インド、音楽著作権使用料の徴収額が5倍弱に拡大 5年で

著作権協会国際連合(CISAC、シサック)によると、インド唯一の著作権協会であるインドパフォーミングライツ協会(IPRS)の音楽著作権使用料の徴収額は、2024年に70億ルピー(約116億円)超と前年比42%増加した。国際レコード産業連盟(IFPI)が報告した2024年のインドの音楽ソフト売上高の成長率(2.5%)を大きく上回る水準となっている。
2020年比では358.4%増と大きく拡大。世界の音楽著作物使用料の徴収額におけるインドの順位は、わずか5年で37位(2019年)から23位(2023年)に急上昇した。この増加は、主にストリーミングにおける徴収が著しく伸びたことによるものという。
一方でCISACは、インドの数字はまだ「これほど大きな市場としては潜在的な可能性を大きく下回っている」と指摘。有料またはプレミアムストリーミングサービスの普及率の低さと、非デジタル収入のパフォーマンスの低さが、主な課題としている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「中国の次はインドの時代と言われて久しいが、インドの音楽著作権収入(作詞作曲の方)が2024年に70億ルピー(約116億円)超で前年比42%増、2020年比で358.4%に。なおインドのGDPは2020-24で8.7%増と音楽著作権ビジネスの基盤が急速に進んでいることがわかる。なお音楽ソフト売上(原盤権の方)が2.5%増で苦戦。インドはYouTube大国で、無料ストリーミングにまつわる著作権収入が急増した一方、ストリーミングに付く広告売上は世界的に停滞している。スマホとストリーミングの普及でこれまで音楽にお金を払わなかった新興国が巨大な音楽マーケットになる12年前ぐらいに連載で書いたが、いよいよ現実になってきた。記事にある通り、無料から有料への移行は始まったばかりだが、大手のストリーミングとSNSと著作権管理団体が契約することで無料の段階でもこれだけの成長率を見せている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
広告・取材掲載