音楽IPへの投資が過去最高水準 カタログ管理でフィンテック・インフラ企業に熱視線
2025年、音楽IP(知的財産)への投資規模・件数が過去最高水準で増加。大規模なカタログには権利関係、徴収、支払い、そして成長を管理する複雑な金融システムが必要となるが、こうした中、数多くの音楽流通大手企業に採用されているのがグローバル向け自動決済プラットフォーム「Tipalti」だ。Digital Music News(DMN)が12月16日伝えた。
Tipaltiの顧客には、DistroKid、ONErpm、Symphonic Distribution、Vydiaといった大手流通企業のほか、ゴーデジタル・メディア・グループ、クリエイト・ミュージック・グループ(CMG)などの音楽IPを保有する大手企業、ニンジャ・チューンといったレーベルなどがいる。いずれの企業も膨大かつ複雑な一括支払い要件を管理するためTipaltiを利用しており、中でも複雑な要素が入り組んだロイヤルティー支払い業務を簡素化できる点が評価されているという。
IP所有者が直面する課題は多岐にわたり、こうした需要の高まりも、「Claimy」や「MusicInfra」といったIP特化型の金融・インフラ新興企業の資金調達の発表が相次ぐ理由となっている。音楽生成AIプラットフォーム「Suno」「Udio」のライセンス供与型・オプトイン方式での再始動により、さらに引き合いが強くなることが予想される。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「これまで音楽業界のなかで資金が回っていた、これからは金融の資金が音楽業界に流れ込んでくる時代になる。昨年は音楽産業への投資が1兆円超えと空前のブームが起きていたが、これはSUNOなど音楽生成AI絡みを除いた数字。投資対象は楽曲カタログで、ビートルズなど長期的に再生される楽曲が入った音楽カタログはアメリカでは年金基金が対象にするほど手堅いビジネスに変貌している。beatBreadやクリエイトミュージック、コンコード、サーキットなどに本誌でも脚光を当てたが、今回はTipaltiを紹介。Tipaltiは音楽配信からの集金、アーティストへの売上分配などに特化した自動決済プラットフォームで、TuneCoreのライバルであるDistroKidや忍者チューン、クリエイトミュージックなど中堅レーベルも利用中。水平分業がストリーミングの世界でも進行中ということになる。他に「Claimy」や「MusicInfra」といったIP特化型の金融・インフラ新興企業も注目が集まる。音楽フィンテックの時代が昨年から引き続き今年も進んでいく。」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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