海外からの『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、フジロック)来場者を中心に現地インタビューを実施し、アジア最大級の音楽野外フェスティバル『フジロック』が彼らの目にはどのように映っているのかについて様々な視点で『フジロック』の魅力に迫るSPICEオリジナル企画「YOUはどうしてフジロックへ?」。2回目となる今回は、2024年7月26日・27日・28日に新潟県湯沢町苗場スキー場にて取材を行いました。
『FUJI ROCK FESTIVAL’24』には、ヘッドライナーのTHE KILLERS、KRAFTWERK、NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDSを筆頭に国内外200組以上のアーティストが出演し、前夜祭からの4日間で延べ9万6,000人が来場。主催者によると、そのうち2024年のインバウンド来場者数は前年と同じく全体の10%にのぼったそうです。本稿では15組の海外音楽ファンが語った『フジロック』の魅了を紹介します。
■ Kayleeさん & Angeさん from Australia
オーストラリアから来場したケイリーさんとアンジさんは21歳の同級生チーム。3週間の日本旅行でのひとつのアクティビティとしてフジロックに初参加されました。フジロックを知ったきっかけについて、「どうやって知ったんだっけ…。多分、日本で何かないかググったんだと思う」とケイリーさん。アンジさんは「ソーシャルメディアで出て来たんじゃなかったかな。だって出演する何組かのアーティストのことを私たちはすごく好きだし、ポストしてたんじゃないかなあ。だから『OK!じゃ日本に行こう〜!」って決めて。そのフェスに行こうって」
観たいアーティストは「girl in red、The Last Dinner Party、Angie McMahon。彼女たちが私たちのトップ3ね。とっても楽しみ!」という二人に、フジロックの魅力を訊ねると、ケイリーさんは「音楽がとても良くて、ドリンクもおいしい。それがいいし、とても素敵です。これほど大きなフェスに来たのは初めてで、ただただ最高」、アンジーさんは「ここにはたくさんの人がいるのに、かなり広々してる。座るのにもいい場所が多いですね」とのこと。
母国の音楽フェスとの違いについては、「規模が小さいですね。外国からの来場者も少ないと思います。あと来場者のマナーが悪い。オーストラリアの音楽フェスは、たまにカオスなこともあります。日本人の方がずっとマナーがいいです」とコメント。二人とも「またフジロックに帰ってきたい」と話してくれました。
■ Renyさん & Andrewさん from China
中国から来たレニーさんとアンドリューさんカップルは北京と香港に離れてお住まいのため、東京で待ち合わせをして新幹線、シャトルバスを乗り継いでフジロックに初参加。その道のりもスムーズだったそう。
フジロックを選んだ理由について、レニーさんは「フジロックはアジア最大のとても有名なフェス。だから選びました。Kraftwerkを観たいです」とコメント。アンドリューさんの観たいアクトは、「初めて観るGLASS BEAMS。彼らは格好よすぎですからね。Shizaを観るのを楽しみにしていましたが、実現せずでした」
アンドリューさんはフジロックについて「巨大ですね。中国のフェスの場合、2つのステージをいったり来たりするだけで一度に1つのアクトしかいませんが、フジロックは来場者数も多く、国際的でもあって、異なるジャンルの音楽やフードで溢れています」とコメント。フジロックの魅力について、レイニーさんは「おいしいフード、それとDJのいる小さなステージがすごく良かったわ。そこではみんなが一緒に踊ってて楽しかった」とGAN-BAN SQUAREでのエピソードも。さらにアンドリューさんからは「トイレがすごく早い。そこが中国とは全然違う。それに施設の管理がしっかりしているのも良いですね」といった意見もありました。
■ Jasonさん & Mangoさん from China
パンダの故郷である中国四川省の成都(チョントゥー)から来たジェイソンさん(30歳)とマンゴーさん(31歳)は、夫婦でフジロックに初参加。関西国際空港へ降り立ち、大阪から京都、名古屋を旅して東京へ。11日間の旅行でフジロックには1日券で入場されたそうで、フジロックに来た理由は「とても面白そうだからです。ある人からはとっても楽しくて国際的だよって聞きました」とジェイソンさん。さらにマンゴーさんは「私たちは日本のすべてが好きなんです」という、うれしい言葉も。
どのアーティストを観るのか訊ねると、「GLASS BEAMS! KRAFTWERK、¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U(行松陽介)です。エレクトロ、テクノ、ファンキーディスコ、ハウス系が好きなんです」との答えが。そんなジェイソンさんが感じたフジロックの一番の魅力は「ここにいる人々。とってもフレンドリーなところです。中国の人もフレンドリーかもしれませんが、違う。我々はいつも忙しくしていますが…(笑)」と言うと、スマホで翻訳機能を使い、「あなた方はきちんとしています」と書かれた画面を見せてくれました。
■ Emmaさん & フレンズ from China
中国・上海から来た中学の同窓生グループを代表して、エマさんが応えてくれました。年齢は秘密。エマさんは初参加、その他に2回目の人、3回目の人も。フジロックを知ったのは友だちが話していたのとInstagramから。フジロックまでの道のりや準備について大変だったかと訊ねると、「全然。とても簡単だった。公式サイトに全部書いてあったから」とのこと。
フジロックの感想は「昨日、Peggy Gooを観ました。彼女、最高だったわ。それからThe Killers、彼らも良かった。フジロックはバラエティに富んだアーティストがいて、すべてが同じ場所にありますよね。飲み物や子ども向けのエリア、自然との関わりなど、他にもたくさんのソーシャルアクティビティを提供している。ただ音楽フェスに行くだけでなく、自分がしたいことをできる場面もたくさんある。それらは中国にはないものだと思います」と満喫されている様子。とはいえ山の中だから大変では?の問いには「大丈夫。私たち、とっても健康だし! フィットガールズ! イェイ!」とみんなで声を合わせて応えてくれました。
■ Devon Caranicasさん、Eugene Youngさん & Philippa Youngさん from USA
Los angelesから日本へヴァケーションでやってきた、デボン・ケルニカさん(37歳)、ユージーン・ヤングさん(36歳)、フィリッパ・ヤングさん(4歳)はフジロック初参加。前日にはAwich、Erika de Casierを鑑賞、2日目のこの日はKraftwerk、SAMPHA、そして友だちから教えてもらった、くるりを観る予定とのこと。ユージーンさんのお仕事柄、世界中のフェスに参加経験のあるお二人。
フジロックの印象をデボンさんは「とってもきれい」と一言。ユージーンさんも「素晴らしいです。音楽業界で働いているので数多くのフェスを訪れていますが、フジロックはかなり上位のランクです。フードはとても美味しくて会場は清潔、音楽は多様。そしてファミリー向きでもある。老若男女が混ざっているのも面白いですね。家族に、そして私たちの娘にも優しいフェスです。キッズランドが素晴らしいですね」と述べると、デボンも「そうそう。私たち、あのエリアが大好きだわ」と満面の笑みでコメント。
さらにユージンさんは「レッド・マーキーの反対側にブルー・ギャラクシーという小さなステージがあるのですが、あの小さなエリア全体がものすごく楽しい。ボードウォークを歩いてフィールド・オブ・ヘブンへ行くのもいい。大きなメインステージ以外にも、ちょっとしたおまけがたくさんあって、それがいい感じです。グラストンベリーのように、そうしたものを努めて提供しているフェスティバルもありますが、一般的なアメリカやオーストラリアの音楽フェスにはおそらくないでしょうね」と大絶賛でした。
取材・文=早乙女 ‘dorami’ ゆうこ
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