YouTube広告収入、第1四半期は10%増加 サブスクも好調

米グーグルの持ち株会社アルファベットは4月24日、2025年第1四半期(1〜3月)のYouTube広告の売上高が89億2,700万ドル(約1兆2,720億円)となり、前年同期比10.3%増加したと発表した。市場予想(89億7,000万ドル)は下回った。
YouTubeのサブスクリプション収入は単体で公表されていない。これが含まれる「グーグルのサブスク、プラットフォーム、デバイスの売上高」は103億7,900万ドルと18.8%拡大した。
グーグルのスンダー・ピチャイCEOは決算説明会で、アルファベットのサービスの有料会員数は現在2億7,000万人で、YouTubeと消費者向けクラウドストレージサービスのGoogle Oneが成長をけん引していると説明。「今やサブスクがビジネスの大きな部分を占めている」と述べた。
アルファベット全体の純利益は46%増の345億4,000万ドル。売上高は902億3,400万ドルと12%伸びた。営業利益は20.2%増の306億600万ドルとなり、これをベースとした利益率は34%で、1年前から2ポイント改善した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「YouTubeのQ1成績が広告・サブスクともに好調。先進国、特にアメリカで音楽サブスクと無料音楽の広告売上がともに不調なことと対照をなした。YouTubeは広告売上が今年Q1に10.3%増の一方、アメリカの無料音楽の広告売上は昨年1.8%減だ。アメリカのデジタル広告売上自体は昨年15%伸びているので、新興国に強いYouTubeが伸びているというだけでは説明が付かず、これまでの音楽MVに広告を付ける、Spotifyの無料ストリーミングに広告を付けるという手法だけではトレンドを拾いきれなくなったという根本的な課題があり、それは日本も例外ではない。Spotifyは音声広告取引市場をAIで設けたが、急進するVodcastでも音楽を使えるようにして音楽番組で広告売上が立つようにするなどの対策が必要だ。5年前に拙著で書いたとおりの展開になっている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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