音楽業界団体「Fix the Tix」、TICKET法案の改正要求 米上院委員会で審議中
音楽・ライブエンターテインメント業界団体「Fix the Tix」が米連邦議会上院に対し、連邦チケット法規制の強化を強く求めている。米上院が委員会で審議中の「主要イベントチケット料金透明化法案(TICKET法案)」ではファンの保護が不十分だとして、改正を求める公開書簡を送付した。
現行の法案の措置には、隠れたチケット手数料の違法化、投機的チケット販売(販売者が実際にチケットを所有していない場合)の禁止、公演延期・中止時の返金要件の明確化、連邦取引委員会(FTC)によるボット使用に関する調査開始が含まれる。
同書簡にはレコーディングアカデミー、SAG-AFTRA、Eventbrite、米国音楽家連盟(AFM)など十数団体が署名。「TICKET法案は前進ではあるが、投機的チケット取引の完全禁止、転売価格と手数料に対する執行可能な制限、そして強固なエンドツーエンドの価格透明性がない限り、悪質な業者は法律の抜け穴を悪用し続け、ファンやコミュニティーを犠牲にするだろう」と指摘し、転売手数料を10%に制限するなどの提案を行なっている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「チケット代100ドル、手数料35ドル」——これがアメリカのコンサートチケットの現実だ。2024年5月に下院を通過したTICKET法案(H.R.3950)の柱は「オールイン・プライシング」、つまり手数料込みの総額表示の義務付けだ。だがFix the Tixは「それだけでは足りない」と言う。問題の核心は表示価格の不透明さではなく、転売市場そのものの構造にある。投機的チケット——販売者がまだ持っていないチケットを先売りする行為——が横行する限り、どんな透明性規制も後手に回る。NIVAを中心とするFix the Tixが求める転売手数料10%上限は急進的に聞こえるが、フランスやアイルランドでは定価を超える転売そのものを原則禁止する法律がすでに運用されている。日本も2019年に「チケット不正転売禁止法」を施行したが、「業として反復継続する場合」という条件と執行力の限界から、転売ヤーの根絶には至っていない。どの国も完全な答えをまだ持っていないのかもしれない。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
ポッドキャスト概要:
Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り
「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。
Spotifyでポッドキャストを聴くプレイリスト概要:
記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち
月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!
Spotifyでプレイリストを聴く@musicman_nusicman
広告・取材掲載