東京03×Creepy Nuts、「東京03 FROLIC A HOLIC」日本武道館で開催 配信視聴含め2日間で3万6千人が熱狂

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©川田洋司、加藤千絵

実力派コント師、東京03が盟友である作家・オークラ氏と共に、Creepy Nutsを迎えた、「東京03 FROLIC A HORIC feat. Creepy Nuts in日本武道館 なんと括っていいか、まだ分からない」が開催。ゲストに、4日には若林正恭(オードリー)、佐倉綾音、5日は春日俊彰(オードリー)、百田夏菜子、両日のゲストには吉住、GENTLE FOREST JAZZ BAND、佐久間宣行が名を連ね、チケットは即完売し、急遽モニター裏体感席が発売されるほどとなり、2日間で2万4千人を動員、配信を1万2千人が視聴し、合計3万6千人が、新しい“括れない”エンターテインメントに熱狂した。

このイベントは、コント師、俳優、ラッパー、DJと、タイトルにある通り“なんと括っていいか、まだわからない”立ち位置にある東京03とCreepy Nuts、そしてゲストたちがそのテーマに沿ったコントを披露。それぞれが自分の得意分野で遊んでもらい、コントに還元することをテーマに、この場、このキャストだからこそ出来たスペシャルな構成だ。DJ松永が抱えたモヤモヤした社会的な葛藤と、R-指定が抱く浮ついた葛藤を交互に飯塚、豊本が聞きながらも上手く解決ができず、最終的に角田扮する”大人の階段上らせ師”が「大人ってそんなもんだ!」と受け入れさせる「括れない悩み」からスタート。コントに挑戦したCreepy Nutsの2人も味のある表情で会場を沸かせ、角田がとんでもない人違いから始まり、周りの目を気にして引き下がれず、人違いをした飯塚に熱い芝居を求めるコント「人の目」では、途中から女優の夢を諦めたという吉住が登場。芝居を拒否する飯塚に「あんなにお客さんが観てくれているのに!」と涙ながらに訴えかけるシーンでは、その表情に思わず、飯塚が笑いをこらえられない表情に。秀逸に絡み合い、展開していくコントはさすがのひと言。

吉住はその狂気に満ちた表現力を存分に発揮し、コント「括れない感情」では、小説家の飯塚に憧れるヒモの豊本を養う“信子”を演じつつも、実は…という数えきれない展開で誰にも結果を予想させず、ずっと見ていられる構成で観客をうならせ、時に切なさ、哀愁を漂わせ、爆笑させていた。「括れないラジオ」では、佐久間がパーソナリティとなり、それぞれのキャラクターをゲストに迎え進行していく。R-指定扮する“韻陰師ダーク”は、どんな前向きな言葉も、韻を踏むことによってネガティブな言葉、陰気な言葉にするというコーナーでは、その言葉を再現するお芝居に4日には佐倉が、5日は百田が同じ役として登場。DJ松永いわく“ガッチガチに母音を踏んでいます”という、元の言葉からは想像ができないほど、とんでもなくネガティブな言葉に変換された言葉を、佐倉と百田が全力で演じ切った。さらに、佐倉と百田は“ラブちゃん”というおバカなアイドルを、限界まで演じ切り、そのポテンシャルを見せつけ、DJ松永は、そのラブちゃんのセリフを見事にサンプリングし武道館を盛り上げる。佐久間に「トップ声優は違うね〜」と言われるも表情を崩さずなりきる佐倉、「本物感がバチバチ漂ってる」とうならせた百田は、本家アイドルを全開で表現。

そして、Creepy Nutsはコントのメッセージ性が鋭いリリックとリンクした「サントラ」「のびしろ」などの楽曲も熱演。GENTLE FOREST JAZZ BANDの煌びやかな演奏をバックに、圧倒的なパフォーマンスで観客の目を惹きつけ、自然と手が波のように振れていく。そのほか、なかなかR-指定扮する芽が出ないラッパー、“野上”がディスりを武器に駆け上がりZIGOKUとしてブレイクするも自分を見失う「ラップ歌劇」から、女優を辞めた信子、ラブちゃん、その場にいたこじらせた大人が冒頭のコントの「大人ってそんなもんなの!」と大きな伏線回収をする「やめる」という、すべての点が繋がり線となる展開に、笑いと感心、感動を覚えた先で、4日目は若林、5日目は春日が登場。

若林はスウェットとサンダル、コンビニの袋を下げて「今日のコント見させてもらいました。しびれましたね」と発し、「“わ”かく照れ屋でコントが上手くできない人を“か”“ば”い“や”さしく手ほどきする“師”、わかばや師」として、この日のためにショートコントを書いて渡すも、オチで東京03と松永に変顔をさせるだけでなく、佐久間やオークラまでも呼び出し、GENTLE FOREST JAZZ BANDへの無茶ぶりの“オチ音”に合わせ変顔をさせるなど大暴れ。あまりの展開に飯塚が“帰れよ!”“もう終わり終わり終了!”と叫び幕を閉じた。

対する春日は、ピンクベストで胸をはって登場。ゆっくりと登場し、「括れないラジオ」で、ダークがポジティブな言葉をネガティブに変える即興劇を披露。“バラエティ界にとって前向きな存在”という彼は、どんな企画も断らないというだけあって、佐久間からその場で即興劇をしろと無茶ぶりをされ、東京03が慌てて拒否するも春日は快くOK。しかし春日はネタは飯塚にまかせ、「言われたことはやる」と胸を張り、飯塚が悩むも、見事即興劇を乗り切り、東京03、春日ともにさすがの底力を見せた。

2日目のラストでは、その即興劇の流れで吉住が大トリのコメントを求められ、窮地に立たされるも、見事にコントのキャラクターで、圧倒的な狂気を見せた“信子”で乗り切り爆笑のまま終演した。事前のインタビューで、飯塚が「オークラの夢でもあり、僕たちの夢だった」という武道館公演。様々なゲストを迎え、コント、芝居、ラップ、DJ、それぞれの得意分野を存分に発揮し、素晴らしい化学反応を起こした本公演。今後もジャンルレスに、哀愁を漂わせながらも“大人ってこういうもん!”と、決して一つのものに括られることなく、新しい挑戦をし続けていくことだろう。イベントの模様は3月26日まで配信でも楽しむことができる。是非、何度もこの時間に“フロリックアホリック”=意味「はしゃぎ中毒」してみては?

文:吉田可奈

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