休刊となった『レコード芸術』がムックで登場、注目の「ONTOMO MOOKレコード・アカデミー賞」も発表

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『レコード芸術2023年総集編』表紙

クラシックを中心とした音楽専門誌を発行する音楽之友社は、2023年のクラシック・ディスクの総集編となるムック『レコード芸術2023年総集編』を2月28日に発売する。定価は1,980円(税込)。

71年あまり続いてきた月刊誌『レコード芸術』は、昨年2023年7月号をもって休刊しました。その直後から、雑誌の存続を求める声が多数寄せられるとともに、「おすすめのディスクを知りたい」「どんな新譜が出ているのか情報を知りたい」「ディスクに関して信頼できる記事をじっくり読みたい」といった要望があったという。そこで今回、編集部員と執筆陣が一念発起。その声に応えるべく、ムックとして発売するに至ったとのこと。

本ムックでは、『レコード芸術』誌面内で好評を博していた毎年恒例の看板企画「レコード・アカデミー賞」は、形を変えて「ONTOMO MOOKレコード・アカデミー賞」となって登場。計60回続いた音楽之友社主催「レコード・アカデミー賞」は、日本のレコード会社から発売された1年間のクラシック・ディスクの中から、選定委員の合議や投票などを経て、大賞、大賞銀賞、大賞銅賞、部門賞などが決定されていた。今回は『レコード芸術』2023年1~7月号の特選盤から、月評の各担当執筆者が1位から3位までを選定し、これまでのような投票・合議による大賞や部門賞ではなく、各執筆者単独によるランキングとして発表した。録音部門については、優秀録音からの選定とした。

さらに本ムックでは、休刊以降のディスク情報も取り上げる。もしも『レコード芸術』が存続していたら8~12月号の月評に掲載されたであろうディスクの中から、おすすめを紹介。「2023年後半のおすすめディスク」として、幅広いジャンルのリリースに精通する満津岡信育氏と相場ひろ氏が、対談形式で各部門ごとに「イチオシ」を決定し、それぞれの魅力を語る。

そして長寿雑誌ならではのアーカイヴを掲載。カリスマ音楽評論家であった宇野功芳氏の過去の月評を1960年代から2010年までの中から抜粋し、さらには時代を切り開いたオペラ演出家・三谷礼二氏の記事を紹介する。2人のアーカイヴから批評の変遷を振り返り、音楽の本質とはなにかを改めて問い直す。

豪華執筆陣、片山杜秀、舩木篤也、矢澤孝樹、喜多尾道冬各氏による渾身の記事も『レコード芸術』ならでは。ディスクの解釈を深く掘り下げた、読み応えたっぷりのものとなっている。人気連載「トーキョー・シンコペーション」「古楽夜話」は休刊後に書籍化して好評を博しており、ここでは番外編を掲載する。

別冊付録:レコード・イヤーブック2023年1~7月号&補遺

また、本誌には別冊付録として「レコード・イヤーブック2023年1~7月号&補遺」が付属する。長年の読者からの強いリクエストにより作成したもので、『レコード芸術』2023年1~7月号の巻末掲載分と、月評に掲載されたであろう8~12月分を分けて収載。前者に関しては例年と同じ形式で、後者については簡略化して一覧表にまとめている。

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