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ぴあ総研、音楽フェス市場は前年比11.5%増加の434億円に拡大

ビジネス レポート

音楽フェス市場規模と動員数の推移

ぴあ総研は8月1日、毎年行っている音楽フェスの市場動向に関する調査結果を公表した(2024年1月~12月に開催されたイベントが対象)。本調査では、音楽ポップス分野のフェスティバル形式(同時間帯に複数アーティストが出演する形式)のイベントのチケット販売額を推計し、音楽フェス市場規模を算出している。

2024年の音楽フェス市場規模は434億円と推計され、前年から11.5%の増加となった。動員数も対前年増減率5.4%増の360万人と堅調に推移し、2023年にコロナ禍から回復した音楽フェス市場は、2024年も好調に推移した。

特に、「国内4大フェス」のひとつである「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」が開催25周年を迎え、千葉県蘇我市と茨城県ひたちなか市の2会場で、計10日間にわたる記念開催を実施するなど、大規模フェスが安定した人気を保つ一方で、「ジゴロック2024~大分“地獄極楽”ROCK FESTIVAL~」(大分県)や「おぼろっく2024」(福井県)など地域独自の特色を活かした地方発のフェスも増加傾向にあり、多様な開催形態がフェス市場の成長を支えている。

また、音楽フェスティバルにおける動員1人当たりのチケット単価は、コロナ禍前2019年の11,175円から2024年には12,062円まで上昇。背景には、物価や人件費の上昇に加え、円安による海外アーティスト招聘コストの増大など、運営面での費用負担の増加が影響していると考えられる。

さらに近年は、夏場の気温上昇による熱中症リスクの高まりを受け、開催時期の見直しも進んでいる。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、これまで8月に行っていた開催を、2025年は9月へと移行するなど、気候変動への適応も求められる時代に入っている。

音楽フェスは、音楽を楽しむ場にとどまらず、地域振興や文化交流、さらには環境への配慮など、さまざまな社会的価値を内包したイベントとして、その役割と可能性を拡げている。

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