作家/作詩家・なかにし礼氏死去、「北酒場」など約4000曲 直木賞受賞も 82歳

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なかにし礼

かねて病気療養中だった作家・作詩家のなかにし礼氏(本名=中西禮三)が、12月23日に心筋梗塞のため死去した。82歳。

1938年中国黒龍江省牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒。大学在学中よりシャンソンの訳詩を手掛け、「知りたくないの」(1964年)のヒットを機に作詩家となる。

ヒットメーカーとして活躍を続け「今日でお別れ」(1967年)、「石狩挽歌」(1975年)、「時には娼婦のように」(1978年)、「北酒場」(1982年)など約4000曲の作品を創る。「天使の誘惑」(1968年)ほかで日本レコード大賞を3回、同作詩賞を2回、またゴールデンアロー賞など受賞歴多数。

その後作家活動を開始し、小説『兄弟』(1998年)を発表。次作の『長崎ぶらぶら節』(1999年)で第122回直木賞を受賞。満州からの引き揚げ体験を描いた『赤い月』(2001年)は100万部に迫るロングセラーになり映画化もされた。『てるてる坊主の照子さん』(2002年)は「てるてる家族」としてNHK連続テレビ小説で放送された。著書は他に『夜盗』『さくら伝説』『黄昏に歌え』『世界は俺が回してる』『夜の歌』等々。

一方、舞台作品の台本・演出も手掛け、演劇・舞踏・オペラを融合した「世界劇」という新しい上演形式は高い評価を受けている。

2012年に食道ガンが見つかり陽子線治療にてけしたが、2015年3月に食道横のリンパ節に再発。懸命なる闘病の末再度克服。近年はサンデー毎日にてエッセイ『夢よりもなお狂おしく』を連載するなど、各方面にて活躍していた。

葬儀は、故人の遺志により家族葬で行う。新型コロナウイルス感染症の感染状況を見極めながら、後日「お別れの会」が行われる予定だという。

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