米国著作権局「AI生成作品に著作権認めず」
米国著作権局は1月に公表した著作権とAIに関する報告書の中で、AIにより生成された作品には著作権が認められないとの判断を示した。「Suno」や「Udio」のような音楽生成AIソフトウエアをインストールし、プロンプト(指示)を入力して出力されたものを所有することは不可能ということだ。音楽制作者向けウェブサイト「MusicRadar」が伝えた。
ただし、失われた演奏を再現したり、創作物を強化・改変して「不可能」を実現したりするような「AIベースのツール」は依然として許容されており、それらを含む作品も創作者に帰属し、所有されることが可能だとしている。
当局は「AIがツールとして使用され、人間がその表現要素を決定できる場合、これらの出力されたものの全体または一部が著作権の対象となり得ることが多いが、現段階ではプロンプトのみでこれら要件を満たすことは難しい」と指摘。異なるアプローチの必要性を評価するため、技術的・法的な動向を引き続き注視する方針を示した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「SunoやUdioのプロンプトのみでまるっと生成した楽曲は著作権を持たないと、アメリカ著作権局が報告書で語った。ツールとして使う分にはOK(詳細は記事)。報告書なので法的拘束力は持たないが、米著作権局がこの基準を元にAI生成曲の登録を拒めば実質的に拘束力を持ちうる。また、著作権局の報告書なので裁判の論拠として力を持ち、同報告書どおりの判決が確定すれば法的拘束力を持つ。すでに今年3月、連邦控訴裁判所で「人間の関与なしにAIが生成した作品は米国における著作権保護の対象にはならない」との判決を全員一致で下している」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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