第一興商、21年4月〜9月期経常は赤字拡大

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第一興商は11月8日、2022年3月期第2四半期の連結業績(2021年4月1日〜2021年9月30日)を発表した。

当第2四半期のカラオケ業界は、東京をはじめとする大都市圏に対して発出された緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置とそれらに伴う要請が続いたことにより、ナイト市場・カラオケボックス市場ともに多くの店舗が長期間の休業あるいは時短営業を余儀なくされ、感染状況の拡大に伴って対象地域が拡大、対象期間が延長されるなど、厳しい経営環境が継続した。

同社グループにおいても、4月と7月に発出された2度の緊急事態宣言をはじめ、中核事業である業務用カラオケ事業及びカラオケ・飲食店舗事業のいずれにおいても新型コロナウイルス感染拡大のマイナス影響が継続していることから、「出を抑え、入りを増やす」という方針のもと、手元資金の流動性確保に留意しつつ、店舗家賃の減免交渉など固定費の低減を図る一方で、カラオケ導入先との関係性強化に努め回復局面に備えるとともに、パーキング事業やデリバリー業態の拡充など新たな収益源の開拓を進めた。

なお、雇用調整助成金や時短協力金をはじめとする各種給付金を「助成金収入」として、56億6,000万円(前年同期は23億6,000万円)を特別利益に計上したほか、コロナ禍における緊急事態宣言への対応に起因する費用を「新型コロナウイルス関連損失」として、62億9,900万円(前年同期は62億5,800万円)を特別損失に計上している。

その結果、当第2四半期の業績は、売上高は395億2,900万円(前年同期比7.6%減)、営業損失は19億4,500万円(前年同期は16億4,200万円の損失)、経常損失は11億7,600万円(前年同期は7億4,600万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、前年同期に比べ特別利益が33億1,000万円増加したことなどにより24億5,200万円改善し、14億2,900万円の損失(前年同期は38億8,100万円の損失)となった。また、当第2四半期までを対象とする各種給付金のうち、70億円程度は第3四半期以降の決算に計上する見込みだ。

業務用カラオケ事業は、コロナ禍の影響により商品出荷が軟調に推移したほか、顧客店舗の休業あるいは閉店の増加による稼働台数の減少の影響を受けたものの、前年同期に比べ緊急事態宣言等に伴う減免の規模が縮小したことなどにより売上高は前年同期比4.2%の増収となり、営業利益は前年同期比14.3%の増益となった。なお、緊急事態宣言に伴う減免施策に係る固定費5億9,900万円(前年同期は15億8,600万円)を「新型コロナウイルス関連損失」に振替え計上している。

カラオケ・飲食店舗事業は、カラオケ2店舗の出店およびカラオケ14店舗、飲食2店舗の閉店を行ったことにより、当第2四半期末の店舗数はカラオケ509店舗、飲食176店舗となった。コロナ禍によって多くの店舗で休業・時短営業を余儀なくされた影響により、売上高は前年同期比43.4%の減収となり、69億8,100万円の営業損失となった。なお、緊急事態宣言に伴う休業期間中の運営店舗の固定費56億6,700万円(前年同期は46億3,300万円)を「新型コロナウイルス関連損失」に振替え計上している。

音楽ソフト事業は、新型コロナウイルスの影響による新曲の発売延期やイベント・コンサートの中止による商品販売減少などの影響を受けるなか、販売費等のコストコントロールに努めた結果、売上高は前年同期比8.5%の減収となり、営業利益は前年同期比79.5%の減益となった。

その他事業は、前年に続き飲食店・カラオケ店への設置が多いBGM事業などにてはコロナ禍のマイナス影響を受けたものの、家庭用カラオケサービス「カラオケ@DAM」は好調に推移。新たな収益の柱とするべく「ザ・パーク」ブランドで展開するパーキング事業にて、営業資産の買収を含む新規出店が好調に進展し、当第2四半期末時点で1,600施設、20,000車室を超える規模に拡大したことなどから、売上高は前年同期比19.2%の増収となり、営業利益は前年同期比62.1%の増益となった。

連結業績予想は、現時点で新型コロナウイルス感染症の今後の推移と同社グループの事業活動にあたえる影響について合理的に算定することが困難であることから引き続き未定としている。

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