品を並べる訳ですから、ショップに並んだアナログレコードは、大勢の人間がリスクを取って選択した結果としてしかそこには存在しません。

それだけハードルが高い訳ですが、だからこそ一定の品質が担保されうるという構造は見逃せないと思います。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

アナログレコードはもはやノスタルジーの対象ではなくなってきました。データに比べれば高価かもしれませんが、本来音楽鑑賞に充てる時間は限りある余暇を消費する贅沢なもので量より質に重きを置くべきもの。欧米のレーベルやアーティストはきちんとそこは自覚してリリースを続けています。アナログレコードを買う限り、これからも贅沢を楽しんで頂けると思います。また、そこになかなか積極的にならない日本のレーベルやアーティストに向けてもリリースの価値を粘り強く提案し続けるつもりですので、ご期待下さい。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

レコードプレーヤーや針がもう生産されていない、というような誤解を持っている方が少なからずいらっしゃるようですが、全くそんなことはありません。ただ、家電屋さんではなく、現在それらを扱っているのは楽器屋さんです。ぜひ、楽器屋さんにお問い合わせ下さい。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

私はプロのディーラーですので、販売してないものをおススメはしません。自社で今、一番自信のあるリリースは、坂本慎太郎さんの7インチです。こちらは明日から店頭でのみご購入出来るものですので、ぜひ店頭に足をお運び下さい。

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明日のレコードストアデイのインストイベントは英米に負けないレベルのものになると思います、こちらもぜひ店頭に足を運んで頂ければと思います。
http://www.jetsetrecords.net/news/2013/04/post-78.php

■JET SET:http://www.jetsetrecords.net/


 

木下 塁

(Manhattan Records)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

アナログファン、そして普段レコードに触れることのない音楽ファンの皆様に向けアプローチが出来る素晴らしい企画だと思います。

——世界でアナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうしてだと思われますか?

やはりここ数年デジタルが普及していく中で音質やアートワーク含めた「モノ」としての価値感に改めて気付いたユーザーが増えてきているのだと思います。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

随分とリリースは減りましたがそれでもまだまだオフィシャルでリリースされているレコードは多いです。これからもアナログファンの皆様に満足して頂けるようなお店作りに尽力していきます。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

是非店頭に足を運んでみてレコード独自の素晴らしい音質に触れてみて下さい。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

Pete Rose「Charlie Hustle」Picture Record Album

■マンハッタンレコードオンラインストアURLhttp://manhattanrecords.jp/


 

和田貴博

(FLAKE RECORDS 店長)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

私がやっている個人レコード店にとっては大変意味のある、意義のあるイベントだと思います。ありがたいです。日本ではまだ全然盛り上がっていませんが、率先していろいろやっていければと思っています。

——世界でアナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうしてだと思われますか?

配信があたりまえになって、配信に飽きた、味気なく感じて来たってことではないでしょうか? やはりモノとしての良さを再確認する人が多くなったかと思います。再興やムーヴメントは特にお金を持った、大人に向けての再発を狙ったビジネスで成功しているだけで、インディとかではそこまでと思っています。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

大阪堀江にて世界中のインディミュージックをタイムラグ無しで揃えているお店です!是非一度足をお運び下さい。全商品にコメント付き、試聴もたくさんできます。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

買ってみたら分かると思うけど、所有感が凄いです。ぶっちゃけ、聞くよりも、買う事そのものが一番テンションあがったりします。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

ANTHARXのGOT THE TIMEの変形時計ジャケットの10インチ。
MATTHEW SWEETの100% FUN、本人にサインもらった。

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レコード屋をメインとして、音楽に関わる色んな事に挑戦して行っていますので、気にしてもらえたらと思います!5月末からは南アフリカからDESMOND & THE TUTUSと言うトロピカルなインディポップバンドを招聘して、様々な日本のバンドと共にツアーを行います!是非遊びに来て下さい。

■FLAKE RECORDS:http://www.flakerecords.com/
■FLAKE RECORDSで取り扱うレコードストアデイ限定商品http://www.flakerecords.com/news_rsd2013.php


 

Root Down Records

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

「レコード店へ行こう」というコンセプトはとても共感できます。ネットでは遭遇しない、お店ならではの発見や出会いというのはとても楽しい事なの で、ぜひ多くの方に感じて欲しいですし、小売店としても盛り上げて行きたいと思っています。

またアーティストやレーベルの協力もあり、年々増加す る限定/記念タイトルのリリース等、より大きなムーブメントへ向け着実にステップアップしていると感じています。

——世界における、アナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうし
てだと思いますか?

レコード→CD→ダウンロードと、エンドユーザーが手にする音楽媒体の移り変わりの中で、改めて「30cm強の円盤型塩ビ盤」という「実体のあ る=(所有欲を満たす)」レコードフォーマットの再評価が高まっているんでしょうか。いいタイミングで安価で手軽なプレイヤーが増えた事も拍車を かけた一因ではないかと思います。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

これからもレコードを聴き続けて下さい。販売店としては初心者からベテランまで楽しめる面白いラインナップを心がけ、より沢山の方にレコード/音 楽を楽しんで貰えるよう頑張って行きたいと思っています。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

携帯は出来ないし汚れたらノイズだって生じる、手間のかかるフォーマットではありますが、柔らかな音質や大きなジャケットなど、手間を補って有り余る「アナログならでは」の愉しみがレコードにはありますので、是非興味を持って貰えたらと思います。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

「Donny Hathaway /Live」大好きな1枚です。
 


Root Down Recordsではレコード・ストア・デイに以下の企画を行います。

[店舗のみ] 4月20日(土)、4月21日(日)
・中古商品 全点 10% OFF
・セールコーナー拡充

[店舗/オンライン共]4月20日(土)-〜4月26日(金)
・期間中に商品をお買い上げ頂いたお客様にもれなく「レコジャケ・ステッカー」をプレゼント。
※60mm x 60mmの正方形ステッカーx5種類セット。
http:/https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/migrate.musicman-net.com.rootdownrecords.jp/wp-content/uploads/2013/04/sticker.jpg

■Root Down Records:http://www.rootdownrecords.jp


 

長縄健志

(書籍「Musicman」編集長)

——RECORD STORE DAYの取り組みに関して

アナログの魅力、実店舗の魅力を考える契機になる日となって楽しいと思います。音楽を取り囲む環境が無味乾燥になっている印象があるので、人の交流が生まれるお祭りが年に一度くらいあってもいいのではないでしょうか? あとは日本でも認知度が上がるといいですね。

個人的には毎年限定商品が楽しみです。「今年は何がリリースされるのかな…」とチェックしています。

——世界における、アナログ再興の気運、ムーヴメントが起こっているのはどうし
てだと思いますか?

音楽のデジタル化、アーカイブ化で、膨大な音楽を閲覧でき、どんな音楽でも簡単に安く手に入る、聴けることが、必ずしも「音楽を聴く楽しさ」全てに寄与するとは限らない、ということに人々が気づきだしたんじゃないでしょうか?

多少の不便さ、手間も時には楽しさを増幅するという事実の先にアナログがあった、再発見した。その期待に応えるだけの魅力がアナログにはあったような気がします。

あと、音楽を聴く行為の選択肢が狭まっていることに対する意識 or 無意識の抵抗のような気もします。決して、デジタル=悪ということではなく「色々な聴き方を楽しめばいいじゃん」ということだと思うのですが。

——日本のアナログ・ファンにメッセージ

いい音楽を教えて下さい。もうそれしかないですね(笑)。

——アナログにあまり触れたことのない人へのメッセージ

上を見ればキリがないですが、アナログは再生環境さえ整えれば、そこまでお金を掛けずに楽しめます。

また、お店の方々もアナログ好きな人も、アナログを聴く人が増えるのが嬉しいはずですから、実際に聴かせてもらったり、色々教えてもらったり、どんどん活用しちゃいましょう(笑)。

ローファイ、ハイファイとは別の軸で、アナログは録音した空間ごと「瞬間解凍」したかのような体感があります。音楽を能動的に聴く楽しさも味わえます。とっても楽しいですよ、アナログ。

「Musicman-NET」は音楽ビジネスの情報を中心に発信していますが、少しずつ「音楽を聴く楽しさ」もお伝えできれば…と思っております。

——自分のお宝アナログ盤を教えてください。

最近入手した中で思い入れがあるのは、Little Junior Parker「Driving Wheel」オリジナル盤です。内容、ジャケともに最高すぎる一枚です。


■RECORD STORE DAY:http://www.recordstoreday.com
■RECORD STORE DAY JAPAN:http://www.recordstoreday.jp
■レコード・ストア・デイから考えるソーシャルインフルエンス(posted by 高野修平)http://www.musicman-net.com/business/23347.html

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