ラスベガスの「スフィア」、EDMで最も注目すべき会場の一つに DMN解説
ラスベガスの球体型アリーナ「スフィア(Sphere)」で、EDMが確固たる存在感を示し、その存在感をさらに拡大しつつある。Digital Music News(DMN)が3月31日伝えた。
Anymaによるソロアーティスト・レジデンシー公演、EDC(エレクトリック・デイジー・カーニバル)を主催するインソムニアックとEDMフェスティバル「トゥモローランド」のコラボイベント「ユニティー」の開催、ILLENIUMのアルバムリリース連動型レジデンシー公演と、それぞれ異なるアプローチでEDMイベントが開催されており、その多様性は注目に値する。
スフィアの公演には極めて特殊な技術が求められ、ILLENIUMのレジデンシー公演の制作体制を見ると、ビジュアル制作はアニメーションスタジオのウッドブロックが担当。スフィアのディスプレイ要件を満たすため、12KのCGで制作した。技術基盤としてHoudini SolarisとUniversal Scene Descriptionを採用し、コンポジティングにはNuke、さらにスフィアのフォーマットに合わせて特別に開発されたカスタムツールを使用した。
制作開始前に大規模な物語シーンの構成を練るため、「ザ・サードフロア」スタジオも参加。ライブイベントより映画制作で一般的なワークフローだが、スフィアのショーでは珍しくないという。
このほか、従来のコンサート演出よりも演劇の舞台美術の手法に重きを置いたビジュアルコンセプトや、一般的なDJパフォーマンスではあまりみられない弦楽四重奏団との生演奏などが取り入れられた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
スフィアがEDMの新しい聖地になりつつある。弦楽四重奏との生演奏、舞台美術の手法によるビジュアルコンセプト——EDMというジャンルが持っていた「クラブカルチャー」の文脈が、スフィアでは「総合芸術」に昇華されている。Anyma、トゥモローランド×インソムニアック、ILLENIUM——異なるアプローチのEDMイベントが相次いで開催されていることは、偶然ではなく必然だ。12KのCGビジュアル、Houdini SolarisとUniversal Scene Description、映画制作で使われるプリビズワークフロー——スフィアが要求する制作水準は、コンサートより映画に近い。この空間が求める技術的・芸術的な高みが、EDMというジャンルの表現を根本から更新している。ソニーがVFX会社を買収し映像技術の内製化を進め、KPOPガールズ!がアニメで音楽体験を再定義した同じ流れの中に、スフィアはある。ライブエンタメ、映像技術、舞台芸術が交差する「ポストフェス時代」の新しい様式が、ラスベガスで生まれている。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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