ワーナー・ミュージック、カラオケ「Singa」とライセンス契約 マスター音源のストリーミング可能に
ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は6月3日、フィンランド発のカラオケ・ストリーミングサービス「Singa(シンガ)」とライセンス契約を結んだと発表した。これにより、オリジナル・マスター音源のストリーミングが可能となった。
音楽出版社やインディーズレーベルとの契約でカタログの拡充を進めてきたSingaにとって、初のメジャーレーベルとの契約となる。
カラオケ業界はかねて、ライセンス契約の制限により、カラオケ用にアレンジした音源に頼らざるを得ず、Singaもこれまで12万曲以上のカラオケバージョンを提供してきた。
Singaは2015年の設立。34カ国で、約2,000ヵ所のホスピタリティー施設と200万世帯にサービスを提供している。全ての権利者への透明性のある報告を確実にするため、権利管理技術に多額の投資を行っているという。
英市場調査会社テクナビオ(Technavio)によると、世界のカラオケ市場は2025年から2029年にかけて4億4,200万ドル(約635兆円)成長し、年平均成長率は4.3%になると推定されている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「ワーナー・ミュージックがカラオケ・アプリSingaと契約。日本のカラオケアプリと違い、マスター音源でカラオケを楽しめるようになる。中号ではカラオケ・アプリが投げ銭との組み合わせでサブスク以上の稼ぎを出したことは拙著でも書いたが、カラオケ・アプリが本当に効果を出すためにはAIの活用とオリジナル音源、投げ銭とSNSが鍵になる。AIとオリジナル音源に関しては今回のワーナーとの契約のようにレーベルとの契約を進める必要があるのは音楽サブスクの立ち上げ時と同じだ。長期的に見ると音楽を聴くことを有料化する時代はサブスクの普及で目処が立ったので、音楽で遊ぶことのマネタイズが課題になった。それもTikTokやインスタと契約を結ぶことで進展しているが、Singaのようなものも先進国でようやく進んでいきそうだ」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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