MPA 2020年度定時総会を開催、新会長にユーズミュージック代表取締役社長 稲葉豊氏が就任

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事業報告について説明する桑波田会長

MPAは6月12日、明治記念館において2020年度定時総会を開催、委任状含む214社が出席し、2019年度事業報告、同決算報告、任期満了に伴う役員選任について審議を行った。

第1号議案「2019年度事業報告」では、フィンガープリントプロジェクトとして、すでに316万曲の邦楽曲をフィンガープリント化し、2020年度には初めての海外フィンガープリント事業者による楽曲報告が行われる予定であること、日本レコ―ド協会との間で新たに合意された貸与報酬分配ルールに従った分配が行われることになったこと、MPAが販売する「著作権契約書(FCA/MPAフォーム)」「楽曲利用承諾書(CM承諾書)」及び「楽曲利用申請書」の改訂を行ったこと、さらに、渡邊美佐名誉顧問が「文化功労者」に選出され、桑波田景信会長が「文化庁長官表彰」を受賞し、これまでの音楽業界への貢献が顕著に認められた1年となったことを報告。

第2号議案の「2019年度決算報告」では、放送二次使用料、貸与報酬の前年度比較など著作隣接権分配事業収益を中心に正味財産増減計算書及び貸借対照表の内容が説明され、収益14億5,400万円、費用14億5,000万円、経常増減額450万円となったことなどを報告、それぞれ満場一致で承認された。

また、第3号議案「任期満了に伴う役員の選任について」では、理事、監事ともに候補者全員が承認を得て選任。この後、開催された新役員による臨時理事会において、ユーズミュージック 代表取締役社長 稲葉豊氏が会長に選任された。

選任された新役員の任期は2022年までの2年間となる。なお、新型コロナウィルス感染防止のため、この総会はMPA正会員を対象に動画配信された。

新役員

会長:稲葉豊(ユーズミュージック)

副会長:田島 敏(ヒップランドミュージックコーポレーション)、林 隆一郎(日本テレビ音楽)、平野 達郎(渡辺音楽出版)

専務理事:高嶋 裕彦

業務執行理事・事務局長:生沼 士郎

理事:衛藤 祐一郎(ビクターミュージックアーツ)、草野 夏矢(シンコーミュージック・エンタテイメント)、久保田 匠(エムシーキャビン音楽出版)、小池 英彦(フジパシフィックミュージック)、清水 義則(よしもとミュージックパブリッシング)、ジョニー・トンプソン(ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング)、瀧澤 千絵(日音)、長谷川 実(セントラルミュージック)、堀 一貴(大洋音楽)、見上チャールズ一裕(ソニー・ミュージックパブリッシング)、森川 進(セブンシーズミュージック)、渡邊 泰人(第一興商音楽出版)

監事:小野寺 重之(松竹音楽出版)、栗田 秀一(レインボーエンタテインメント)、名越 禎二(エムシージェイピー)、山﨑 順一(King & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業)

名誉顧問:渡邊 美佐(渡辺音楽出版)

顧問:朝妻 一郎(フジパシフィックミュージック)

アドバイザー:桑波田 景信(日音)

※敬称略

稲葉新会長による就任挨拶

稲葉豊会長 就任挨拶

ウイズコロナからポストコロナへ。音楽業界を取り巻く環境は大きく変容し、ビジネスモデルも変化が求められています。MPAとしてもその流れを捉え、今期2つの新たなタスクフォースを立ち上げました。一つは「音楽団体連携タスクフォース」。新たな音楽の聞かれ方や楽しみ方を提示していかなければいけない現状の中で、著作権の枠組みだけでは答えは生まれません。能動的に他団体と連携を図り、新たな価値観を一緒に作り出していきたいと思っています。
そして、「著作権管理効率化タスクフォース」。世の中の電子署名の議論も含め、会員社の業務効率化をデジタルトランスフォーメーションで進めていきたいと思っています。
併せて、従前からの2つのタスクフォースも力強く継続していきます。
一つは「デジタル徴収タスクフォース」。新たに生まれ、拡大していくSNSやDSPへの適切な徴収を関係団体とともに促進していきたいと思っています。
最後は「フィンガープリントタスクフォース」。5団体で進めてきたプロジェクトも最終年度を迎えます。海外使用料の拡大と国内使用料の報告業務効率化・透明化。成果を着実に上げていきます。

MPAは引き続き作家と会員社、そして音楽に関わる全ての方の利益のために歩を早めていきたいと思っています。引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。

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