ライブネーション、反トラスト法訴訟が再開 米司法省と和解も30超の州が訴訟継続
ライブネーション・エンターテインメントに対する反トラスト法訴訟の審理が3月16日、ニューヨークの連邦裁判所で再開された。同社は裁判開始から約1週間が経った同月9日、米司法省(DoJ)との間で和解が成立したと発表したが、30超の州が同省の暫定和解案を拒否し、訴訟を継続している。
米司法省は2024年5月、数十の州およびコロンビア特別区の司法長官らと共同で、ライブネーションおよび傘下のチケットマスターを提訴していた。
米司法省との合意条件に基づき、ライブネーションはチケットマスターの所有権を維持する一方、全米の野外劇場との13件の独占ブッキング契約を解消する。ライブネーションが所有・運営する野外劇場は「オープン会場」となり、プロモーターはチケットの最大50%を販売できるようになり、サービス手数料は15%の上限が設けられる。
チケット販売については、チケットマスターは全ての主要コンサート会場に独占契約と非独占契約の両方の提案を行う。また、ライブネーションは各州からの損害賠償請求に対応するため2億8,000万ドル(約445億8,500万円)を計上し、米司法省との既存の同意判決を8年間延長することに合意した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「本当の決着はまだ先だ」——前回そう書いたが、その通りになった。米司法省(DoJ)との和解からわずか1週間、30超の州が暫定合意を拒否し、ニューヨークの法廷で審理が再開された。司法省が勝ち取った条件を改めて整理すると、アンフィシアター(野外劇場)の独占ブッキング契約解消・手数料15%上限・チケット最大50%の他社販売——いずれもアンフィシアター限定であり、アリーナを含む全国規模の変革とは異なるスコープだ。州側がこれを「物足りない」と見たのも理解できる。ライブネーションは2億8,000万ドルの州向け損害賠償ファンドを積んだが、これは解決というより「継続交渉の入口」と読むこともできる。司法省が手を引いた後も30超の州が戦い続ける構図は、米国の反トラスト法執行において州が連邦を補完する役割を持つことを改めて示した。チケットマスターの所有権は維持された。だが「維持できた」と「勝った」は違う——ライブネーションにとって長い交渉が続く。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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