デジタル音楽会社Believe、日本の音楽業界の未来についてミュージックビジネスカンファレンスを実施

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Believe ミュージックビジネスカンファレンス

2005年に設⽴された、フランス・パリに本社を置く⾳楽会社Believeの日本法⼈Believe Japanは、3⽉19日東京・渋⾕ヒカリエにて、「Believeミュージックビジネスカンファレンス」を開催した。

本カンファレンスでは、Believe グローバルミュージックヘッド兼ヨーロッパ社⻑ ロマン・ヴィヴィアン氏ならびに、Believe APAC社⻑ シルヴァン・ドランジェ氏が来日し、日本法⼈設⽴後、初めて日本の公の場でグローバル視点でのBelieveの戦略等を発表。また、今回は、作家・⾳楽産業専⾨コンサルタントであり、日本の⾳楽ストリーミング時代の到来を提唱してきた榎本幹朗⽒をモデレーターに、キズムル代表取締役 CEO 今井⼀成⽒をゲストとして招き、日本のデジタル⾳楽を先導してきた第⼀⼈者の視点からもBelieveの市場参⼊について語られた。

まずは榎本⽒と今井⽒によるセッションからカンファレンスはスタート。2⼈が⾳楽ストリーミングの提唱を始めた2012年頃よりも以前から世界の⾳楽のデジタル化に取り組んでいるBelieveの日本での可能性について、当時の⾳楽業界の動向とデータを交えながら説明した。ストリーミング時代が到来し急速にデジタル化が進む日本の⾳楽業界を⽀援するという同社の志を強く賞賛し、セッションを締めくくった。

続いて、Believeの経営陣がステージに登壇。まずはグローバルミュージックヘッド兼ヨーロッパ社⻑であるロマン・ヴィヴィアン氏から、改めてBelieveとそのミッションについて説明した。その上で、他の⾳楽会社と異なる点について、1つは「デジタル化する⾳楽業界の中、独⾃のデジタル専⾨知識と世界中にいるチームの継続的なトレーニングに重きを置いてきました。おかげで、現在ではアジアとヨーロッパの多くの市場でリーダーシップを発揮することができています」と、“デジタルファースト”である点を述べた。また、デジタルとデータを活⽤してアーティストの成⻑を⽀援する⽅法を理解することで、国内外の主要なデジタル⾳楽パートナー(DSP)との⻑期的なパートナシップを築いている点についても触れ、⾳楽業界の未来についてのビジョンを語った。Believeの核となるのは「公平性、透明性、敬意を持って⾳楽の未来を形作るというミッション」だと説明。Believeの⽬指す先について聞かれると、「アーティストとレーベルの“デジタルチーム”となり、デジタルプラットフォーム上のツールを最⼤限に活⽤してアーティストが⾃⾝の可能性を理解するための⼿助けをしていくこと」だと述べた。アーティストとレーベルの育成に最適なサポートチームに投資し、アーティストの収益を最⼤化するために、「発⾒」と「オーディエンスの開発を強化」することを優先事項としていること⽰した。

アジア太平洋地域で10年以上Believeに携わってきたシルヴァン・ドランジェ氏からは、同地域について「アジアにおいてBelieveは何年にも渡りストリーミング側だけでなく、ソーシャルメディア、ローカル、そしてそれ以外の主要なデジタルサービスと強⼒なネットワークとパートナーシップを構築してきました。今まさに、この⻑期的な実績を日本のアーティストとレーベル、そして⾳楽業界全体の成⻑のために還元する準備が整っています」と⾒解を述べた。Believeはアジア太平洋地域において、過去10年間で7億ユーロ以上のロイヤリティを現地の⾳楽業界へ還元してきた(APACプレミアムソリューションのみ、日本を除く)。

Believe Japan代表の⼩川エリカ氏は、ローカルな視点から、アーティストやレーベルが成功するために今の日本市場に⽋けているものについて、「多様性」と「⾃⽴性」と明⾔し、「セルフプロデュースを得意とする海外にならい、“インディペンデント性”を研ぎ澄ますことが⼤事だ」と語った。世界50カ国に拠点を持ち、世界中のトレンドのデータを集約するBelieveを、「日本と海外をつなぐ存在」となっていきたいという日本展開の野望を伝えた。

最後に、「日本のアーティストの海外への輸出機会」について、榎本⽒より聞かれると、⼩川氏は「日本の⾳楽市場は“眠れる巨⼈”であり、⼤きな可能性が眠っている」と語り、日本のアーティストの成⻑機会について期待を寄せた。シルヴァン氏からも、「日本のストリーミングの普及率は、⼈⼝の半分であり、⼈⼝動態が同程度の国よりも低いです。日本が他の市場と異なる⾏動をとる必要はないと確信しており、デジタルが⽣み出す機会を受け⼊れるべきです」と、日本の⾳楽業界の未来を⾒据えて⼒説し、会を締めくくった。

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